シェア
夏至のお祭り当日。ネイ兄様とはまだ仲直りできてない。セタール先生のバイオリンのおけいこ…
「父様、ごめんなさい。ボクのせいで……」 「もう謝るな。確かにお前にも落ち度はあったが、今…
「兄様!」 父様にボクの絵を見てもらっていたんです。お部屋に帰ってきたネイ兄様にそう答え…
夏至のお祭りを来週に控えたある日のお昼過ぎ、父様に呼ばれてお仕事部屋のドアをノックする…
「立ち話も良いもんですが、とりあえず中にどうぞ。陛下には申し訳ねえですが、今年はうちの倅…
夏至のお祭りがどんどん近付いて来て、セタール先生のバイオリンのおけいこも一日中になった…
「……それで、何処まで話したか。確かナーストロイのお前が生まれた時までは話したな」 「はい……」 まだすんすんと鼻を鳴らすボクの背中をなでながら父様は、お父さんは話し続ける。ナーストロイのボクが生まれた時のお話。 「クロテイルが産気づいた時も私は仕事でな、アジェンから……ばあやから四人目の子が生まれたと聞いたんだ。お前が生まれる瞬間には立ち会えなかったがそれでも良い、無事に母の腹より生まれ出でたのだから。そうして、生まれたばかりのお前をこの腕に抱いた。既に三人の我が子
「父様、リュートです」 「どうぞ、お入りください」 アサラトにドアを開けてもらって、父様の…
「ねえ、リュート」 もう何度目かわからない、ネイ兄様のお部屋にお泊まりのある日。いつもみ…
週に一度のバイオリンのおけいこが夏至のお祭りのために二回になって、セタール先生も週に二…
「あら? リュート様、何かご用ですか?」 「ベルリラ。えへへ、お腹すいちゃって」 「もうすぐ…
自分用のバイオリンをもらって二回目の、セタール先生のバイオリンのおけいこ中。ネイ兄様の…
お昼ご飯の後は兄様のバイオリンのおけいこ、ほいくえんで使ったけんばんハーモニカよりもむ…
「お久しぶりです、リュート殿下」 「お、お久しぶりです……」 ネイ兄様にお勉強を教えているセタール先生は、とても怖そうな人だった。じいやもサクソルンも怖いけど、二人は怒ったら怖い人。セタール先生は怒らなくても怖い。おうちの近所に住んでる大きなお兄ちゃんたちみたいに近寄りにくい、って言うのかな。そんな感じの人。兄様が普通に話せてるってことは怖くない人なんだろうけど、顔を知っているくらいの人だからやっぱり怖いな。 「セタール先生、今日は何を勉強するの?」 「本日は前回の