ドライブインなみま|小説 アジフライ定食編
健康な土の上へ落ちた種みたいに胡座をかいて、不健康な煙突からあふれる煙みたいに紫煙を夜に蒔く姿は、野良だった。野生の青々とした閃光が放つ逞しい辛辣も、人肌の柔和な温もりが放つ愛日の甘露も、どちらも深く知り得たうえでどちらも自らが放棄して独歩する、野良。たぶん唐突に雨が降ろうが風が吹こうが雷が鳴ろうが動じることはないだろう。とはいえ、きれいに整えた髪、短く切りそろえた爪、左右均等な歯並び、皺のない白いTシャツ、深い色をしたインディゴジーンズ──その人から放たれる印象はとても清ら