「コミュニティを活かして拡散!ブランドの未来戦略」【マーケティング基礎コミュニティ編最終話】全5回
「せっかく作ったコミュニティ、その力を最大限活かしていますか?」
ファンコミュニティはブランドの未来を広げる最強の武器。この回では、口コミ拡散やファンイベントの活用、さらにブランドを次のステージへ引き上げる戦略を徹底解説します。あなたのブランドを支持する輪を、もっと大きく広げていきましょう!
◯マーケティング基礎編シリーズ
1週目:WEBマーケティング編
2週目:顧客心理編
3週目:SNS拡散編
コミュニティ編
①「ファンを作るマーケティング!コミュニティの力とは?」
②「エンゲージメントを高める!ファンとの信頼構築術」
③「リピーターを増やす仕掛け!ファン化施策の具体例」
④「ブランド価値を高める!SNS発信の最適化」
⑤「コミュニティを活かして拡散!ブランドの未来戦略」
全5話でお届けします!
小さな予感と、淡い期待が芽吹く朝
オフィス街の朝は慌ただしい。通勤ラッシュに揉まれつつ、ユキはビルのエレベーターを降りていつものデスクへ向かった。まだ少し早い時間だが、パソコンを起動し、SNSアカウントのダッシュボードを開く。ここ数ヶ月、自社のSNS施策を通して“コミュニティ”や“さブランド価値”を意識しながらファンづくりに励んできた結果、フォロワーたちの反応が確かに変わってきた。リピーターも少しずつ増え、コメント欄ではユーザー同士のやり取りも活発になっている。
「今度のイベント、楽しみ」「また買っちゃった!」――そんな書き込みを見るたびにユキの心は温かくなっていた。ところが、上司から新たな宿題が出されている。「せっかくコミュニティができつつあるなら、それをもっと活かして大きく拡散する手はないのか?」――いわば、“コミュニティを核にして新しい波を作れないか”という指示だ。以前までのバズ狙いとは違い、ファンとの結束をどう“広げる”のかがテーマになっている。
ユキ自身も、最近は「既存のファンやコミュニティメンバー同士が盛り上がっているけど、それが外部へ広がるインパクトには欠ける」と感じていた。コミュニティ内部は楽しそう、だが外から見れば何をやってるか分からないかもしれない。どうすればこのコミュニティの盛り上がりが外へ伝わり、新規ユーザーやさらに広範囲の人たちを巻き込む形になっていくのだろう……?
不安と期待が入り交じる中、ユキは前回までと同じように「うさぎ先生の助けを借りたい」と思い立つ。早速、仕事をこなしつつも隙を見てアイデアをメモし、自宅に帰ったら先生と相談するつもりだ。うさぎ先生――元大学教授でマーケティングや心理学、AI研究の専門家だったが、闇の組織の陰謀でウサギの姿に変えられたという謎の存在。今はユキのアパートに居候しており、夜な夜なマーケティング指導をしてくれる、不思議な同居人でもある。
「コミュニティを活かして、更に大きく拡散する“未来戦略”……先生なら何か妙案があるかもしれない」――ユキはそんな期待を胸に、朝のメール処理や会議に追われながらも、頭の片隅でこの新たなテーマを考え続けていた。
核となるコミュニティが広げる波――うさぎ先生が描く未来図
夜、アパートのドアを開けてリビングに入ると、いつものようにソファに座ったうさぎ先生が羊羹をつまみながらくつろいでいた。ユキはただいまの挨拶をしつつ「先生、また困りごとができちゃいました」と苦笑する。先生は耳を動かし、「どうしたんだい、ユキくん?」と落ち着いた口調で答える。
ユキはカバンを置いて床に座り、「会社でコミュニティが軌道に乗り始めたんですけど、さらに外部へ拡散するにはどうすればいいか悩んでて……今までは“バズ狙い”とかやったけど、今度はコミュニティを中心に広げたいというか。上司も“せっかく育ってるファンの熱量を使って、新しい波を作れないのか”って言うんです……」と説明する。
先生は穏やかに笑みを浮かべ、「ふむ、今度は“コミュニティ発の拡散”だね。確かに、前みたいに広告や面白動画だけで爆発的な波を作る方法もあるけど、それだと一過性で終わりがち。一方で“コミュニティの熱量”を活かして自然に広がる波は、企業にとって長期的なメリットが大きいんだ。そこには“ファンが自発的に動く”という大きなエネルギーがあるからね」と羊羹を一口かじる。
ユキは「あっ、自発的に……なるほど。前にもファン化の大切さは学びましたけど、ユーザー自身が“いいから広めたい”と思う状況をどう作るかがカギなんですね」と頷く。先生は「そう。コミュニティが育ってくると、そこに“誰かに伝えたい”って感情が湧きやすい。企業からのトップダウンではなく、ファン同士が『私たちの好きなブランドをもっと世の中に広めたい』というムーブメントを起こす可能性がある」と続ける。
◆未来戦略のコア――先生が示す“ファンの熱量”の活かし方
夜のアパート、リビングの灯りが照らす中、ユキはノートを手に真剣な表情でメモを取る。先生は穏やかな声音で、いくつかの具体案を挙げ始める。
ファン主導イベント
これまで会社主導でオンラインイベントや座談会をやってきたけど、ファンが主体となって企画や運営をする形に移行する方法。
企業はあくまでサポート役に回り、告知や資金援助を行う程度にとどめる。そうすると「私たちがブランドを応援している」という意識が強まり、参加者が周囲にも声をかけて自然に広がる。
ファン公認アンバサダープログラム
コミュニティの中でも特にブランド愛が強い人を“アンバサダー”として認定し、発信活動を支援する。
アンバサダーはSNSやリアルイベントで自分の体験談を語ったり、商品の良さを紹介したりする。企業は特典を用意しつつ、あくまで彼らの自由な言葉で発信してもらうことが肝心。
ユーザー同士が「同じファン」による話を聞くと、より親近感を持ち、拡散にも協力してくれる。
外部コラボレーション
ある程度コミュニティの盛り上がりができてきたら、関連ジャンルの別ブランドやインフルエンサーとコラボ企画を行う。
“ファン×ファン”の交流が生まれると、一気に複数コミュニティが混ざり合い、新規ユーザーにもリーチしやすい。
ただし、自社の“世界観”と大きくズレる相手と無理にコラボすると、ファンが戸惑う可能性があるので慎重に選ぶこと。
日常応用
先生は「これは企業だけでなく、ユキくんの写真サークルなんかでも同じだ。サークルが盛り上がってきたら、メンバー主導の撮影企画や写真展をやり、“もっと多くの人に私たちのサークルを知ってほしい”という空気を作ればいい。ファン同士が心から楽しんでる様子が外に伝わると、新しい人が参加したり、外部の写真家とコラボしたりと、自然に広がるよ」と笑う。
ユキはペンを走らせながら、「なるほど、確かに最近コミュニティがある程度できてきたけど、まだ会社主導で手を引っ張ってる感じがある……ファンが自分たちの意志で広めたくなる雰囲気をどう作るか。これは“自発的な波”を大切にするってことですね」と理解する。
先生は「そうだね。もちろん、まったく手を貸さないとユーザーが困ることもあるから、サポート役に徹して、ファンのアイデアを最大限活かすのがコツだよ。『やっていいんだよ』『君たちの自由だよ』と明確に示すと、意外と面白い企画や波が起こるものさ」と微笑む。
◆日常でも応用――ユキの写真サークルが生む新波
翌週末、ユキは写真サークルのメンバーと集まる際、「私たちで何かイベントやりたいよね」と声をあげてみる。すると、メンバーの一人が「写真展やりたいけど、運営が大変そう」と言い出す。ユキは「そこをみんなで手分けして作り上げるのはどうかな? 会場探しや費用管理は、私たちも手伝うけど、運営委員をメンバーで決めれば負担が分散できるかも」と提案する。
最初は「それ大変じゃない?」という声もあったが、撮影を続けてきたメンバーたちの中には“自分の写真をもっと外へ見せたい”とか“サークルの楽しさを広げたい”という欲求を抱える人が多かったようで、「それならやってみたい!」と賛成者が意外に多い。そこでユキは一歩引いて、あくまでサポートに回る形を示す。皆が「ユキちゃんこそリーダーでしょ?」と押してくるが、「いえ、私は裏方支援します。みんなが主導してくれると嬉しいです!」と笑う。そうするとメンバー同士が「じゃあ私が費用関連見る」「俺がポスター作る」と自発的に役割分担を始め、一気に具体的な企画へ進んだ。
ユキはその流れを見て、「これがファン主導のコミュニティが作る波か……会社でもこういう形でユーザー自身が盛り上げる施策を作れたらいいな……」と感激する。自分が主導しなくても、熱量を持った仲間が自然と動き出す――それこそが“波”を生む原動力になり得るというわけだ。
◆企業での実践――ユーザー主導の広がりを誘導する試み
会社でも、ユキは「ファン主導イベント」のアイデアをチームや上司に提案する。具体的にはオンラインコミュニティで常連ファンが自主的にイベントを開催する仕掛けを整え、それを公式が支援する形。公式がすべてを仕切るのではなく、「皆さんで企画して、必要な部分だけ企業がサポートする」という体制を想定する。
上司は「そこまでユーザーに任せるって、企業の管理が緩くなるんじゃないか? トラブル時に責任はどっちが取るんだ」と不安を口にする。しかしユキは、「最低限のルールは設定して、そこを守るように企業側が管理すれば大丈夫だと思います。例えば公序良俗を乱す企画はNGとか、個人情報の扱いとか……。でもそれ以外はユーザー同士で自由にやってもらう。そうすると“私たちのイベント”という愛着が生まれやすいですし、それをSNSで広めてくれる人も増えるはずです」と情熱的に説明する。
上司は悩みつつも、「まあ試験的にやるならいいだろう」という返事を出し、同僚たちも「面白そう、ユーザー発の企画って期待できるよね」と乗ってくれる。こうしてさっそく“ファン主導のオンラインサロンイベント”が告知される。企業が全面に出るのではなく、コアユーザーが主役となり、何を議題にするか、どう進めるかを自由に決められる。公式は場所(プラットフォーム)や告知、景品提供などを行うが、あくまで裏方支援だ。
すると、すでにコミュニティ内で活躍していた何人かのファンが「自分たちでこんなイベントをやりたい」「こういうコラボを試してみたい」と積極的に提案し、あっという間に具体案が固まっていく。ユキはそのエネルギーに圧倒されつつも嬉しくなり、「これがコミュニティ発の熱量なんだ……!」と感動を覚える。やがてユーザー同士がSNSで「こんなイベントやります!」と発信し始めると、知らなかった層にもリーチし、新規フォロワーが増えたり外部メディアが興味を示したりする兆しが出てきた。「わあ、こんな形で拡散するんだ……」とユキは感慨深い。
◆コラボ企画への扉――ブランドの未来戦略のうねり
イベントが近づくにつれ、SNS上で「このコミュニティ面白そう」と話題にするユーザーが増え、新たに参加したいという問い合わせまで会社に寄せられるようになる。上司や同僚は「すごいじゃないか。ほとんどユーザーが盛り上げてるだけなのに、勝手に広がっていくぞ……」と驚き、ユキには「ありがとう、ここまで持ってきたのはユキちゃんの頑張りがあってこそだ」と感謝の言葉を掛ける。ユキは照れながらも「いえいえ、実際はファンの力です」と返答する。
さらには関連する別の企業やクリエイターから「うちともコラボしませんか?」というオファーが舞い込む。コミュニティが盛り上がっているのを見て、「一緒に企画を作ると互いに新規ユーザーを獲得できるのでは」と考えるわけだ。ユキは嬉しさと同時に「どことコラボするかちゃんと考えないとブランドの軸がブレるかも……」と冷静に見定めようと思っている。先生の教えによれば、世界観を共有できる相手でないと混乱を招くだけだからだ。
しかし、これこそが“コミュニティを活かした拡散”の醍醐味――ファンが作った波が、他企業やクリエイターを巻き込んでさらに大きくなる。企業はその流れをうまく活かしつつ、自分たちの“ブランド軸”を守ることで、強力な“未来戦略”を築けるのだと、ユキは強く実感する。
◆日常への応用――ユキの写真サークルにも広がる波
プライベートでも、ユキの写真サークルが先日決めた“小さな写真展”が順調に準備を進めており、SNSを使って周囲の友人やほかの写真好きにも呼びかけたところ、「行ってみたい!」「すごく楽しそう!」という人が増えてきた。当初はサークル内部で完結するつもりだったが、やるなら外の人も参加してもらおうという流れに自然になっている。ユキは「これも“コミュニティの力で拡散”の一例なのかな……」と感じつつ、先生の言葉を思い出す。
ある夕方、サークルのメンバーから「ユキちゃんが日頃から“楽しく写真撮ろう”って言ってたのが広まって、別の地元サークルともコラボできそうだよ」と連絡を受ける。ユキは「えっ、そんな話が!?」と驚きながら、「すごい……コミュニティがさらに別のコミュニティを呼び寄せる……まさに“波”が広がっていくんだ」と興奮を抑えきれない。日常の趣味でも、企業マーケティングでも、“コミュニティが他者を巻き込む力”は同じように働く。それを知るユキは、もはや「マーケティングの理論は難しい」などと思わず、むしろ「これが人と人の自然な繋がりなんだ」と納得していた。
夜、自宅に帰ると、リビングのソファで“うさぎ先生”がいつもの羊羹を食べながらテレビを見ている。ユキは「先生、聞いてください! 会社の方もサークルの方も、コミュニティが勝手に拡散して新しいコラボが生まれそうなんです!」と報告すると、先生は耳をぴんと動かして微笑む。「やっぱりそうなったか。人は面白いことを見つけると“これ他の人にも見せたい”と自然に思うんだ。そこにブランドの軸がしっかりしていれば、“ただの流行”を超えた波が起こりやすい」
ユキは「なるほど……今回本当によくわかりました。コミュニティを活かして外部へ広げるって、企業がゴリ押しするよりよほど自然だし、ファンも楽しんで広めてくれる。まさにこの先の“未来戦略”ですよね」と興奮気味に語る。先生は「うん。大事なのは“ファンが主役”であり、企業はサポート役だと割り切ること。そうすれば“私たちが作ってるブランド”という意識がファンの中で芽生え、さらに拡散したくなるんだ」と説く。ユキは深く頷き、「私もサークルでもそう思いました。メンバーが“自分たちのイベント”って思うと一気に広まるし、私が頑張るよりみんなのほうがずっとパワフルなんですよ」と同意する。
先生は満足げに、「“コミュニティを活かして拡散する”――今回のテーマがユキくんに腑に落ちたようで何より。おめでとう、ますます楽しんで頑張ってね。僕は陰ながら応援してるよ」と微笑む。ユキは「はい、ありがとうございます、先生! 本当に先生のおかげで私、いろんな人との繋がりが楽しくなりました!」と感謝を述べる。薄暗い部屋、ソファのうさぎ先生の耳がわずかに揺れ、「まあ、僕もこのもふもふ姿で君に協力するのが結構楽しいんだよ……」と小さく呟く。ユキは笑みをこぼし、「先生、もう闇の組織のことは気にしてないんですか?」と半分冗談で問いかけるが、先生は少し寂しそうに羊羹をかじり、「いつか元の姿に戻れるなら戻りたいけど、今はこの耳と尻尾も悪くないよ」と強がってみせる。
そんなやりとりに笑いがこぼれる中、ユキの心は今日も充実感で満たされていた。
日常へと還る道、そして小さな確信
数日後、会社公式SNSではファン主導のオンラインイベントが無事に開催され、多くのユーザーが自発的にハッシュタグを使って盛り上げてくれた。イベント後には「これ楽しかった、またやろう!」という声が飛び交い、参加できなかった人から「次回は絶対に参加します!」とのメッセージも届いている。会社の内部でも「ここまでユーザーが主体となって盛り上がるとは……」と驚きの声が多く、ユキは喜びを隠せない。
上司からは「これ、なかなか面白い流れだな。SNSはただ宣伝するものだと思ってたけど、こういうふうにファンと一緒にブランドを作ることができるんだな」と賞賛の言葉をかけられ、同僚も「どんどん新しいユーザーが参加して拡散してくれてるね。まさに“コミュニティを活かして拡散”の好例じゃない?」と盛り上がっている。ユキはその光景を眺め、改めて“未来戦略”という言葉を思い浮かべる。これは一時的な打ち上げ花火ではない。続けるほど強くなる“コミュニティの波”だと感じられて、胸が高鳴る。
プライベートでもサークル写真展が近づき、メンバーから「意外と大きめのスペースが確保できたから、来場者も増えそうだよ」「SNSで拡散したら、他県からも来るって人がいた!」などの嬉しい報告が相次ぐ。ユキは「わあ、凄い……まさかこんな波になるなんて」と感激し、「まさにコミュニティの力ってこういうことか」と頷く。先生の教えどおり、みんなが自発的に発信し、外部の人を巻き込んでくれる。この“他者を巻き込む”力が、コミュニティならではの大きな魅力だ。
ある週末の夜、アパートで先生と語り合っていたユキは、「先生、今週はイベントがうまくいって、本当に嬉しいです。会社でも私生活でも、コミュニティの波が外に広がってるのを実感してます」と笑顔で報告する。先生は「それはよかったね。実際、ここからさらに大きなコラボや新企画が生まれる可能性があるし、ユーザー同士が“私たちの好きなブランドを一緒に育てよう”と意識し始めたら、企業の未来は明るいよ」と耳を揺らしながら微笑む。
ユキは思わず感慨深い顔をして、「本当に、これが“未来戦略”なんだなってわかりました。バズや広告だけじゃなく、ファンコミュニティを核にして、そのファン自体が広げてくれる。企業はサポートしながら世界観を共有していく……。それって、すごく豊かなマーケティングの形だと思います」と声を上げる。先生は「うん。たとえ闇の組織に狙われても、コミュニティがあればみんなで守ってくれるかもしれないね……」と冗談めかして笑う。ユキは「そ、そうですね」と少し戸惑うが、その耳の長いウサギ姿を見つめて改めて感謝の気持ちを抱く。先生との出会いがなければ、こうした気づきや成果はなかっただろう。
翌朝、ユキはいつも通り会社へ向かう電車の中で、スマホのSNSをチェックする。すると昨夜のオンラインサロンで「また新しい企画が立ち上がった」「別ブランドとコラボする話がユーザー発で盛り上がっている」という報告が飛び交い、ハッシュタグが瞬く間に拡散している。思わぬ影響力にユキは目を丸くし、「すごい……私も知らないところでファン同士が新しい挑戦を始めてる……」と驚く。だが同時に、これこそが“コミュニティを活かして拡散”の本質だと思い至り、「ユーザーが主体的に作る波は、私が狙って作ったバズよりもはるかに大きく成長するかもしれない……!」と胸が高鳴る。
会社に着いて上司にその話をすると、「おお、凄い勢いだな。でも企業としてはしっかりサポートしつつ、ブランドイメージを守る仕組みも考えてくれよ」と釘を刺され、ユキは「承知しました!」と笑顔で答える。確かに何でも自由にさせるとリスクもあるが、きちんとガイドラインやルールを用意しておけば大丈夫だろう。ほんの半年前はただSNSで“バズを起こしたい”と空回りしていたユキも、いまやコミュニティとブランド価値を結びつけて“より大きな波”を見据えている。ここに至るまでの学び――感情トリガーや口コミ、エンゲージメント、リピーター施策、ブランド価値の最適化――がすべて繋がっているのを感じ、ユキは身震いするほど嬉しい。
そんなユキの姿を、夜のアパートで先生は羊羹をつまみながら静かに見守っていた。「ユキくん、日常でも会社でも、コミュニティを軸にしていろいろ広げてるみたいだね。“ブランドの未来戦略”って言うと難しそうだけど、要は“人と人の繋がり”が大きくなることで、新たなチャンスやコラボが自然発生するんだよね」と改めて伝える。ユキは「本当にそうですね。もうSNSはただの宣伝ツールじゃなくて、繋がりのプラットフォームなんだって心から思います。ここまで来れて感謝してます、先生!」と笑顔で返す。
先生は少し寂しそうに耳を動かし、「僕なんかはただのウサギ姿のおじさんだけど、ユキくんがどんどん成長していくのを見ると嬉しくなるよ」と呟く。ユキは「先生、そんなこと言わないでくださいよ。私、まだまだ学び途中ですよ。これからもっとコミュニティを広げて、応援したい人たちを巻き込みたいです!」と前向きに宣言する。夜のアパートに響くその声は、以前と比べて自信に満ちていた。
こうして、“コミュニティを活かして拡散”という新たな段階を迎えたユキのSNS戦略は、これまで学んできた要素――ファン化、リピーター施策、ブランド価値の一貫した発信――すべてが組み合わさり、大きなうねりを生もうとしている。どんな未来が待っているかは、まだわからない。だが、ユキは確信している。“人と人を繋ぐコミュニティ”の力があれば、きっと面白い世界が広がるに違いない。ビジネスでも趣味でも、日常を豊かにする波を作っていく、その喜びこそが“未来戦略”の本質なのだ――そう信じながら、彼女はまた朝早く起きて会社に向かい、次の挑戦に備える。
用語解説
コミュニティの力を活かした拡散
企業が主導するのではなく、ファン(コミュニティのメンバー)同士が自発的に企画や発信を行い、SNSを通じて自然に広がる波。
企業がファンをサポートしつつも主役の座を譲ることで、ファンは「自分たちが作っている」という誇りを持ち、積極的に他者を巻き込むようになる。
ファン主導イベント
企業が全面的に仕切るのではなく、ファンが自分たちのアイデアで企画・運営するイベントやキャンペーン。
企業は最低限のルールや資金援助を行い、裏方のサポート役に回る。これにより参加者の熱量が高まる。
アンバサダープログラム
企業やブランドが大好きなファンを“アンバサダー”として公式に認め、情報発信を支援する制度。
アンバサダーは企業の代理人ではなく“自発的なファン”なので、ユーザー目線のリアルな声が広がりやすい。
外部コラボ
ある程度コミュニティが育ったら、他ブランドやインフルエンサーとのコラボで新たな波を生むことが可能。
ただし「自分たちの世界観」と合わない相手と組むと、コアファンが戸惑う可能性がある。コラボ先の選定が重要。
日常での応用
コミュニティを使った拡散は会社組織だけでなく、趣味のサークルや地域の集まりなど日常にも応用可能。
メンバー同士が“自分たちの楽しみを広げたい”と思えば、外部への呼びかけが自然に行われ、仲間が増える好循環が生まれる。
未来戦略
コミュニティを活かした拡散は一時的なバズよりも長期的に波及する力を持つ。
続けるほど強くなる“ユーザー主体”の盛り上がりが、企業やグループのブランド価値・知名度を継続的に高めていく。
次回予告
「オムニチャネルマーケティングで広がる世界!オンラインとオフラインを繋げる新戦略」
次回(第5週)では、SNSというオンライン活動を超えて、実店舗やリアルの場との連携を図る“オムニチャネルマーケティング”をテーマに取り上げます。ユキちゃんが「オンラインとオフラインの垣根をどう越えるか」悩む中、うさぎ先生は“顧客体験を最大化する”視点で新たなアイデアを提示する――。果たして“リアルとデジタルの融合”がもたらす可能性とは? どうぞご期待ください!
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