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【5大ジュエラー編|第6話:ブルガリ(Bvlgari)—ローマが宿す大胆な色彩と古代遺産の物語(前編)】

「ローマが宿す大胆な色彩と古代遺産の物語」
ギリシャ出身のソティリオ・ブルガリがローマで創業し、古代ローマのコイン(モネーテ)や蛇モチーフ(セルペンティ)などを大胆に採用して、世界を驚かせたイタリアン・ラグジュアリーの軌跡。ドルチェ・ヴィータ期にエリザベス・テイラーらセレブの寵愛を受けた派手な色石の組み合わせがどう世界へ羽ばたいたのか。読めばローマの歴史が鮮やかに蘇るはず。

●ハイブランド・ジュエリー編
①5大ジュエラー 
前編 / 後編
②ティファニー 
前編 / 後編
③カルティエ
前編 / 後編
④ヴァンクリーフ&アーペル
前編 / 後編
⑤ハリーウィンストン
前編 / 後編
⑥ブルガリ
前編 / 後編
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ローマとかギリシャとかのイメージです

イタリアン・ラグジュアリーが描く独自路線

「ユキくん、いよいよブルガリ(Bvlgari)に突入だよ。これで5大ジュエラーはひととおり網羅することになるね。ティファニーハリー・ウィンストンがアメリカを代表し、カルティエヴァン クリーフ&アーペルがフランスのエスプリを示すなら、ブルガリはイタリア・ローマを背負うメゾンとして有名だ。古代ローマの遺産やカラフルな宝石使いで、またまったく違う世界観を持っているよ」

夜ふかしのリビングで、私は“うさぎ先生”の説明をPCに打ち込みながらまとめている。先生は闇の組織の陰謀でウサギの姿へ変えられてしまった元大学教授で、私(ユキ)の「ビジネスモデル調査ノート」を一緒に作り上げる頼りになる相棒だ。5大ジュエラー編の締めとして、ブルガリを取り上げる今回は第6話。その前編では、創業から歴史的背景、そして代表的モチーフや“ローマ遺産をどう宝飾に落とし込んだか”を中心に深掘りし、後編で現代の戦略やハイジュエリーの展開、ホテル事業などの多角化を見ていく流れだ。

「ブルガリの印象って、私としては“セルペンティ(蛇)”がアイコンだったり、すごくカラフルな宝石を惜しみなく使う感じが強いんですよね。あとイタリアブランドだからか、とにかくゴージャスで派手…」と私が感想を漏らすと、先生はやわらかく微笑む。

「そうさ。古代ローマに根ざした大胆さこそブルガリの真髄だね。カルティエのアールデコやハリー・ウィンストンのダイヤ偏愛とはまた違う派手で色彩豊かな世界が広がってる。前編では、ローマで創業したソティリオ・ブルガリの話や、コインモチーフ、セルペンティの誕生といったエピソードを中心に見ていこうか。あとの後編ではホテル事業や香水、多角化についても触れよう」


カラフルでおしゃれ

【1】ブルガリ創業の物語—ギリシャ出身の男がローマに渡る

1.1 ソティリオ・ブルガリ(Sotirios Boulgaris)の夢

「ブルガリの創業者はギリシャ出身のソティリオ・ブルガリだ。彼は1884年にイタリア・ローマで銀細工とジュエリーの店を開いたんだよ。当時、まだ“ブルガリ”ではなく、ギリシャ姓の“ブルガリス(Boulgaris)”をイタリア語風に表記していた形だね」と先生が説明する。
ソティリオは祖国ギリシャで銀細工の家系に生まれたが、オスマン帝国支配や地域紛争により財政的に苦しくなり、イタリアへ渡ってローマで新たに店を構えた。先生いわく「ローマは古代遺跡が残り、芸術と歴史の融合がある街。そこにギリシャ伝統の銀細工を持ち込んで新しい作品を作ろうというのがソティリオの野望だったと言われている。1884年に『S. Bulgari』の屋号で創業したときはまだ小さな店だったが、やがてヨーロッパ各地の観光客が集まるローマで評判を得て拡大したんだ」とのこと。

私(ユキ)は「なるほど、ギリシャの職人技+ローマ文化が合わさった感じなんですね。最初から金や宝石メインではなく、銀細工が入り口だったというのが興味深いです」と感想を述べる。

1.2 ローマ遺産の活用と店舗の拡大

20世紀初頭、ブルガリはスペイン階段近くのコンドッティ通りに本店を構え、古代ローマの建築やモザイクから着想を得たジュエリーを作り始めた。当時、パリのアールデコが欧州で流行するなか、ブルガリはあえて「古代ローマに回帰する」という発想で、コインをあしらったペンダントや、大胆な金の使い方を特徴としていた。先生いわく「これが“フランスやアメリカとは全然違うイタリアンスタイル”として徐々に認知され、1920~30年代に裕福なイタリア貴族や欧州観光客がこぞってブルガリを訪れたんだ」とのこと。

第二次世界大戦後、ローマが映画の都として栄え(“ドルチェ・ヴィータ”時代)、ハリウッドスターが撮影のためローマに滞在する機会も増加。そこにブルガリが店舗を構えていたため、セレブが多く買いに来るようになった。私が「なるほど、イタリア映画やハリウッドスターとの繋がりができたんですね。それがブルガリの国際化を早めたのか…」と理解する。


コインをモチーフにってオシャレですよね

【2】古代ローマのエッセンス——コインモチーフや“BVLGARI”の表記

2.1 モネーテ(Monete)コレクション:コインを宝飾に

「ブルガリが古代コインをネックレスやブレスレットに埋め込むスタイルを確立したのが画期的だったよね。モネーテ(Monete)コレクションと呼ばれ、古代ローマ帝国時代のコインをクリーニングしつつ、そのまま宝石や金にセットして新しいジュエリーに仕立てる手法だ」と先生。普通はコインを宝飾品に使うのは収集家的要素が強く、一般受けしづらいと思われていたが、ブルガリは“ローマの歴史”を自社のヘリテージに取り込み、“ヘリテージ×モダン”を大胆に融合して成功した。
私(ユキ)は「そもそもコインに帝王の顔とか彫られてますもんね。そこを宝石と組み合わせたらなかなか斬新だろうな…。でもイタリアならではの発想かもしれないですね」と感心する。先生は「そうさ。コインをそのまま飾ることでアンティーク感を出しながら、枠やチェーン部分は最新技術の金細工で仕上げる。この対比がブルガリらしい“大胆かつレトロ”な美を生み出すわけだね」とうなずく。

2.2 “BVLGARI”表記と古代文字への回帰

ブルガリと書いて“BVLGARI”と表記するのも、古代ローマ文字のUをVと表記したことに由来する。先生いわく「これがブランドロゴとしても独特の印象を与え、“古代ローマ”を想起させる大きな要因になっているね。1910年代~30年代頃、ヨーロッパ全体でアールデコが流行っていたけど、ブルガリはローマ的クラシシズムを押し出し、それがロゴ表記にも反映している」とのこと。
この“BVLGARI BVLGARI”ロゴをぐるりと刻んだリングやウォッチは、1970年代以降の代表作の一つになり、シンプルに“BVLGARI”を繰り返すデザインがかえって斬新に映った。私が「確かに丸いフォルムに“大文字のBVLGARI”が刻印されてるやつ、見たことあります。あれがローマの古い碑文イメージなのか…」と納得すると、先生は「そうさ。フランスやアメリカのジュエラーがアルファベットを使ってもここまで古代風にしないから、ブルガリのロゴは一目でわかるし『古代ローマ遺産』の印象を強めている」と語る。


ローマの雰囲気ありますよね

【3】セルペンティ(Serpenti)——蛇モチーフが世界を驚かせる

3.1 “蛇”はイタリアで再生や永遠を象徴

ブルガリを語る上で絶対に外せないのが“セルペンティ(Serpenti)”コレクションだ。先生は「セルペンティはイタリア語で“蛇”を意味し、古代ローマで再生や永遠のシンボルとして崇められていた。ブルガリは1940年代末からこの蛇モチーフの腕時計やブレスレットを作り始め、1960年代にはエリザベス・テイラーが映画『クレオパトラ』の撮影で身につけて一気に有名になったんだ」と解説。

クレオパトラも蛇にまつわる逸話を持つ歴史上の女王であり、そこにブルガリの蛇モチーフが重なるというドラマチックな状況が世界中のメディアを沸かせたというわけだ。私(ユキ)は「なるほど、映画スタジオがローマのチネチッタで撮影してた時代のドルチェ・ヴィータとリンクして、ブルガリが派手に世界進出した感じなんですね…」と感心する。

3.2 巻き付く腕時計と宝石の使い方

セルペンティのウォッチやブレスは、金やステンレスのチューブをバネ構造にして腕に巻き付ける形状が特徴的で、ヘッド部分に時計の文字盤を仕込む。先生は「最初に巻き付く腕時計なんて大胆だよね。しかもヘビの頭にはダイヤやエメラルドを埋め込んだモデルもあったりして、見るからに挑発的でセクシー。イタリア的な派手さの極みとも言える」と耳をピョン。

メッシュ仕立てでスネークスキンのような質感を再現するタイプもあり、最近のモデルでは色石をあしらったものやマルチカラーのエナメルを使ったものもラインナップされている。「この大胆な巻き付くフォルムはインパクトが強く、女優がレッドカーペットで着けると非常に目立つ。まさにセルペンティ=ブルガリを象徴するアイコンなんだよ」と先生。

3.3 セクシーかつ神秘的なイメージ

蛇モチーフは一般的に恐れや嫌悪を持つ人もいるが、イタリアでは再生や守護のシンボルとして古来から伝承されている。また、女性が蛇を身につけることでミステリアスな色気が演出できるとされ、多くのセレブリティがセルペンティコレクションに惹かれる。先生は「フランスのカルティエのパンテールと並ぶ、動物モチーフの大成功例だ。どちらも強い女性像を感じさせるが、セルペンティのほうがやや派手でセクシーに振り切っている印象だね」と分析する。

私が「たしかに豹と蛇で対照的だけど、どちらも女性の力強さを象徴してますね…。ブルガリのほうがカラフルでイタリアンテイストが強いのかな」と言うと、先生は「そうさ。色彩と金属のボリューム感を活かしたイタリア流のゴージャスがセルペンティの真骨頂だね」とうなずく。


イメージを今に落とし込んだブルガリ

【4】カラーストーンと大胆な色彩――“イタリア流の豪華さ”

4.1 ルビー、サファイア、エメラルドを惜しげもなく配置

「ブルガリはカルティエやヴァンクリ以上に、大粒カラーストーンを惜しみなく使うイメージが強いよ。しかも単色ではなく、赤・青・緑など複数の色石を並べてゴージャスに仕上げる」と先生は耳をピョン。パライバトルマリンやタンザナイトなど希少石も積極的に採用し、いわゆる“カラフルな石が集合したレインボーモチーフ”の大ぶりネックレスを作るのが得意だ。
このやり方はヨーロッパの繊細さとは異なり、古代ローマのモザイクや建築装飾を想起させる“大胆で明るい雰囲気”を醸し出す。先生は「カルティエならパンテールにモノクロのダイヤ&オニキスとか、アールデコなら幾何学的デザインにルビーをポイント使いするが、ブルガリはそれらをぶち破って“色石を大量投入”し、金属も厚みがあるから迫力がすごい。見ていて圧巻だよ」と強調する。

4.2 1970年代“BVLGARIカラー”の確立

特に1970年代、ブルガリは“BVLGARIカラー”と呼ばれる原色の宝石を組み合わせたリングやブレスレットを次々と発表し、セレブや富裕層に受けた。例えば、カボションカット(丸いフォルム)のエメラルド、サファイア、ルビーをゴールドの台座に並べ、そこにダイヤモンドを加えて一層豪華に仕上げるスタイルなど。
先生は「このような‘カボション×原色の宝石’のデザインは、当時のモダンファッションと合わさって、世界中のセレブが派手に身につけるようになった。映画スターが多いローマの撮影現場でも、ブルガリを纏う女優が目立ち、『ブルガリこそイタリアンラグジュアリーの象徴』という評価が定着したんだよ」と解説する。


イタリアの感じはしてますか?

【5】映画とセレブリティ――“ドルチェ・ヴィータ”時代とレッドカーペット

5.1 ローマ映画黄金期の女優たち

「1950~60年代、ローマは‘ドルチェ・ヴィータ’と呼ばれる映画黄金期を迎え、ハリウッドがこぞって撮影に来た。そこでエリザベス・テイラージーナ・ロロブリジーダなどスターがブルガリを身につけ、盛んにメディアに取り上げられた。それがブランド国際化の大きなきっかけさ」と先生。特にエリザベス・テイラーはセルペンティウォッチを愛用し、カラフルな宝石セットをコレクションしていたと言われる。
私(ユキ)は「カルティエが王室と結びついたのに対し、ブルガリは映画の都ローマとスターが結びついたんですね。映画女優が度々着けてると、世界的な宣伝になりますもんね」と納得。先生は「そう。さらにハリウッドのレッドカーペットでも、欧州のセレブと絡む形でブルガリのカラフルジュエリーが注目され、一気に知名度を高めたわけだ」と耳をピョコン。

5.2 現代のレッドカーペットとSNS拡散

ドルチェ・ヴィータ期が終わっても、ブルガリは積極的にレッドカーペットへジュエリーを貸し出し、若手スターや国際映画祭で華やかな色石とゴールドの大ぶりネックレスを披露させる戦略を続けている。先生は「カルティエやハリー・ウィンストンも貸し出しをしているけど、ブルガリは“イタリア映画文化の流れ”と繋がっているため、ヴィジュアル的に‘華やかでイタリアン’な印象を一瞬で植え付けやすい。SNS時代にもこのカラフルさが映えて拡散されがちだ」とのこと。

私が「なるほど、映像や写真で見たときにパッと目を引きやすいのがブルガリの強みかもしれませんね。蛇モチーフやカラーストーンは、そりゃあ目立ちます…」と再確認する。先生は「そうなんだ。“見た瞬間にブルガリだとわかる”派手さがセレブや若年層のSNS拡散にも向いているのが強みだよ」とまとめる。


確かに香水は人気ですね!

【6】ブルガリの多角化――香水からホテルまで

6.1 香水(フレグランス)事業の成功

「ブルガリは1980~90年代から香水(フレグランス)事業を本格展開し、大成功を収めたことで知られるよね。“ブルガリ プールオム”や‘ブルガリ オムニア’シリーズなど、一時期日本でも大人気だった」と先生が説明する。ハイジュエラーが香水を出すこと自体珍しくはないが、ブルガリはこれを大々的に拡販し、比較的手頃な価格帯で若年層も取り込んだ。

これは“ジュエリーは高くて買えなくても、香水なら買える”という心理をうまく突き、ブランドロゴ“BVLGARI”をバスルームや化粧品棚に浸透させる効果がある。先生は「カルティエやティファニーも香水を作っているが、ブルガリのほうが早期からラインナップを拡充し、世界的にヒット商品を連発した。イタリアの香りというイメージもうまく打ち出したんだよ」と評する。

6.2 ホテル事業:ブルガリホテルの高級コンセプト

さらにブルガリは、ホテル事業にも進出して世界中に“ブルガリホテル”を展開している。先生いわく「最初は2004年にブルガリホテル ミラノがオープンして、イタリアのラグジュアリーと洗練を宿すコンセプトで話題になった。その後、バリやロンドン、ドバイなどにも続々と開業し、最近は北京や上海などアジアにも進出。ラグジュアリーホテルとして高い評価を得ている」という。

私が「へえ、ホテルまで! しかも高級都市に連鎖出店している感じですね。ジュエリーとは全然違う領域ですが、ブランドが同じなら世界観を味わえるんでしょうか…」と興味を示すと、先生は「そうさ。ホテルのインテリアやサービスにも“ローマの遺産やイタリアの洗練”が盛り込まれていて、“ブルガリスタイル”が体験できる。滞在するだけで古代ローマの歴史とモダンラグジュアリーを感じるんだよ。さらにホテル内に宝飾サロンを併設しているところもあるから、旅行者が実際にジュエリーを見たり買ったりできるわけだ」と笑う。


【7】サステナビリティとデジタルの融合――イタリア的ゴージャスの新地平

7.1 責任ある宝石調達と社会貢献

ブルガリも世界的ラグジュアリーブランドとして責任ある宝石調達(RJCなど)に加盟し、紛争ダイヤモンドや環境破壊を伴う採掘を排除する方策を進めている。先生は「ブルガリはメゾン独自のサステナビリティレポートを公開し、金属や宝石の調達状況、労働環境保護の取り組みなどを定期的に報告している。カラーストーンを多用するからこそ、産地リスクも高いが、そこをしっかり管理しようとしているわけさ」と補足する。
また、イタリア国内では文化財保護ローマ遺跡の修復を支援する活動を積極的に行い、自社のルーツである“古代ローマ遺産”を社会的に守る姿勢を示している。私(ユキ)は「コインモチーフやローマ彫刻にインスパイアされてますもんね。都市や遺跡への支援はブランドイメージにも直結しそうです」と納得。

7.2 オンライン展開とVR、SNSキャンペーン

近年、ブルガリはオンラインブティックを拡充し、バッグや香水、アクセサリーの一部商品はEC購入が可能。高額なジュエリーや時計はカタログ閲覧と店舗予約が主だが、SNSでのキャンペーンやバーチャルツアーによって潜在顧客を獲得している。先生いわく「ブルガリはもともとバッグや香水などのマルチ事業があり、デジタル販売と相性が良い。SNSでは派手な写真映えを狙い、若者の認知を高めている形だね」とのこと。
また、VR(仮想空間)を使った店舗内覧や宝石の3Dビジュアルを公開する試みも進行中で、遠方客がオンラインで色石の組み合わせをシミュレーションできるなども計画されているらしい。私が「イタリアブランドなのに最先端技術も取り入れてるんですね。ローマの歴史×VRって意外な組み合わせです」と面白がると、先生は「古代遺産を背負いながらも先端を目指すのがブルガリ流さ。伝統とハイテクを派手に融合するのはイタリアならではじゃないかな」と耳をぴょん。


イタリアのスタイルによく合います

古代ローマの遺産を未来へ繋ぐメゾン

「ブルガリは創業こそギリシャ移民ソティリオ・ブルガリの小さな銀細工店だったけど、イタリアの歴史や映画文化に乗って大きく花開いたわけだね。セルペンティコインモチーフ、そして色石をふんだんに使う大胆さが世界中を魅了して、ティファニーやカルティエとは全く違う“イタリアンラグジュアリー”を確立している」と先生はまとめる。
今回の前編では、1884年の創業~ドルチェ・ヴィータ時代を中心に、ブルガリの代表的アイコンであるセルペンティやBVLGARIロゴ、カラーストーンを用いた大胆デザインなどを概観した。後編では、ホテル事業香水などの多角化、ハイジュエリーの最新ラインアップ、さらに具体的なサステナブル調達の事例やデジタル戦略を掘り下げ、“イタリアンゴージャス”が21世紀にどう展開しているかを詳しく見ていきたい。

私(ユキ)も「はい、ブルガリって香水やバッグもすでに有名ですが、その裏に古代ローマ的テーマがあるなんて改めて面白いです。セルペンティの蛇モチーフの腕時計もいつか直接見てみたい…!」と目を輝かせる。先生は「ぜひブティックを訪れて巻き付く感覚を体験してみるといいさ。ブルガリならではのローマのエネルギーを感じられるだろう。じゃあ後編では多角化と現代の事業をさらに深めよう」とにこやかにうなずく。


ブルガリの事は掴めてきましたか?

専門用語の解説

  1. セルペンティ(Serpenti)
    ブルガリを象徴する“蛇”モチーフのシリーズ。腕時計やブレスレットが代表的で、腕に巻き付くデザインと鮮やかな色石の使い方が特徴。古代ローマで蛇は再生や永遠を意味する。

  2. モネーテ(Monete)コレクション
    古代ローマのコインを宝飾品に取り入れたブルガリの代表的ライン。コインのアンティーク感とモダンなゴールド枠を組み合わせる独自のデザインが人気。

  3. BVLGARIロゴ
    古代ローマ文字でUをVと表記することに由来した“BVLGARI”のスペル。ブランドロゴとしてリングやウォッチに刻まれ、“古代の要素”を強調する。

  4. ドルチェ・ヴィータ(Dolce Vita)
    1950~60年代のローマを中心とした映画黄金期の呼称。ハリウッドがローマで撮影を行うなど賑わい、エリザベス・テイラーなど多くのスターがブルガリを購入した。

  5. BVLGARIカラー
    1970年代に確立したブルガリ特有のカラーストーンを組み合わせた派手な色使い。カボションカットのルビー、サファイア、エメラルドなどを惜しみなく配置するデザインが特徴。

  6. ラボグロウンダイヤモンド
    人工培養(CVDやHPHT技術)で生成されたダイヤモンド。コストと環境負荷が低いが、ブルガリなど多くの高級ジュエラーは当面、天然ダイヤへのこだわりを貫いている。

  7. ブルガリホテル
    2004年にミラノで第一号がオープンしたブルガリブランドのラグジュアリーホテル。世界各地に展開し、イタリアンデザインとホスピタリティを融合した高級コンセプトが評判。


次回予告

ブルガリ編(前編)では、創業者ソティリオ・ブルガリがギリシャからローマへ渡ったところから、ローマ遺産を宝飾デザインに取り込む姿勢、コイン(モネーテ)やセルペンティ(蛇)モチーフ、イタリア映画黄金期とセレブリティとの関わりなどを中心にまとめました。古代ローマのパワーを現代に伝えるイタリアンラグジュアリーとして、ティファニー、カルティエ、ヴァンクリ、ハリー・ウィンストンとはまた異なる個性を放っている点がわかりますね。

後編では、ホテル事業や香水などの多角化戦略、ハイジュエリーの最新動向とレッドカーペット展開、そしてサステナビリティやデジタルマーケティングを詳しく掘り下げ、“イタリアンゴージャス”をどう21世紀に適合させているかを探ります。
夜ふかしのリビングで“うさぎ先生”は耳をぴょんと動かしながら言う。「ユキくん、ブルガリはセルペンティBVLGARI BVLGARIだけじゃなく、ホテルや香水で世界のライフスタイルを巻き込んでるよ。‘古代ローマ×イタリアの派手さ’を使って未来をどう描いているか、後編でじっくり見ていこうか」

私(ユキ)も「はい、ホテル事業にまで広げてるんですもんね。ローマの遺産だけに留まらず世界へ展開するブルガリ、興味津々です!」と胸を高鳴らせる。こうして“5大ジュエラー編”の最後を飾るブルガリの物語は、まだ続く。次回の後編をお楽しみに。

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