小さな生活の声

20代のあれこれについて真剣に考えるライター奈都樹が運営しているnoteです。主に25〜29歳を対象に取材。キャリア、恋愛、結婚、子育て……将来について今考えていることをぜひ聞かせてください。ご連絡はDMにて。Twitter(X)もしくはInstagramにお願いいたします。

小さな生活の声

20代のあれこれについて真剣に考えるライター奈都樹が運営しているnoteです。主に25〜29歳を対象に取材。キャリア、恋愛、結婚、子育て……将来について今考えていることをぜひ聞かせてください。ご連絡はDMにて。Twitter(X)もしくはInstagramにお願いいたします。

マガジン

  • 94年生まれOLのさとり時評

    ストーリーズで投稿してきたテキストを大幅に加筆修正していきます。随分前の話題を掘り返していく、ちょっと時代遅れのゆとりでさとりな時評

  • 寄稿

    小さな生活の声以外での書き物について

  • 【連載】それでも夢を追う理由

    30歳を目前にした5人が語る、夢と現実について

  • 【連載】会社員のホンネ 3年以上働ける会社と働けない会社

    “若者”は労働者の一員となり何を知ったのか。20代会社員からみた組織について。

最近の記事

  • 固定された記事

はじめにーー自分が今最も欲しているものとは何なのか

「会社を辞めたいけれど、自分みたいな人間はたぶん他では上手くやっていけない」という友人がいた。彼の顔は疲れ切っていて誰がみても限界だということは明らかだった。 そんな友人を見ていると「私よりもずっと頭が良くて有能なあなたが、どうしてそんなことを思うの?絶対他でも上手くやっていける。あなたを縛るそんな職場なんて抜け出しなよ」と考えなしに言いたくなってしまう。 しかしどこかで躊躇してしまうのは、自己否定的になる彼の気持ちがなんとなくわかる気がしたからだった。私もまた大事な選択

    • 男が生み出す女と男の共通語が欲しい(『ナミビアの砂漠』を観て)

      「男の人はね、女の人に母親であり、妹であり、恋人であり、友人であり、 娼婦であって欲しいのよ・・・」 恋愛アドベンチャーゲーム『果てしなく青い、この空の下で…。』のヒロイン・八車文乃はそんなことを言うらしい。ファンの中では、男の気持ちを代弁している名台詞として知られているようだけど、私としては「男の人はね」というよりも「人間はね」と言った方が正しい気がしていた。というのも、そんなの私もそうだし、たぶんカナだって同じだから。 カナというのは映画『ナミビアの砂漠』の主人公のこ

      • Works2024(コラム、インタビューなど)

        🟣リアルサウンドコラム レポート 🔵QJWeb クイック・ジャパン ウェブコラム レポート BMSG×ちゃんみなによるガールズグループオーディション『No No Girls』

        • カンニングは正解を奪う

          どんな音楽を聴くべきか、どんな映画を観るべきか、どんなメイクをするべきか、どんな男どんな女がウザがられるのか、どんな人間になればあの人は振り向いてくれるのか、どんな職場がブラックでホワイトなのか、どんな思考を待てば心を病まずにいられるのか、どうすれば人生一発逆転できるのか…… この程度のことならだいたいSNSを適当に探せば書いてあるんだけど、とはいえネットは今日もみんなギスギスしてたりして、なんでもかんでもすぐ答えが見つかれば幸せになれるもんでもないらしい。 答えを見つけ

        • 固定された記事

        はじめにーー自分が今最も欲しているものとは何なのか

        マガジン

        • 94年生まれOLのさとり時評
          3本
        • 寄稿
          2本
        • 【連載】それでも夢を追う理由
          7本
        • コラム
          6本
        • 【連載】会社員のホンネ 3年以上働ける会社と働けない会社
          6本
        • インタビュー
          13本

        記事

          言葉を持たない人間のぼやき

          私は言葉を持っていなかった。正確には“語るための言葉”ということなんだけど、わたしにとってそれがないということは言葉そのものを持っていないことと同義だった。 どれだけコミュニケーションをとってもすれ違ったまま縁が切れることもあったし、思い切って拙い言葉で主張しても「それってあなたの感想ですよね」とか言われたりして私の黒い感情がドン滑りする。あまりに通じなくて泣いてたり声を荒げてしまうこともあったけれど、そうやって感情的になればなるほど地団駄を踏む子供のようになって、視野の狭

          言葉を持たない人間のぼやき

          おわりにーーこの時代に夢を語るということ

          今回取材に協力してくださった5人は、それぞれ現実が何なのか自分たちなりに解釈した上で、夢に向かって生きている。けれどほとんどの場合、“自分の生き方”を決める前には「葛藤」があった。 欲望に従って生きることは、心の平穏を失うリスクも高い。経済的な安定だけでなく、大事にしてきたプライド、異性からの扱われ方、家族との軋轢というようなパーソナルな問題に直面し続ける。自分の守り方がわかり始めてくるこの年齢にもなれば、それが言葉以上のダメージになると想像することは容易い。しかしそれでも

          おわりにーーこの時代に夢を語るということ

          最後の賭けにでるような思いだったーーウェディングプランナーを続けるために会社を辞めた今枝佳奈さんの現在

          30代が近づくなかで人生の岐路に立ち、新たな道を切り拓こうとする人たちにインタビューしていく連載「それでも夢を追う理由」。5人目は、フリーウエディングプランナーとして活動している今枝佳奈さんに話を聞いた。 今枝さんはブライダル企業のウェディングプランナーとして5年半勤め、昨年1月に独立した。仕事は順調。フリーランスになったことでやりたいことを叶えられているという。元々出世欲が強かった彼女は、会社員時代から優秀で昇進も早かった。一見、順調なキャリアアップに見える。しかし、管理

          最後の賭けにでるような思いだったーーウェディングプランナーを続けるために会社を辞めた今枝佳奈さんの現在

          本社に配属されるのはひと握りのアパレル業界ーーハギさんが20代でVMDになるまで

          30代が近づくなかで人生の岐路に立ち、新たな道を切り拓こうとする人たちにインタビューしていく連載「それでも夢を追う理由」。4人目は、某イタリアブランドでフィールドVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)として活躍しているハギさんに話を聞いた。 VMDとは顧客の購買意欲を引き出すための売り場の空間設計や商品陳列を手掛ける職種。ハギさんは接客スタッフ時代に店舗VMDを兼任したことを機に、この職を極めたいと思ったそう。しかし、アパレル業界では多くのスタッフが店舗に配属され、最終キ

          本社に配属されるのはひと握りのアパレル業界ーーハギさんが20代でVMDになるまで

          自分1人の力で作り上げた創作物で注目されたいーーかつて漫画家を目指していた茉河ユウさんが、向かう先

          30代が近づくなかで人生の岐路に立ち、新たな道を切り拓こうとする人たちにインタビューしていく連載「それでも夢を追う理由」。3人目は、バーチャルライバー/バーチャルライターとして活動している茉河ユウさんに話を聞いた。 “アウトプットの方法は何でもいい/チヤホヤされるために頑張ってる”という茉河さんは、イラスト、執筆、VTuberと幅広く活動している。何でも人並み以上にこなせる器用さと柔軟性がある彼だが、一方で自立心が強い人でもある。漫画家を目指してイラストの専門学校に入ったが

          自分1人の力で作り上げた創作物で注目されたいーーかつて漫画家を目指していた茉河ユウさんが、向かう先

          1年間の療養で収入0になったこともーーいざとなったら保証はない。それでも井上ユリさんがカメラマンを続ける理由

          30代が近づくなかで人生の岐路に立ち、新たな道を切り拓こうとする人たちにインタビューしていく連載「それでも夢を追う理由」。2人目は、カルチャーメディアを中心に活躍しているカメラマン・井上ユリさんに話を聞いた。 井上さんがカメラマンになったのは17歳の頃。「好きなバンドと一緒に仕事がしたい」という気持ちから始めたそうだ。そしてその夢が実現したのは、デビューからわずか数ヶ月後のことだった。それから現在に至るまで、憧れの人たちと仕事がしたいという夢を次々と叶えている。しかし、そん

          1年間の療養で収入0になったこともーーいざとなったら保証はない。それでも井上ユリさんがカメラマンを続ける理由

          「当たり前」ができず何度も挫折した会社員時代ーー食の仕事を目指し続けた山本咲さんが、フードコーディネーターになるまで

          30代が近づくなかで人生の岐路に立ち、新たな道を切り拓こうとする人たちにインタビューしていく連載「それでも夢を追う理由」。1人目はフードコーディネーター兼菓子作家の山本咲さんに話を聞いた。  会社員時代は挫折ばかりだったという山本さん。食の仕事に携わりたかったという彼女だが、組織のなかでは自分の強みをなかなか発揮できず、苦しい時期が続いた。夢はすぐそばなのに、目の前に立ちはだかる壁を乗り越えられない。そんなことが繰り返される日々。しかし、どれだけ挫折しても食の仕事がしたいと

          「当たり前」ができず何度も挫折した会社員時代ーー食の仕事を目指し続けた山本咲さんが、フードコーディネーターになるまで

          新しい連載、まもなく始まります。「それでも夢を追う理由」というタイトルです。取材をまとめている間にこの連載の向かう先を変えるべきだと思い、だいぶ悩んだ末にようやく完成しました。 すぐにとはいいません。もう無理かもしれないと思った時にこの連載のことを思い出してもらえたら嬉しいです

          新しい連載、まもなく始まります。「それでも夢を追う理由」というタイトルです。取材をまとめている間にこの連載の向かう先を変えるべきだと思い、だいぶ悩んだ末にようやく完成しました。 すぐにとはいいません。もう無理かもしれないと思った時にこの連載のことを思い出してもらえたら嬉しいです

          Works2022-2023(コラム、インタビューなど)

          小さな生活の声以外の書き仕事について コラム松田龍平の存在に感じる“共感”と“恐怖” 『鵜頭川村事件』に漂う空虚さ 私は労働者という立場になって以降、松田龍平をかなり好きになっていて。その理由を考えてみました。 最初は「あのモテ男と重なるから…?」と思っていたのですが…そもそも松田龍平の芝居からこぼれるものって人間そのものだからかと今は考えています。 『わたしのお嫁くん』『隣の男はよく食べる』――今、ドラマが描く女性・仕事・家事とは 普通の形は変わりつつあるのに、それ

          Works2022-2023(コラム、インタビューなど)

          死にたくなった日のその先で 山田太一の社会への抵抗と受容

          山田太一が最後に手がけた連続ドラマは、自殺未遂をした男女の物語だった。本作『ありふれた奇跡』の主人公・加奈と翔太は、駅のホームから飛び降りようとした中年男を助けたこときっかけに出会い、交流していくなかで互いに恋愛感情が芽生えていく。 山田太一ドラマには自殺をしようとする人間が度々登場するのだが、それは彼が戦争経験者であったことも影響していたのだろう。あの頃よりも”平和”で”安全”な世の中でなぜ人は死を選んでしまうのか考え続けていた人だったように思う。本作の企画書には、山田の

          死にたくなった日のその先で 山田太一の社会への抵抗と受容

          男には夢を与え、女には絶望を教えてくれたーーヨルゴス・ランティモス『哀れなるものたち』について

          男から大事にされるためにはどうしたらいいのか、男の本命になるにはどうしたらいいのか。異性に恋をしたことがある女であれば、幾度と考えることだろう。その証拠に某SNSおすすめTLには恋愛を指南するポストで溢れかえっている。というか私自身がいい女の条件的なポストを見て「あれ、これ私のことかしら?」と自分に当てはめて気持ちよくなったりしていること多々あり。とはいえそんな恋愛指南に一喜一憂するよりも「高級シャンパンやくだらないセックスとは違う刺激をくれた」(©︎鈴木涼美)ものを見つけて

          男には夢を与え、女には絶望を教えてくれたーーヨルゴス・ランティモス『哀れなるものたち』について

          おわりにーー未来を諦めてるというけれど

          それなりに大人となり現実を知った私は、共感と賞賛と炎上が目まぐるしく変化していくタイムラインを見ては、少々余計なことが頭をよぎるようになっていました。女性差別反対と言ってるわりに自分の彼女のことはさんざん困らせてんだよなこの人とか、あのバズライターは原稿の締切もろくに守らないくせに態度もひどいから編集者のことは普通に泣かせてんじゃんとか、Twitterトレンドに真っ先に意見することに夢中で仕事は全然進めないから同僚に責任を押し付けてたけどあんたはそれでいいのか?とか。 そり

          おわりにーー未来を諦めてるというけれど