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【学級経営のツボ】ビジョンと価値でクラスを成長させる

知っトク!学級経営②

1はじめに


経営とは、

「事業目的を達成するために、継続的・計画的に意思決定を行って実行に移し、事業を管理・遂行すること。また、そのための組織体。」

goo 国語辞書

学級経営とは
「クラスが学びの集団として成立するよう、担任が、継続的・計画的に意思決定を実行し、クラスを運営していくこと」
でした。

詳しくはこちらをご覧ください↓

さて今回は、学級経営において、私自身が大切にしていることについてお話していきたいと思います。
それが学級経営の肝となっています。
新年度準備をするにあたって一番重要です。
学級開きまでにしっかりと学級経営とは何かをおさえておきましょう。

学級経営において一番大切なことは、「ゴールの設定」です。
たとえば登山を考え下さい。登山のゴールがなかったら、どこの山に登るのかさえも決まらないのです。

学級経営のピラミッド図

学校の先生は学級の経営者です。新年度、自分が受け持ったクラスの子ども達が、1年後こうなってほしい、さらに言えばもっと大きくなってからこうなってほ しいという願いを持たない限り、学級の経営は始まりません。
その願いをもって、学級開きをしないといけません。

今回は、ゴールの設定、経営理念について話をしていきたいと思います。

2ゴールの設定

 個人ラーメン店の経営における目指すゴールは、
「こだわりのラーメン作りを通して利益を得ること」です。
素材にこだわり、借金してまでラーメンを作りを続けていたらいずれ破産するのが目に見えています。

では、学級経営において目指すゴールは、
「クラスを学びの集団として成立させること」でした。
簡単に言うと
「クラスを成長させること」
になります。
ただ、これだけだと、実際に4月から経営するといっても何をしたらよいのか定まりませんね。
この「クラスを成長させる」というゴールは誰にでもあてはまるものと考えていただけるとよいかと思います。クラスを成長させない先生なんていませんよね。

学校の先生は、学級の経営者です。自分が受け持ったクラスの子ども達には「1年後こうなってほしい」という具体的な児童像もあわせて考えない限り、経営は始まらないのです。

クラスを成長させる+児童像=自分のゴール

つまり、クラスを成長させるために、具体的にどんな子どもに育てていくのかが決まれば、それが自分のゴールとなるのです。

今後、具体例も必要になるので、
「相手を大切にする子になってほしい」
というゴールを設定できたとしましょう。

しかしながら、
初任の先生は、その児童像を明確に設定しないまま(事前に準備していない限り、実際にはそんな時間もありません…)、学級担任をしている場合がほとんどです。新年度、仮に自分が受け持つ学年が何年生であったとしても、この児童像は変えない方がいいです。

3現状分析

ゴールを設定したら、自分が「今、どこにいるのか」という現状分析をします。
富士山の山頂を目指すにしても、あとどれくらい登ればよいのかわからぬまま登り続けるのと、分かった上で登るのとでは、精神的安心感がまるで違います。

今、自分がおかれている状況を把握することが大切なのです。自分は何年目なのか、講師の経験があるのか、得意な教科や苦手な教科は何か、などなど……。
世の中には、すばらしい先生がたくさんいます。追試してみたくなるような実践もSNSで見付けることも簡単にできます。

しかし、すぐれた実践を追試したからといって、必ずうまくいくとは限りません。自分の身の丈にあったものでないと、後で自分が苦しむことになります。そういう意味で自分を知ることは大切です。

4経営理念(ビジョンと価値)

次に、「どんな学級にしていきたいか」を考えます。これをビジョンと言います。
そして、「学級を経営するにあたって、自分は担任として何を大事にするか」を決めます。これが価値です。
この、ビジョンと価値を合わせたものが経営理念となります。

       ビジョン+価値=経営理念

ここでは、具体例がないと分かりにくいので、例として
「感謝の気持ち」「他者意識」「自分を大切にする」の3つの価値をもって「互いに助け合い、困ったことがあっても大丈夫と思えるような安心できるクラス」
を目指していくことにします。

まとめると、経営理念とは、
自分の打ち立てたゴールに向かうために、日々子供たちと向き合う中で、大切にしたい哲学(考え)なり、価値観、どんなクラスにしたいのかといった夢や理想、および教師としての使命感などのことです。
これらを学級開きで子どもたちに伝えていきます。

5まとめ

前回もお話したように、学級開きの日は決まっていて、さらにその開店までの準備期間がかなり短いです。そして学校が始まると、毎日の授業準備やテストや宿題の丸付けや校務分掌、保護者対応など、多様な事務作業に追われる日々を過ごします。

ですが、
理念は使わなければ意味がありません。文字通り宝の持ち腐れで終わります。経営理念をベースにクラスを見ると大きく4つに分けられます。

① 非在型:
文字通り経営理念のないクラスです。そんなことを考えるより、とにかく授業の準備を優先してしまいます。そもそも、理念など考えている余裕などありません。また、多少考える余裕はあるものの、クラスの成長、発展の原動力として経営理念の重要性に気付いていない人も同じです。気付いていなければ、作る気も起きませんので理念はありません。

② 装飾型:
4月の学級開きで伝えた後、教室の掲示板に飾っただけで、それでおしまい。これでは、ほとんど非在型と同じです。行動指針としては子ども達には理解されていないクラス。

③ なんとなく型:
これまでの経験から、経営のツボを理解し、先生自身の心の中になんとなくあるけど、発信ができてなく、見える形として明示されていないクラス。

④ 活用型:
理念に命を吹き込んで、学級経営上のツールとして使っているクラス。学校での、授業や生活上の判断の基礎となっていて、児童の価値判断や行動の基準にもなっているクラス。

やはり、活用型を目指していきたいですね。
とは言うものの、実際には、理念がなくてもクラスは経営できます。

ですが、

理念は、学級経営上の道具でなければいけないと考えます。理念を担任が100万回唱えたところで、子ども達が動くことはありません。
なぜ、その理念が必要なのかということを、子ども達に理解させることが大切です。
そうすれば、子ども達は自然と動き出し始めます。

そして、自分の創りあげた理念の基、成長した児童の姿を見付け、価値付けていけばよいのです。それをひたすら繰り返すことで、1年後、ゴールに到達することができます。

新年度準備として、一度作ってさえしまえば、あとは児童の実態に応じて活用していくことができます。

時間に余裕がある時に、ぜひ、ゴールや経営理念など考えてみてはいかがでしょうか

経営の教科書という本は、経営の基本がよくわかり、自分の学級経営を構築する際、参考にさせていただきました。↓

今回はこのへんまでにしておきます。
次回、経営目標について具体的に考察していきたいと思います。

少しでも参考になっていただけたら幸いです。


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