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移民国家としての日本

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マガジン名称を「海外事業を編集する」から変更。 ヘッダ写真はダナン@ベトナム
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#入管法

ドサクサまぎれに何かやってんな/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.6.2-24.6.8)

明日施行なんですよ、改「正」入管法。ドサクサにまぎれて永住許可取消の権力をフリーハンドで入管に与える、てなプロセスも結論も言語道断の内容の改「正」。

ぐったりweek/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.6.11-23.6.17)

入管法改「正」案の成立というイベント週の翌週ということもあって、全体に『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(2009)ジャケ写のような顔で過ごした1週間でした。 そんななか、個人的に「ああ……」となった記事はこれ。 ■あと目についたのはこれ この件、新聞社や放送局などの旧型メディアが知らないはずないと思っていて、そこをあえて「不法」言い続ける愚を犯すのは自他のゼノフォビアにおもねっている以外の解釈はできず、個人的な感想を表すならひとことで、 ダセぇ。

移民の国に暮らすということ/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.6.4-23.6.10)

2023年1月23日召集、第211回通常国会に提出される見込み。と報道された時から想定されていたことではありますが、当時の自分コメント 約5ヵ月後の今週、最前線で詳報を更新し続けていたウェブサイトの見出しを並べるとこんな感じ。 ■立法根拠が壊滅したにもかかわらず、とにかく成立させるを合言葉に進む国に生きているわれわれ。

淡々と続けることの難しさ/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.4.30-23.5.6)

入管法改正案が衆院法務委を通過した翌週でもあり、案の定そこまで大きなニュースのなかった1週間でした。 むろん言いたいことはヤマほどあるわけですが。 ■続報待ちのニュース2本 ちなみに「ベトナム国籍の技能実習の女(42)」とローカル紙が報道した痕跡がなくなってるのは下記のニュース。

2年前、廃案になったときと何が違ったか/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.4.23-23.4.29)

定点観測の価値はこういうときにこそ発揮されるので、2年前の報道がどんな感じだったか、当欄バックナンバーで振り返ってみましょう。 ちなみに1年前。 ■そこで問う、2年前は廃案になったものがなぜ、今年、衆院法委を通過してしまったのか 問う、と書いた直後に恐縮ですが、一応の解は用意してあります。 ・ウィシュマさんが亡くなった3月に潮目が変わった ・というか2月時点では世間的にはほとんど無風だったので、ひとりの女性が社会に与えたインパクト、大きかったんですね ・COVID-19

独裁国家への道/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.1.15-23.1.21)

民主主義国家とは到底思えないプロセスが毎日のように聞かれ、暗澹とするなか入管法「改正」案がどうなるか、控えめに言って気が気でないんですけれど。 前回廃案になったときも、たしかにずっとアキラメの境地ではあって-どうせ日本国民の関心は低いから数の論理で強行されちゃうんだろ-それが土壇場で押し留まったのは、恥ずかしいことにウィシュマさんという「分かりやすい」アイコンが生まれたからに違いなく、なんですか、今度はどういう犠牲が我々には必要なんですか。 ■ ■

どうしても改正したい/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(23.1.8-23.1.14)

そらまあね、忸怩たるものがあったろうとは察するんですよ、政権与党たるものが一度出した改正案を引っ込めざるをえなかった昨年の顛末。とはいえ、 (1) 与党が改正案を出した (2) 反発した野党が改正案の修正案を出した (3) 修正ポイント10項目中、6項目は合意できそうな雰囲気流れる まで進んだのに、今週出てきたニュースによると(3)ではなく(1)で再チャレンジするそうじゃないですか与党。 ちがう(1)じゃない、(1)'だ。 てなことになってはいるものの、そっちがそう来るな

元東京出入国在留管理局長インタビューほか/週刊「外国人就労関連ニュースまとめ」(22.5.15-22.5.21)

小樽商科大学の季刊誌「商学討究」2022年春号に 「元東京出入国在留管理局長・福山宏氏に聞く -入管行政の現場に関するインタビュー調査」 というテキストがあると知ったので、A4で86ページになるインタビューを読みました。 全編こんな感じ。 信念に沿って定年まで勤め上げた「移民受入には私は反対です」人物の、いかにもそれっぽい言説オンパレードなのですが、それはそれとして面白かった例が、入管収容者によるハンストが自分の勤務先では起きなかった、それは。という文脈での以下発言とか。

入管法改正野党案など/週刊「外国人就労関連ニュースまとめ」(22.5.8-22.5.14)

今秋の成立を目指すとされる入管法の改正について、野党が対案を公開した、というニュースがありました。 この報道だと原案から何をどう変えたのかが分からん。と思ったので当事者たる政党のウェブサイトまで行ったんですが 現行「入管法」に包括されている「難民保護」については別の法律を定め、そっちで対応する。という1点が認められればほかはまあいい、ぐらいの案に読めたんですよ。 もちろん上図・右にある通り、送還停止効についても全件収容主義の撤廃についても言及ありますが、ちょうど1年前廃

牛久の話とか/週刊「外国人就労関連ニュースまとめ」(21.5.23-21.5.29)

今週も入管関連ニュースが多かったですね。飽きた? ねえ、みんなもう飽きてる? ウィシュマさんの日本の生活を辿っていくと、付き合っていた男性からの暴力が浮かび上がっている。彼女はDVの被害者であったという事実をスルーしている記事は多い。少しだけ触れているニュースもあるが、多くが入管内での彼女に対する非情な対応の方にフォーカスが絞られている。亡くなった原因は入管内にあるから当然かもしれないが、どの報道もDV被害者を守るという視点が全く抜け落ちている。 被害者の滞在期間が過ぎてし

群馬のアニキが釈放されていた件ほか/週刊「外国人就労関連ニュースまとめ」(21.5.2-21.5.8)

世の中の「潮目」ってあるじゃないですか。オリンピック開催反対の潮目、とか。技能実習制度には改善すべき点が多数あるが、我が国の労働力不足解決のためには目をつぶるのもやむなし。みたいな報道が主流だったんですが、今週、そっち側の総本山ともいうべき日経新聞が「特定技能のほうがイイじゃん」って言い出した記事を掲載、おお、これで潮目が変わるのかもよ。と思ったんです。 技能実習制度が日本で学んだ技能や技術を母国で生かしてもらう「国際協力の推進」を目的とするのに対し、特定技能制度は人手不足

子供は人類の父である/週刊「外国人就労関連ニュースまとめ」(21.4.18-21.4.24)

入管法改正案が本格審議に入ったので、そういうニュースの多い1週間ではありました。ただ、個人的には「そういうニュースじゃないニュース」、たとえば日本相撲協会が白鵬を嫌いだ。って(知ってた)話を伝えたこれ。 有識者による提言を踏まえた初出時の見出しは 外国出身力士に「入日本化」促す、有識者会議が提言…女性理事登用も 本文を要約すると「外国から日本に来るなら日本流にあわせろ」なのですが、入管エピソード各種と根っこが同じなんですよみなさん! ってnoteを書いたぐらいには、すべてが

悪を! 叩く!/週刊「外国人就労関連ニュースまとめ」(21.3.7-21.3.13)

こりゃア愉快痛快。って体験を久しくしていない気がして、勧善懲悪っていうけどたとえばアベンジャーズですよ。ヴィランのはずの、サノスもヘラもウルトロンも、彼らなりの言い分がある-という描かれ方じゃないですか。だから叩いてスッキリ、とはなかなかならないし、そしてそのモニョモニョした感覚は、世界のいまをそれなりに反映している。 絶対的な悪=問答無用で倒してヨシ。ってクラシカルな物語構成は普遍性を失い、そも絶対的な悪とは何ぞ。という問いが重要に……何の話ですか。 一瞬トボけてみたもの

技能実習、入管、ベトナム以外の何か/週刊「外国人就労関連ニュースまとめ」(21.2.28-21.3.6)

このジャンルで毎週ニュースを集めているとキーワードがそんなに大きく変わらないことにイヤでも気付くのですが、今週は定番以外のニュースから始めます。東京新聞のスクープ 「内閣府の国家戦略特区で家事支援従事者として就労を認められ、来日したフィリピン人女性206人が、雇い止めや自己都合退職により、大手医療介護人材派遣会社『ニチイ学館』(東京都千代田区)から契約更新されず、うち48人の所在が把握できていないことが同社の調査で分かった」。 当該企業のコメントがなかなか示唆的で。 契約