マガジンのカバー画像

弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 中学編

37
メンバー全員が楽器初心者。最初の地区大会で毎年敗退を繰り返す吹奏楽部に入部した娘。親子・先生・保護者会・地域の皆さんを巻き込んで奮闘した3年間の軌跡。
運営しているクリエイター

記事一覧

弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第1話 吹奏楽部へ

弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第1話 吹奏楽部へ

今思い出すと・・娘が小学校6年生進級。
社畜だった私。娘が小学校5年生の時に働き方改革を勤務先が導入、それと同時にPTA役員デビュー、保護者会や類似する組織にどっぷりと浸かりながら慣れない仕事に邁進していくことに。

働き方改革前は、その日に帰宅できないことも多く、朝7時に職場へ行き、夜22時からミーティング・25時に帰宅なんていう日も多くあり、それが当然だと思っていた。
早く帰れる雰囲気などなか

もっとみる
弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第2話 担当楽器決定

弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第2話 担当楽器決定

かくして吹奏楽部へ入部した娘。担当楽器を決める期間が最初にやってくる。
私はサックスに憧れを持っており、当然娘にもサックスを希望してこい!
と念を押して学校へ送り出す。もはやただの親のわがまま・・。

数日して衝撃の知らせが。
『パパ!、クラリネットになった!』
えぇ!なんで!サックス希望じゃなかったの?

今思えばアルアルな話で、バンドの都合で担当楽器が決まっていくのは自然なこと。
しかし当時は

もっとみる
弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第3話 初めてのコンクール出場

弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第3話 初めてのコンクール出場

初めて尽くしのコンクール。
ただただ言われるがままにお手伝いお手伝い。
今後に向けて記録として残しておきたい一心から、撮影禁止以外の場所ではドキュメンタリーっぽく撮影を続けていました。

娘たちの出番が近づいてきたので、客席へ移動。初めてホールで演奏を聞きました。
何でかわからないけど涙が溢れてきます。
当時は他と比べて上手いのか下手なのかサッパリわからないのですが、感動です。
恥ずかしいので妻に

もっとみる
弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第4話 目覚める

弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第4話 目覚める

職場の同僚の子供が、他のライバル中学校の吹奏楽部に所属しているということを知った。
なんと地区予選敗退は娘の中学校だけ。他の同僚の子供達は上位大会へ進んだとのこと。
職場で吹奏楽の話題が盛り上がる。そしてむなしくなる・・

新体制の内訳は1年生6人、2年生12人の合計18人。顧問の先生の意向で全員をアンサンブルコンテストへ出場させることになった。
打楽器、木管、金管とそれぞれチームが組まれた。娘は

もっとみる
弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第5話 即行動

弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第5話 即行動

アンサンブルコンテスト後、自宅へ帰る車内で娘と色々話し合った。
私と同様、娘も現状に満足などしていなかった。親子で同じ想いでいたことは良かったし、共通の目標を決める上で良いタイミングだった。

【決めたこと】
①レッスンに通い、クラリネットの演奏技術を高めること。
これはねらいが3つあった。
一つは娘のレベルアップ。
二つ目は他の子供達に刺激を与えるということ。他の子供達を圧倒するくらいの演奏を身

もっとみる
弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第6話 レッスンの衝撃

弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第6話 レッスンの衝撃

年が明け、初詣は気合いの入ったものとなった。頑張るからどうかお願いします🙏
こんな具合でお祈りお祈り

初めてレッスンに行き始めたのはこの時。最初は体験レッスンというカタチで参加。『お父さんもどうぞ中へ〜🎵』なんて呼ばれて、レッスン部屋へ。

なぜレッスンを希望するのかを聞かれたので、『吹奏楽コンクールやアンコンで金賞、そして上位大会へ出場したいからです!』

先生と他のスタッフの皆さん、『し

もっとみる
弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第7話 新入部員獲得作戦

弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第7話 新入部員獲得作戦

新1年生が入学し、娘は中学2年生になった。少子化の時代、ただでさえ地域の学校の合併・廃校が進む中、新1年生を獲得するための活動は大変重要なイベント。

吹奏楽部へ入った子供達のきっかけは人それぞれ。友達に誘われたとか、たまたま体験入部したらカッコいい曲を演奏していて憧れたとか、すぐ音が出て褒められたとか笑

しかし昨今、他の部活動、とりわけ卓球部の人気が高く、オリンピックで活躍した福原愛ちゃんや、

もっとみる
弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第8話 親を巻き込む戦略

弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第8話 親を巻き込む戦略

時は昨年5月、4月はコロナ大流行により諸活動停止のため、新1年生はやっと担当楽器が決まり、初めて音を出し始めた。
動画撮影で学校へ見学しに行ったのはそんなタイミングだった。

フルート、クラリネット2、サックス2、トランペット2、トロンボーン2、ホルン、パーカッション、ユーフォニアム
新1年生が担当する楽器はこのように決まった。
娘にも初めて後輩ができた。
特にクラリネットは2人の1年生が入ってき

もっとみる
弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第9話 マイ楽器を買う!

弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第9話 マイ楽器を買う!

個人レッスンに通い始めて約2ヶ月が経過した頃、やはりというか当然というか、マイ楽器購入のおすすめがやってきた。
元々買うつもりではいたけど、まだ本気にはなっていなかった。

それまでは学校から楽器を借りてレッスンに臨んでいた。
その楽器はYAMAHAのSEモデルで、娘の実力からすれば充分すぎるくらいの楽器だ。
ただし10年以上前の楽器であり、誰がどんなメンテナンスを施してきたのか、どれくらいのペー

もっとみる
弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第10話 顧問の先生から突然の電話

弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第10話 顧問の先生から突然の電話

ようやく自分の楽器を手に入れて、自宅で遠慮なく練習できる環境が整備された娘。
しかし学校から帰ってきても、これといって練習する様子はない。部活で吹いてくるので、その日の練習内容次第では家で練習を継続するような時もたまにある。自ら積極的に練習するような光景はあまり見られない。

父『家でも練習して構わないよ。』
娘『部活で全力の練習をしているから、家ではゆっくりさせて!』

家ではインターネットで動

もっとみる
弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第11話 ホール練習

弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第11話 ホール練習

7月中旬に開催されるコンクール地区大会。まずはそれに向けての練習が始まった。
様々な改革によって平日の練習時間は2時間、土日はいづれかの日で3時間までというルールの中、感染症対策を行いながら練習をしていく日々。

6月上旬、地元のホールを借りて練習をすることになった。
コンクール本番や、地域の演奏会では自由に撮影できないし、雑音を拾ったり鑑賞している保護者の方々が画面の下半分を占めていたり・・。

もっとみる
弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第12話 ホール練習②

弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第12話 ホール練習②

突然指名された審査用の撮影依頼。
幸運だったことは、外部録音マイクなどそれなりに準備してきたこと。それがなければスマホで撮影していたかもわかりません。
今のスマホの性能は素晴らしいです。

連盟より通達の撮影ルールはいくつかあり、
①定点撮影で全体が見える状態
②映像・音の加工は禁止
③外部マイク使用の場合は1カ所に1つだけ
④動画ファイル形式はMP4・・
などなど

まぁ素人なので加工なんてでき

もっとみる
弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第13話 保護者の動揺

弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第13話 保護者の動揺

ホール練習での撮影を終えてから数日間、体に異変があった。熱は無いけど倦怠感がすごい。当日の気温が36度を超えていたため、まだ暑さに慣れない体が夏バテを起こしたのかもしれない。それに加えてプレッシャーのかかる時間を過ごしたためか。

編集した演奏動画は、保護者会のグループLINEで展開してもらった。
いろいろと励みになるコメントをしてくれる保護者の方や、編集にダメ出しされる方、既読スルーの方。
いず

もっとみる
弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第14話 壮行演奏会 真っ赤な戦闘服

弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第14話 壮行演奏会 真っ赤な戦闘服

運命の地区予選を4日後に控えたこの日、学校内の体育館でコンクール曲のお披露目をすることになった。
吹奏楽部にとっては初めて大勢のお客様を前にしたコンクール曲の演奏だ。
体育館を埋め尽くす全校生徒、大半の教職員、保護者たち。
体育館に冷房は無い。全ての窓を全開にしているけど、風は入ってこない。外の気温は35℃を超えている。まさに灼熱の演奏会。

開始予定時刻の10分前、暑さと緊張でヘロヘロになってい

もっとみる