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『IT・通信業界の未来—つながる社会のその先へ』調査ノートIT・通信業界シリーズ最終話全6話


こんにちは!
6回に渡りお届けして来たIT・通信業界編ですが、いかがでしたでしょうか?
今回はその総まとめとも言える回となっていますので、業界の傾向や未来を思い出してみてください!

【永久保存回】就活・転職にも役立つ『各業界』研究ノート🗒️👇

マーケティング基礎 SNS拡散編👇

『未来をつなぐテクノロジー—IT・通信業界の進化と展望』
『IT・通信業界の細分化と代表企業—デジタル時代を支える巨人たち』
『NTT—通信インフラを支える日本最大級の企業』
『KDDI—ライフスタイルを変える“au”の挑戦』
『楽天—ECから通信へ、挑戦するベンチャー魂』
『富士通—ITソリューションで未来を創る総合IT企業』
『IT・通信業界の未来—つながる社会のその先へ』
全6話でお届けします!

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IT・通信業界の未来—つながる社会のその先へ

私は「IT・通信業界シリーズ」を書き進めるなかで、NTT、KDDI、楽天、富士通という4社を中心に、その歴史・理念・功績・展望を追いかけてきた。通信インフラからモバイル事業、ECサービスやAI・クラウドに至るまで、企業ごとの取り組みがまったく違うように見えつつも、一方で「人々の生活や産業を支えるIT基盤を作りたい」という共通の思いがあることを強く感じた。今回の最終話(第6話)では、これまでの話を総括し、IT・通信業界全体の課題やチャンス、そしてスマートシティやメタバース、量子コンピューティングなど今後の可能性を幅広く見渡してみたいと思う。そして最後に、読者が就職や転職を考えるうえでどういった視点を持つとよいか、ヒントを提示したい。

今日も深夜の部屋で、私の隣にはウサギの姿をした“うさぎ先生”がいる。先生はもともと大学教授で、闇の組織の陰謀によりウサギにされてしまったという不思議な同居人。マーケティングやAI分野に造詣が深く、このシリーズでも私の相談役をずっと務めてくれている。残る最終回を仕上げる段階となり、私も少し寂しさを感じながらノートとPCを開く。先生はソファでくつろいだまま、耳をぴんと立て、「さあ、総まとめを始めようか」と静かに促すのだった。


1. まとめ:これまで紹介した企業の共通点と違いを振り返る

シリーズの第1話ではIT・通信業界の大枠を見渡し、第2話から第5話にかけてNTT、KDDI、楽天、富士通という4社を取り上げた。それぞれの企業が置かれた立ち位置や進化の道筋は異なるが、改めて整理すると共通点と違いが見えてくる。

1.1 NTT:通信インフラの最大手としての公共性とイノベーション

  • 共通点

    • 社会インフラを担う使命感、AIやクラウドへの挑戦。

    • 5G・6Gなど次世代通信を牽引し、ITサービスにも領域拡大。

  • 違い

    • かつての電電公社をルーツに持ち、国策企業としての色合いが強い。

    • 持株会社制による巨大グループを形成し、NTTドコモやNTTデータなど多様な子会社を抱える。

NTTは民営化を経ても公共性が高い存在であり、光ファイバーやモバイルネットワークを通じて日本の通信基盤を下支えしている。同時に、AIやIoT時代の通信プラットフォームづくりにも意欲を見せ、スマートシティへの取り組みなど公共性と最先端技術を組み合わせる独自性がある。

1.2 KDDI:合併による総合通信企業、ライフデザイン戦略で生活を変革

  • 共通点

    • 5Gインフラ整備やIoT活用で国内通信大手として活躍。

    • AI・データ活用に注力し、生活サービスをITで統合する。

  • 違い

    • “DDI”や“KDD”など複数企業の合併から生まれ、チャレンジャー精神が強い。

    • “au”ブランドを軸に、エネルギーや金融、エンタメなどへ多角化。

KDDIは“つなぐチカラで、くらしの変革”を掲げ、通信だけでなく“ライフデザイン企業”を標榜している。NTTほど公共性が強いわけではなく、民間ならではの柔軟な多角化が特徴。auブランドの結束力を活かし、金融やエネルギーなどのサービスを束ねたユーザー囲い込み戦略を展開している。

1.3 楽天:ECから通信へ挑むベンチャー魂、経済圏づくりで急拡大

  • 共通点

    • IoTや5Gを活用し、新たなサービス創出を目指す。

    • AIやデータ分析でユーザーの利便性を高める方向性は共通。

  • 違い

    • 元はEC企業で、通信参入は比較的新しい。

    • “楽天経済圏”と呼ばれるポイント・金融・ECの連携でユーザーを囲い込み。

楽天はECサイト「楽天市場」と金融サービスで急成長し、第四のキャリアとして通信分野に殴り込んだ“ベンチャー魂”の塊だ。まだ通信インフラ整備という面では課題も多いが、クラウドネイティブな仮想化ネットワークなど革新的技術を打ち出すことで、業界の価格競争を激化させている。NTTやKDDIなど“大手キャリア”に挑戦する存在として注目を集める。

1.4 富士通:ハードからソフト・サービスへシフトした総合ITベンダー

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