読書記録⑮「踊る町工場 伝統産業とひとをつなぐ『能作』の秘密」
感想
社長である能作克治さんの経営方針は次の通りです。
「数字至上主義は、仕事をつまらなくする」
「原動力は、楽しむことです」
の言葉にも何度も頷きました。
目標設定を「誰が」行うかで随分と受け止め方が違います。
自分の中のワクワクする感覚から、「~してみたい」のために、いろいろとクリアする課題をあげていくのは、きっと「課題」と言っても、クリアすることがとても楽しいものになります。
やっていること自体が自分の好きなもの、興味があるものなど、熱中できる内容が多くなるからです。
しかし、自分の外から課される目標、いわゆる「ノルマ」はどうでしょうか?
特に、自分が考えたものではなく、外から課された(経営陣からの)ノルマならなおさらです。
何より、ノルマに追われると、「未来(ノルマ達成)のために、現在を犠牲にする生き方」になりやすいです。それ以外の事が目に入らなくなり、かえって、アイデアが枯渇したり、ヒントをつかみ損ねたり、悪循環になります。
さらに、ノルマ達成が目的になってしまうことで、自分達の都合で動きやすくなります。
相手、お客様の都合を考えての目標ではなく、自分達の数字さえ伸びればOKという自(社)の都合優先の考え方につながりやすくなるからです。
そんな時に、「不正」も起きます。
「能作」には、仕事を楽しむ考え方、ノウハウがたくさんあり、今のような大躍進につながっているんだなと思いました。
資本主義社会は、「もっともっと」「さらによりよく」がキーワードです。
よく「前年比」が出されますが、毎年100%を超えるのは、かなり大変な事です。どこかで上昇しなくなる時が来ます。
売り上げなどの数値だけ見ていくと、きりがなくなります。
前年度達成した数字が、今年度は逆に、プレッシャーにすらなります。
目標の中に、数字以外の~例えば、価値、物語を提供するなど~内容を考えていく必要も出てきます。
「能作」は、若い職人や女性の管理職も多いそうですが、根本に人が大切され、自分たちのやる気を形にできる魅力があるからだと感じました。
私は、一度工場見学にもいきましたが、もう一度行ってみたい魅力ある場所です。
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです
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