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『富士通—ITソリューションで未来を創る総合IT企業』調査ノートIT・通信業界シリーズ⑤全6話
こんにちは!
富士通と言えばパソコンなどのイメージもありますが、SEの方などは一度は関わった事があるのではないでしょうか?
【永久保存回】就活・転職にも役立つ『各業界』研究ノート🗒️👇
マーケティング基礎 SNS拡散編👇
『未来をつなぐテクノロジー—IT・通信業界の進化と展望』
①『IT・通信業界の細分化と代表企業—デジタル時代を支える巨人たち』
②『NTT—通信インフラを支える日本最大級の企業』
③『KDDI—ライフスタイルを変える“au”の挑戦』
④『楽天—ECから通信へ、挑戦するベンチャー魂』
⑤『富士通—ITソリューションで未来を創る総合IT企業』
⑥『IT・通信業界の未来—つながる社会のその先へ』
全6話でお届けします!
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富士通—ITソリューションで未来を創る総合IT企業
私が「IT・通信業界シリーズ」の第5話に取り上げたい企業は、コンピュータ開発の長い歴史を持ち、現在では総合ITソリューション企業として幅広い事業を展開する富士通だ。先日までNTT、KDDI、楽天といった通信キャリアやネット企業を深掘りしてきたが、富士通は「通信」に限らず「IT全般」で社会を支える存在として独自の地位を築いている。行政や金融、医療など、さまざまな業界のシステムを担い、さらにクラウドやAI領域でも活躍する総合IT企業として注目されている。実は私自身も「富士通といえばパソコンやメインフレームのイメージが強かったけれど、今はDX支援など時代に合わせた姿へ進化しているんだなあ」と最近になって改めて気づいたばかりだ。
この最終話の準備をしているとき、いつものように私の部屋に居候している“うさぎ先生”がソファから話しかけてきた。先生は、闇の組織によってウサギの姿に変えられた元大学教授という不思議な経歴を持ち、マーケティングやAI、そしてIT分野に詳しい頼れる存在。私が富士通のパンフレットやネット記事を眺めていると、先生は耳をピョコンと動かしながらこう言うのだ。
「富士通はかつてのハードウェアメーカーという印象が強いかもしれないけど、今や社会全体のITインフラやDXを担う大企業だよ。スーパーコンピュータ『富岳』の開発で世界的に注目を浴びたし、行政や金融、医療、教育などありとあらゆる分野に入り込んでいる。彼らの掲げる『イノベーションによる社会の持続可能性の実現』という理念は、通信やITがどう社会を変えていくかを考えるうえで大事なヒントになるはずさ」
私はその言葉に頷きつつ、「確かに富士通にはパソコンやサーバーのメーカーというイメージがあったんですけど、今はクラウドやAIのサービスを提供する総合ITベンダーという姿勢を強めてますよね。NTTが通信インフラを下支えしているように、富士通はITインフラとソリューションを支えている感じがある。しかもスーパーコンピュータの分野では圧倒的実績まで持っている」と興奮を隠せない。
今回の第5話では、そんな富士通の歴史(コンピュータ開発からクラウドソリューションへの進化)、理念(イノベーションで社会課題を解決する姿勢)、功績(スーパーコンピュータ『富岳』や行政システム・医療分野のデジタル化)、そして展望(AI・IoT技術の推進、DX支援の強化)に焦点を当てながら、IT・通信業界における富士通の役割をたっぷり深堀りしてみたいと思う。
1. 歴史:コンピュータ開発からクラウドソリューションへの進化
1.1 創業からコンピュータ事業の確立
富士通の歴史をたどると、1935年に富士通信機製造としてスタートし、電気通信機器を手がけていたのが原点である。戦後、日本の通信分野が急速に拡大するなかで、電話交換機や通信機器の製造を通じて成長を遂げた。先生によると「富士通は当初、富士電機から分離した形で生まれ、通信関連のハードを担っていた。戦後復興や高度経済成長の流れに乗り、日本の通信インフラを支えた一翼でもあったのさ」と耳をひょこっと動かしながら解説する。
やがて、1960年代に入るとコンピュータ開発に本格的に乗り出し、FACOM(Fujitsu Automatic Computer)シリーズなど国産大型コンピュータを続々と世に出していく。FACOMという名前は私自身も聞いたことがあるが、「日本のコンピュータ史」を語るうえで欠かせない存在らしい。先生は「当時、アメリカのIBMが世界を席巻していたなかで、富士通は日本国内向けに独自のメインフレームを開発し、大企業や官公庁の業務を支えるようになった。これはのちに富士通が“IT大手”として台頭する土台になったんだよ」と言う。
1.2 国産メインフレームの時代
高度経済成長期の日本で、銀行や保険、メーカーの基幹システムが徐々に大型コンピュータを導入していくなか、富士通はIBMや日立、NECなどと競合しながらメインフレーム事業を拡大していった。私が昔いた会社でも“FACOM”の端末を使っていたという先輩がいて、当時はホストコンピュータで一元管理するのが普通だったと聞いたことがある。
先生は「NTTが通信網を整備していたように、富士通は企業や官公庁のITインフラを担っていたわけだね。日本独自のメインフレーム文化が花開き、富士通はそこで大きなシェアを確保した。70年代〜80年代の経済発展を支える重要な役割だったと言える」と解説してくれる。なるほど、その後もUNIXサーバーやPCなどを開発し、1990年代に「FMV」というパソコンブランドで家庭向けに一世を風靡したのも記憶に新しい。
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1.3 グローバル化とITサービスへの転換
2000年代に入ると、世界的にインターネットとPCサーバーの普及が加速し、メインフレーム中心のビジネスモデルが変革を迫られる。富士通は海外ベンダーとの競争や国内需要の変化に対応するため、ソフトウェア・ITサービス部門を強化し、システムインテグレーション(SI)やアウトソーシング、クラウドサービスなどを推進していった。私も大学時代に富士通のSI社員さんと話す機会があったが、「大規模システムの開発を通じて官公庁や大企業の基幹業務を支えている」と聞いていた。
先生は「富士通がソフトウェア部門を強化しつつ、海外企業との提携やM&Aも進めてグローバル展開を図った。ハードウェアからサービスへとビジネスモデルをシフトさせ、今やクラウドやAI、IoTなど新技術領域に積極投資している。日本のITサービス市場ではNTTデータと並んでトップクラスのSI企業だね」と指摘する。確かに、新聞やネット記事を見ても「富士通が官公庁のDXを支援」「クラウドに数千億円規模の投資」という見出しが踊っており、通信インフラとは別の角度で日本のデジタル化をリードしているのがわかる。
2. 理念:『イノベーションによる社会の持続可能性の実現』を掲げ、テクノロジーで社会課題を解決
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