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睡眠の質が悪くなると、性格も悪くなる!? ~やっぱり「寝る子は育つ」は真理なのかも
睡眠の質が悪くなると、性格も悪くなる
先日、とあるテレビ番組の中で、睡眠研究の第一人者柳沢正史先生が紹介していた話です。
実際、次のような研究結果、データもあるそうです。
・1日に4時間半ほどしか眠らない睡眠不足が5日間続くと、うつ病や統合失調症などの患者に似た、脳機能の変化がみられる。その結果、不安や混乱、抑うつ傾向が強まる。(国立精神・神経医療研究センターでの実験より)
・20台の健康な若者に参加してもらった実験。
5日間にわたって8時間たっぷりと眠った後と、同じく5日間にわたって4時間しか寝せなかった跡を比べてみると、睡眠不足時には、不快な感情刺激によって気分が悪化しやすく、不安になることが確かめられている。
・寝不足になると攻撃性が高まり、共感力が低下する。ある意味、「キレやすくなる」(インターネット調べ)
・アメリカカルフォルニア大学バークレー校の研究チームの調査。
サマータイム開始時と寄付の関連性を調査した結果、サマータイムの切り替え日(夜1時間短くなる。国民総睡眠不足状態)になると、寄付額が減るという結果が出ている。逆に、サマータイム導入制度がない州では、寄付額に変化は見られなかった。
この結果から、「睡眠不足は、人間の社会的機能にも悪影響を及ぼす可能性がある」としています。つまり、人が本来持つ優しさや助けたいという利他的な気持ちや行動に悪影響があることを示しています。
性格とは違うかもしれませんが、他にも東北大学の調査によると、
記憶に関わる「海馬」は、睡眠時間が長い子のほうが、より「大きい」。
逆に睡眠不足の子の海馬は小さい傾向がある。
という結果が公表されています。
これは、きつい言い方をすると、
子供のころの睡眠不足は、記憶力を低下させるという意味でも「一生のハンデを背負わせることになる」ともいえます。
あるいは、昔から言われてきたように「寝る子は育つ」ということでしょうか。
睡眠時間には個人差がありますが、各年代、世代で推奨睡眠時間も示されています。ある調査では、
小学校6年生 92%
中学校3年生 86%
高校3年生 95%
が、睡眠時間を満たしていないという結果もあります。
寛容さがなくなってきた、生産性が上がらない、うつ病になる人が増えているなどの問題は、もちろん、いろんな原因があるでしょうし、個人差もありますが、背景に「睡眠不足」が隠れているかもしれません。
逆に、そんな睡眠不足の課題と向き合っている学校もあります。
熊本県のとある中学校では、給食後に「うとうとタイム」を設定して、全校一斉に10分ほどの「お昼寝タイム」を実施しているそうです。
生徒からも、
「午後からの授業に集中できる」
「前は、居眠りばかりだったけど、今は、授業の内容もよく頭に入っていいです」
などと好評なのだそうです。
また、昼寝時間やいつでも休める「休養室(休憩室)」の設置する会社も増えていると聞きます。
私自身も、昔は、それこそ徹夜して勉強、仕事することがいいこと、すごい事と錯覚して、頑張っていた時がありました。
でも、働き方改革、ワーク・ライフ・バランス、週休3日制などの流れを受けて、心身の疲労回復には休養も必要で、むしろ、現代社会でいえば「休むことも仕事のうち」という考え方に変わりました。
何より、休むことで生産性が上がる、創造的になれるという実感も持ているようになりました。
さまざまな健康食品や健康に良いとされる運動、習慣が紹介されていますが、まず、何より一番に、睡眠の質を上げる方法、睡眠にこだわった行動をとってみるのもいいかもしれませんね。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです