普段着を着物にしてみた
忘れもしない。2023年12月14日。17時を過ぎて暗くなった頃。
私は、浅草に立っていました。
上京するにあたって、何となく「雷門、見てみてぇな」と思ったのです。
今思えば、導かれていたのかもしれません。和服に出逢う運命だったのです。
浅草に魅入られ、着物に惚れました。
まだまだこの国も捨てたもんじゃない。日本の魅力を知り尽くしていないなって思いました。
私は元々蕎麦職人なので、作務衣を仕事用と普段用に持っていました。でも、日常で着用するのは夏場だけで、さすがに冬は着れません。寒い季節は、和柄の洋服を着ていました。
着物を買わなかったのは、身近にお店がなかったのと、通販で買うと高いから。あまつさえ、着付け教室の印象によって、『勉強してからじゃないと着れない』と思い、面倒くさくなってました。
今思うと、そんなに気にする事はありません。確かに着こなしを学んだ方がいいですが、まずは好きなように着てみる勢いが大切かな。
という理由から、和洋折衷で着物デビューです🪭👘
私は、ホストで有名なローランドの影響で、ミニマリストになりました。
クローゼットの肥やしになっていた服を全て捨て、シャツとジャケットにズボン、スウェットの数着だけにし、衣類を必要最低限に減らしていました。
それで何年か生活してみて思いました。西洋人の装いに偏りすぎているのは違和感があるって。
まず、私は汗かきなので、スウェットが不快でした。ここは私の考えが足りなかった。裏起毛は多汗症と相容れない。
旅館に置いてあるような寝巻き、買おう…💦
考えを改めました。なんで私はホストの真似事をして、ジャケットを着てるんだろうって。
確かに、ミニマリズムは素敵な考えです。『足るを知る』という、昔から日本人が持っていた価値観とも合っています。しかし、ジャケットまで真似したのは違うのかもしれません。
何故なら、私がやってきた事は、心理学で言う「同一化」や「投影」だったから。
他人の真似事をする事で、自分も素敵な存在に成れたと思い込んでいた。
それを辞めて、本当に自分が好きな物で己を着飾りたい。
お洒落なジャケットは確かに着てみたかった。でも、昔から憧れていた着物への気持ちを思い出したんだ。
私は、和服を着たミニマリストに成る。
良いじゃん。一度きりの人生。好きな服着ようぜ。