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移民国家としての日本

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マガジン名称を「海外事業を編集する」から変更。 ヘッダ写真はダナン@ベトナム
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#日記

ホームレス差別発言に上書かれてしまった非正規滞在外国人の死

差別発言者が自説を開陳できるのは、同じ思いを抱くひとが少なからず居る、と信じているからですよね。 「ホームレスなんて、あれは結局働きたくない、サボってる連中だろ? 取材して意味あるのか?」 某ライターがよく耳にする発言として今朝、目に入ってきたやつ。 わー、言いそう。誰がとかじゃなくて、そういうこと言いそうなひとが。 その伝でいくと、スリランカからやって来て、正規滞在の枠を超え、日本に居たせいで悲劇的な最期を迎えることになった享年33の女性、彼女の死に向けられる声。

技能実習生送り出し機関訪問レポート

送出機関訪問はベトナムで体験済だったので雰囲気は分かっていたつもりなんですけど、国民性なのか、インドネシアのほうが体育会系ノリましまし。すなわち俺の苦手な世界。 リーダー役の若者が「みなさん! こんにちは!」って大きな声で言いますでしょ。続いて全員が大声で復唱するんですよ。「こんにちは!」 「私たちは誰ですか!」「はい、○○社、ぎーのじっしゅせーです!」 軍隊ですよ軍隊。徴兵制無いインドネシアなのに、なんでこんなことやってんだ、誰だよこのノリを最初に持ち込んだ奴は。 と、ち

アジア各国に訴求する物語フォーマット

photo: Shinya ICHINOHE by courtesy of flickr​ 文庫表4に次のように記されている小説を読みました。 ​故郷に戻り、深夜バスの運転手として働く利一。子供たちも独立し、恋人との将来を考え始めた矢先、バスに乗車してきたのは、16年前に別れた妻だった。会社を辞めた長男、結婚と仕事の間で揺れる長女。人生の岐路で、忘れていた傷と向き合う家族たち。バスの乗客の人間模様を絡めながら、家族の再出発を描いた感動長篇。 作品が直木賞候補になっていた

私はぼったくり被害に遭ったことがない

井上陽水いわく、私は泣いたことがない。「それ主観ですよね」「でも本人がそう言うならそうなんじゃない? 他人がたしかにあのときあなたは泣いていた、って否定しても、泣いたかどうかの決定権を持つのは本人で、つまり泣いたことがないって言うならそうなんでしょう的な」 以上は前フリで、以下本文と関係ありそうでなさそうなやつ。いや、なさそうでありそうなやつ? んーどっちでもいいです。 ホーチミンで連れて行ってもらったベトナム料理店​のクチコミを見ていたら「レシート見たらおしぼり代30円

日本橋の晩飯をホーチミンで回収する

ホーチミンから退職の挨拶メールをくれた青年海外協力隊あがりの若者。帰国したら連絡してね飲みに行こうぜ社交辞令じゃないよー。って返したら嬉しかったらしく、律儀に就職が決まりました別の会社でホーチミンにまた行きます報をくれました。それが2017年初冬。 そして同3月、退社×一時帰国×就職の三重祝をお江戸日本橋で開催し、今度ホーチミンにいらしたときには私に御馳走させてください。おおいいね是非。という約束がほぼ1年半越しでこのたび果たせました。の巻。​ 彼の上司も同席した3人飲みだ

末っ子キャラ、ムスリム君を見ながら

photo: Rifat Attamimi by courtesy of flickr 東京駅を9時過ぎに発つ新幹線でお客様をご案内するミッション。総勢5名とはいえ、うち1名はパートナー会社から派遣されたムスリム君(技能実習を経て正社員採用された20代男子)つまりホストの俺サイド。のはずだったんですけど、東京駅に真っ先に来てしかるべき彼が現れたのは9時まわってから、即ち発車直前。もちろん私を含めた全6人中、最も遅い到着でした。 車で駅に着いたお客様は八重洲口にいるが新幹線改

自学自習という障壁

国内B2B市場でそこそこ実績ある他社のオンライン教材を仕入れて、試しにアジア某国で販売してみたんですけど、これが思った以上に売れない。 まず自宅学習の慣習が無い、というハードルがあって、さらに「自分で計画立ててこつこつ勉強するスタイル」が向く国向かない国というハードルがあるのでは。 そういえば、アジア進出を考える企業向けセミナーなどでよく「人前で従業員を叱ってはいけない」なぜなら日本人が考える以上に彼らはプライドが高いから-って講師が言うんですが、しかもこれ、ベトナムだけでな