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「なぜあのマーケティングは失敗したのか?」マーケティング深掘り・メタ認知編①後編

「前編で炙り出された“失敗マーケティング”の根本原因を、後編ではさらに深く掘り下げます。企業視点の思い込みと、顧客・社会視点のズレが生む悲劇——その典型パターンを鮮明に分析。『どうしてこんなに頑張ったのに…?』と嘆く前に、一歩引いてメタ認知的に対策を見つけましょう。失敗事例が“次への成功”の土台になる一話です!」

前編はこちらから👇


●マーケティング深掘り・メタ認知編

「なぜあのマーケティングは失敗したのか?」
「市場のトレンドを見抜く分析力」
「マーケティングの誤算!ターゲット分析の落とし穴」
「成功するブランドの共通点を探る」
「ブランドの“らしさ”とは何か?」
「社会と共に進化するマーケティング」
総仕上げ:「メタ認知的マーケティングの全貌——学んだすべてを繋ぎ、未来を拓く最終レッスン」

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顧客目線で考えてみよう!

知られざる視点、離れていく顧客たち

 朝のオフィスビル。エントランスをくぐる人々の中に、社会人2年目のユキがいる。彼女は先日、会社から「失敗マーケティング事例を調べろ」と指示され、ペプシチャレンジやP&Gダウニーの日本撤退、ナイキのコリン・キャパニック広告炎上などの事例を企業視点から分析し、それぞれ“企業の誤算”を見いだしてきた。だが、上司にそのレポートを提出した後、追加の課題が与えられる。

 昼休み、社内のカフェスペースで上司がこう言うのだ。「ユキ、この前のレポートは面白かったよ。企業が何を見落として失敗したのかはよく分かった。だが実際に消費者はどう思い、なぜ離れたのか、その顧客や社会の視点も知りたいんだよね。企業側の意図とユーザーの受け止め方って、結構違うから」

 ユキは思わず頷き、「確かに……私もペプシやダウニーの話を“企業がこう考えて失敗した”としか見てなくて、消費者が何を嫌がったのか具体的には深く掘り下げてませんでした」と反省する。上司は「じゃあ、顧客視点で‘なぜ離れたのか?’をもう少し調べてくれ。企業の理屈だけじゃ見えない部分があるはずだから」と声をかけ、ユキは「あ、はい、分かりました」と二つ返事をするものの、内心、「また難しい課題が増えちゃった……」と心細くなる。

 夕方、定時後に会社を上がったユキはアパートに戻り、ドアを開けるとリビングのソファには羊羹をかじるうさぎ先生の姿が見える。ユキは靴を脱ぎながら「先生、ただいま。実はまた“失敗マーケティング事例”を掘り下げるよう言われちゃったんです。今度は顧客・社会視点で‘なぜユーザーが離れたか’を調べろって……」と弱り顔で相談する。

 先生はテレビを消し、「おかえり、ユキくん。まさにメタ認知をさらに深めるチャンスだね。企業視点だけじゃなく、顧客や社会がどう受け止めたかを見れば、また別の事情が浮かぶだろう」と穏やかに笑う。

 ユキはソファの隣に座り、「前回みたいにペプシチャレンジ、ダウニー、ナイキの事例を再度見るとして……今度は消費者が何を理由に離れたのか、あるいは騒動に発展したのかを調べたいんです。論理的に“こうだから売れなかった”じゃなくて、もっと感情的要素や社会的影響があったかもしれませんよね?」と話す。

 先生は「そうさ。企業は‘いいアイデアだ’と思って打つ施策でも、ユーザーの価値観や感情、世の中の動きを読み間違えると痛いしっぺ返しを食らう。そこに“離れる消費者の心理”があるはずだよ」と耳をぴんと立てた。


いつのまにかユーザーとすれ違っていたり……

ユーザーはなぜ背を向けた?――顧客・社会の真実

 夜のアパート、リビングは明かりを落とし、ユキは床に座ってパソコンを開き、先生はソファで耳を動かしながら話を始める。企業視点では「ブランド価値の軽視」「ローカル文化の無視」「社会的メッセージのリスク」などが見えてきたが、顧客や社会視点で見るとまた違う原因が浮かぶというのだ。ユキは「教えてください、先生!」とノートを構える。

● ペプシチャレンジ:消費者の“ブランド習慣”と心理

 まず先生は「ペプシチャレンジを、ユーザー側から見てみよう」と切り出す。「企業視点では‘味で勝ったのに売れなかった’とまとめられがちだけど、実際の消費者はどう思ったか? たとえばコカ・コーラを愛飲してる人は、味以上の文化・習慣・思い出が染みついている。いくらブラインドテストでペプシが美味しいと分かっても、日常からコカ・コーラを飲んできた人の選択はそう簡単に変わらなかったんだ」。

 ユキはなるほどと頷く。「分かります。私も普段買うポテトチップスのブランドがあって、試食で別のが美味しくても、なんだかんだいつものを買っちゃいますもん。慣れとか愛着って強いですよね」。「まさにそうだね」と先生は続ける。

「消費者にとっては味の比較だけが購買動機じゃない。ロゴや色、コーラを飲むシーンの思い出、仲間との共有感……そういう要素も含めて‘コカ・コーラを飲む’行為が出来上がっていた。そこにペプシが‘味が勝ってる’と主張しても“だから?”と感じる人が多かった可能性があるのさ」。ユキは「ああ……確かに。企業としてはデータを見せたつもりでも、ユーザーがそれを‘自分事’と思えるかは別ですね」とメモする。

 さらに先生は「離れた消費者もいたかもしれない。逆に“コカ・コーラ派”が‘何このペプシの挑発? コーラを侮辱してるの?’と反発心を抱いてますますペプシを避けた可能性もある。味の比較を前面に打ち出す攻撃的キャンペーンは、一部ユーザーの感情を逆撫でしたんだろうね」と指摘する。ユキは「それはありそう……ブランドの忠誠心って論理だけじゃ揺るがないんだな」と苦笑する。


● P&Gダウニー撤退:消費者は“強い香り”を求めなかった

 次に先生は「ダウニー撤退の話を、ユーザーがどんな不満を抱いたか見てみよう」と続ける。ユキは「ネットで少し見たんですけど、『香りが強すぎて頭が痛くなる』『部屋干しではキツい』みたいな声が多かったとか……。あと、日本人は‘香りがほのかに残るくらいがいい’という文化があるから、ダウニーの濃い匂いは敬遠されたと聞きました」と読み上げる。

 先生は耳を動かし、「まさにそこだね。消費者からすれば、『洋服が自分の匂いを消してくれたり気分が上がる程度がいい』と感じるのに、ダウニーの香りは強烈で、周囲にも迷惑になる恐れがある。日本独特の公共空間や‘香害’への敏感さもあり、“これは私が求める柔軟剤じゃない”と敬遠されたのさ」と説明する。ユキは「ああ、確かに公共交通機関とかでは強い香水が嫌われたりしますもんね。消費者視点ではそれが大きなハードルだったんですね」と納得する。

 先生は「企業は‘強い香り=人気’という海外成功モデルに囚われていたけど、ユーザーは実際に使ってみて‘嫌だ’と感じて離れた。それどころか、 ‘周囲に悪臭と思われるかも’という不安が生まれ、SNS上でも‘迷惑柔軟剤’なんて言葉が出始めたんだ。

 この時点でブランドイメージが崩れ、わざわざ買う理由がなくなったわけだね」と耳を揺らす。ユキは「なるほど……消費者が離れたのは‘強烈な香り’を誇る売り文句がむしろ逆効果だったんですね」とメモを取る。


● ナイキ・コリン・キャパニック広告炎上:消費者の政治感情

 続いて先生は「ナイキ広告」を取り上げる。「前回(企業視点)では、ナイキが政治的メッセージを扱うリスクが高いと話したけど、ユーザー視点ではどうだったのか?」

 ユキは資料を見ながら「当時、アメリカの一部保守層が激怒して、SNSで『#BurnNike(ナイキを焼こう)』ってタグまで出て、ナイキ製品を燃やしてSNSに投稿する人がいたそうです。一方で、人種差別に抗議する立場からは『ナイキを支持する!』って熱狂的な声もあったとか……ユーザーが真っ二つに割れた感じですよね」と言う。

 先生は頷き、「そう、ナイキが発したメッセージが消費者の感情を直接揺さぶった結果、強い賛否が起きた。短期的には売上が落ちるリスクもあったけど、結果的に若年層やリベラル層からは強い支持を得て、長期的には売上アップにつながった。

 つまり‘離れた’消費者(保守層)がいる一方、逆に‘強く惹きつけられた’消費者もいたわけだ。社会的イシューを扱うと、ブランドへの愛着がさらに強まるか、反発が増すか、とても両極端になりやすいんだよ」と解説する。

 ユキは「そうか……一部のユーザーが離れたのは、ナイキのメッセージが自分たちの政治・文化的立場と相反すると思ったからなんですね。企業視点では‘炎上覚悟でも信念を貫く’という狙いがあったかもだけど、ユーザーは感情的に反発して‘もう買わない’となるケースがある」とメモを取り、先生は「ええ。ここで大事なのは“消費者の感情”がどう動くか。特にSNS時代は政治的・社会的テーマが絡むと爆発力が大きい。企業の意図よりもユーザーの解釈が先行し、賛否両論を巻き起こす。ナイキは最終的に成功したけど、大量にユーザーを失う可能性もあったわけだね」と耳をぴんと立てたまま語った。


ユーザーがついて来れなくなっていたり

● 消費者視点が見せる“失敗”の真実

 ユキはこうして、「ペプシチャレンジ」「P&Gダウニー」「ナイキ広告」という3つの事例を顧客・社会視点で振り返り、以下のポイントをまとめる。

  1. 慣れと愛着(ペプシチャレンジ)

    • コカ・コーラ派が味以上にブランド文化や慣習を大切にしていた。

    • 攻撃的なキャンペーンが逆にファンの反発を呼び、離脱を促してしまう面も。

  2. 香り・文化の不一致(ダウニー)

    • 日本市場は控えめな香りを好む文化が強い。

    • “強い香り=良い”という前提が合わず、ユーザーが拒否感を覚えて離れた。

  3. 政治・社会的立場の衝突(ナイキ広告)

    • 一部の顧客が企業メッセージを自分の政治観・価値観への挑戦と捉え、離脱。

    • 同時に支持する層も出て二極化したが、短期的には確実に離れた層が存在した。

 ユキは紙に書き出し、「なるほど、企業が‘良かれ’と思って施策を打っても、ユーザーは自分の視点で判断して、そこに共感できなければ離れていくし、逆に反発することもあるんですね……。SNSの時代は特に感情的な共有が早いし」と唸る。先生は「まさにメタ認知が必要な部分だ。企業内部での意図やデータだけじゃなく、外部の受け止め方を客観的に想像しないと誤算が生まれる。彼らが何を大事にしているか、何に不快を感じるか、どんな背景を持つか……そういうものを俯瞰して見る目が欠けると大失敗するんだ」と話した。


● 使い道は? 実務に落とし込むより考察し、活用イメージを持つ

 ユキはふと疑問を口にする。「先生、こういう消費者視点の失敗分析は、どうやって実務に活かせばいいんでしょう? たとえば私たちがSNSキャンペーンをまた打つとき、この事例を直接真似して‘炎上しないようにしよう’とかですかね?」と首を傾げる。

 先生は笑い、「直接的に‘あの企業がこうしたからこうしよう’という話より、失敗事例の構造を学ぶのが大切さ。ペプシの場合はブランド文化に対する理解不足、ダウニーはローカル文化とのミスマッチ、ナイキは政治的メッセージが引き起こす賛否両論――こういう顧客や社会の視点から見れば何が地雷になるか、それを掴めば自社施策を打つ時の注意点が明確になるんだ。意図的に政治的テーマを扱うならリスクを十分把握するとか、海外商品を持ち込むならローカル好みを徹底調査するとかね」と耳を動かす。

 ユキは大きく頷く。「なるほど、今すぐ実務に落とし込むというより、こういう失敗の分析を頭の中に蓄えておいて、次の企画段階で‘これ、ペプシみたいにブランド文化を軽視してない?’とか‘ダウニーみたいにローカル好みを無視してない?’とか、チェックする感じなんですね!」と笑顔になる。先生は「その通り。まさにメタ認知的な活用だね。失敗ケースを知り、そこから得た考察を自社の状況に照らし合わせるだけでも、リスク回避や成功率アップに繋がる」と微笑む。


消費者はその施策をどう見ているだろうか?

● あなたの施策はどう見える?

 ここで少し読者にも問いかけたい。もしあなたがSNSキャンペーンや新商品を企画するとき、その企画は“顧客や社会からどう見えるだろうか?”と一歩引いて考えているだろうか。

  • 消費者の好みや文化的背景を無視していないか?

  • ブランドイメージや既存の習慣を壊す意図なら、それなりの根拠や狙いがあるか?

  • 社会的・政治的テーマを扱うとき、どんな層が反発し、どんな層が熱烈に支持するかを事前にイメージしているか?

 こうした俯瞰的な問いこそがメタ認知であり、失敗事例から学んだ「顧客はこう感じて離れた」「社会はこう反応して炎上した」という軌跡を活かすことで、似た道を通らないよう回避できる。そして時に、敢えて炎上覚悟でチャレンジするという選択肢もあり得るが、それには周到な準備とリスク管理が必要となる。いずれにせよ、ユーザーがなぜ離れたかを学ぶことが、成功への近道なのだ。


 ユキはそうした考えを頭に描き、「会社でもサークルでも、失敗事例の顧客視点分析を共有してみよう。みんなが施策を立てるとき、‘これ、ユーザー的にはどう感じる? ダウニーみたいに嫌がられてない?’みたいなセルフチェックができたら、きっと成功率が上がるかも」と意気込む。


失敗に学ぶには状況の分析も必要

● 小さな日常応用:サークルの失敗ワークショップ

 ある週末、ユキは趣味の写真サークル仲間と集まった際、「ちょっと面白いことやろう」と提案する。「これまでのサークルイベントで失敗した企画をリストアップして、みんなで‘参加者や社会はどう感じて離れたか’を想像してみない?」仲間は「失敗の振り返りって大事だよね」と賛同し、以前の“会場が不便で誰も来なかった”企画や、“撮影テーマが地味で盛り上がらなかった”会などを振り返る。

 すると、「主催側は‘静かな森のロケーションが素敵’と思ったのに、参加者はアクセスが面倒で諦めた」とか、「テーマが抽象的すぎて写真が撮りにくかった」とか、顧客(参加者)視点の不満がぼろぼろ出てくる。ユキは「なるほど……企業と同じで、こちらの意図だけじゃなく、ユーザー(参加者)の都合や感情がすごく大事なんだ」と思い知らされる。サークルの仲間も「ちょっとのズレで人は離れちゃうんだな」と頷き、次回のイベント計画が具体的かつ配慮深いものになりそうだ。


● 社内報告:顧客・社会視点を踏まえて施策改善へ

 会社では、ユキが「顧客・社会視点で見る失敗事例」の追加報告をまとめて提出する。そこには、企業の意図ユーザーの感情や文化のズレがどういう形で消費者離れや炎上を招くかを詳しく書き込んだ。

「ペプシチャレンジはブランド習慣を無視して味のみ訴求」「ダウニーはローカル嗜好を無視した香り推し」「ナイキ広告は政治的立場に踏み込み、一部ユーザーを遠ざけた(が他層を引き寄せた)」などを列記し、うちのSNSキャンペーンの場合も“ユーザーがこう感じてないか”をチェックする項目を設置した。

 上司は興味深げに読み込み、「なるほど……うちの広告も‘たかが性能比較で勝負すれば売れる’と思ってたら、意外とユーザーは‘うちに合うかどうか’とか‘信頼できるか’を重視してるかもしれないな。アンケート結果を見ると“性能はいいけどイメージが伝わらない”みたいな声もあったし」と唸る。ユキは「そうなんですよ。結局、顧客は自分の感覚や習慣を重視するから、ただの数値訴求じゃ心を動かせない。“企業視点”と“ユーザー視点”を両面で見直す必要がありますね」と微笑む。

 チームメンバーは「これは実務でどう使う? 直ちに何をすればいい?」と質問してくるが、ユキは「今回の分析はどちらかというと‘考察ツール’なんですよね。失敗を他山の石にして、今後キャンペーンを作るとき‘ユーザーはどう感じる? 文化的・感情的に合ってる?’と見直すフレームワークにするイメージです」と言う。上司は「確かに、何かチェックリストにしておけば、‘ペプシチャレンジ型の落とし穴ないか?’とか事前に点検できそうだな」と頷き、部下たちも「それならやりやすいかも!」と乗り気になる。


重なる点が見つからないと叫びます

● メタ認知と3つの考え方

 夜、ユキはアパートに帰り、「失敗事例を企業視点・顧客視点の両面から学ぶと、本当に得るものが多いですね」と先生に報告する。先生は「そうだね。メタ認知という俯瞰の力があれば、‘企業がこう思ってたがユーザーは違う風に捉えた’というズレを客観的に見極められる。ここで価値観のアップデート感情の創造の要素も絡めば、‘どうすればユーザーが嫌がらないか、むしろワクワクするか’がさらに見えてくるんだけどね」と微笑む。

 ユキは「メタ認知が基本にあって、価値観アップデートや感情の創造が応用編なんですね。そうやって失敗から学ぶの、仕事以外でも役立ちそう。私、写真サークルでもイベント告知の失敗をみんなで振り返ったんですけど……意外と好評でした!」と笑顔になる。先生は耳を揺らし、「失敗をネガティブに捉えるだけじゃなく、そこから新しい発想や注意点を導き出す——まさにマーケティング深掘りの第一歩だね」と静かに声を落とす。

 こうして、メタ認知編の1話後編「なぜあのマーケティングは失敗したのか?(顧客・社会視点)」は一段落する。企業側の意図だけでなく、“ユーザーや社会がどう捉えたか”を客観的に見つめることで、失敗の要因がより鮮明に浮かび上がり、今後同じミスを回避するヒントが得られる。

 ユキはその教訓を糧に、会社のSNSキャンペーンや新商品の企画をさらに進化させようと意気込むのだった。


わからない所はないですか?

用語解説

  1. 顧客・社会視点

    • 企業が考える理想像や数値的効果だけではなく、消費者や社会が実際にどう感じ、どう動いたのかを分析する視点。

    • 失敗マーケティング事例を企業視点だけでなく顧客の声やSNSの反応を調べることで、現実のズレやユーザーの不満を理解する。

  2. 消費者離れ

    • 施策が不発に終わったり、ブランドイメージが崩れてユーザーが購入をやめる現象。

    • 味や価格の問題だけでなく、“慣れや愛着”“文化的違和感”“社会・政治的メッセージへの反発”など、様々な感情面が作用する。

  3. ブランド習慣・ローカル文化

    • ペプシチャレンジの例で見たように、消費者が長年親しんできたブランド文化は、単純な性能比較では揺るがない。

    • ダウニーのように海外で成功しても日本で不人気の場合、ローカル文化の香り・味覚などに注意を払わないと大失敗する。

  4. 政治・社会問題との関わり

    • ナイキ広告のように、企業が社会的テーマを扱うと、強い支持と強い反発を同時に招く可能性が高い。

    • SNS時代は一瞬で炎上するリスクがあるため、感情面やタイミングを俯瞰してシミュレーションする必要がある。

  5. メタ認知の視点

    • 企業視点と顧客視点を同時に俯瞰し、なぜ施策がズレたかを冷静に分析する力。

    • 部分最適に囚われず「ブランド全体」「市場・社会の動き」「顧客の文化・感情」を大局的に捉える。

  6. 学びの活用方法

    • 失敗事例を“悪い例”で終わらせず、その背景とユーザーの反応を整理し、自社の施策と照らし合わせる。

    • チェックリスト化や検討会を設けて“この失敗パターンに当てはまらないか?”と常に見直すことで、同じ轍を踏まないようにする。

  7. 日常への応用

    • 仕事でのプロジェクトだけでなく、イベント企画や趣味のサークル運営でも“ユーザー(参加者)が実際にどう思ったか”を振り返ることで改善が早まる。

    • 誰かが“いい!”と思っても、受け手がどう感じるかは別問題。そこをメタ認知的に把握するのが大事。


次回予告

メタ認知編の1話後編では「なぜあのマーケティングは失敗したのか?」を顧客・社会視点で分析しました。ペプシチャレンジ、P&Gダウニー、日本市場撤退、ナイキ・コリン・キャパニック広告炎上——いずれも企業の戦略と消費者の感覚がズレたことが大きな要因だったと分かります。
では、この学びを具体的にどう“俯瞰”すれば、次のマーケティング施策をより成功に導けるのか? 次回以降のメタ認知編では、さらに深く「市場のトレンドをどう読むか」「ターゲット分析の落とし穴」「ブランド成功共通点」などを考え、ユキが“全体像を捉える力”を磨くプロセスを描きます。施策の細部だけでなく、大局から俯瞰するメタ認知の威力を、引き続きお楽しみに!


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うさぎ先生とユキちゃんです

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