
【30分エッセイ】 趣味がない人だっている。
趣味がない人だっている。
あたしがそうだ。趣味がない。
世界を忘れて、一人没頭できるようなものがない。
そんな、趣味に憧れてきた。
かと思えば、世の中には多趣味の人だっている。
趣味のために生きているという雰囲気を漂わせて。
あたし、そんな人たちが羨しい。心の底から羨ましい。
「趣味がない人なんていないよ」と年下の先輩に言われたことがあった。
他の人にも言われた気がする。自分の行動をよくよく見つめれば、なにかしらの趣味が見つかるはずだと言っていた。でも、見当たらなかったんだよねえ……。
自分の1日のスケジュールを洗い出す。
朝起きて、歯を磨いて、日記を書く。
↓
仕事に行く。
移動時間はラジオを聴いたり、本を読んだり。
仕事中はなんにも出来ない。
↓
帰宅。
移動時間はラジオか読書。以上。
休みの日は、仕事時間に映画や演劇鑑賞が挟まってくるだけ。
あとはカフェで読書をしたりとか。ほんとにこれだけ。
趣味が見当たらない。
こんな人だっているんです。
あたし、全くの無趣味なんです。
読書も映画鑑賞も、あたしの思う趣味とは違う。
もっと、こう、アクティブじゃないと!
日常と少しだけ距離がないと!
登山をするとか、武道を習うとか!
ドライブ、ツーリング、神社、電車、園芸。
素敵な趣味を持ってる人はたくさんいるのに。
あたしには、その素質がない。
なんてったって、出不精なんだから。
これで、アクティブな友達がいれば、話は変わったのかも知れない。
無理やりにでも、キャンプとかに連れ出されたら世界が広がったかも知れない。
でも、そんな友達は一人もいません。しかも、そういう友達って、大人になってから見つけるの大変だよね。
あたしと同じように趣味のない友達もいた。
でも、その子は趣味というか、潔癖を発揮する子で、とにかく掃除に命をかけていた。掃除グッズを集めて、家はピカピカ。家で動画を見る時だって、掃除の動画とか、耳掃除の動画ばかり見てる変わった趣向を持っていた。
これも、立派な趣味だよね。
趣味、掃除。
地味だけど、あたしなんかより、よっぽどイケてる。
本人には自覚症状がなかったけど、あたしからしたら羨ましい。
たぶん、自分が思っている自分と、
他人が感じる自分って、かなりズレてる。
だから、一日中、あたしに密着してもらえたら、趣味というのが見つかるのかも知れない。自分を客観的に見てもらえたら。なにかが見つかるんじゃないかしら。でも、そんな話があるわけなくて、結局、自分で探すしかない。
そんなあたしですが、
やっと見つけました。趣味っぽいこと。
それが、文章をカタカタ打つということ。
これは世界を忘れるほど没頭できる。
面白いなって思ってます。
そういう意味では、趣味なのかも知れないなって!
ウマイとかヘタとかじゃない。
自分の世界。自分が楽しむ場所。まさに趣味。まさにこの時間。
実際に文字を書いているわけではないんだけど、だからインクの匂いもしないし、手も汚れないんだけど。こうして、ありのままに文字を入力する時間は楽しいな!
これを趣味って言ってしまおう!
だってさ、世の中には文字を入力するのですら煩わしいと感じる人だっているんだから。あたしが、スポーツ観戦に興味がないのと同じでね。たぶん、趣味ってそういうこと。
もちろん、読書や映画鑑賞、演劇鑑賞も立派な趣味だよ。
でも、なんか普通じゃん。
そっか、そう考えたら「趣味・文章を書く」はヘンだなぁ。
しっくりこないなあ。執筆、って感じでもないし。
「趣味・note」もなんか違う。
なんだよ、めんどくせぇな、あたし。
結局のところ、アクティブな趣味に憧れてるってだけだろう。
どうして、こんな性格になってしまったんだろう。
どこでつまずいてしまったんだろう。なんの影響を受けてきたんだろう。
そんなことを、考えさせられてしまいます。
文字にすると、あたしの考えてることって、ほんとにチープ。
しょうもない。からっぽ丸出しの文章。
よく、こんなんで「文章書くのが好き!」とか言えるよね。
その神経が分からない。もう一人の自分が過激なまでに怒ってます。
ごめんなさい。
趣味が欲しい。
趣味を作るために、「好きなる」ことをテーマにしようと思う。
待っていても趣味は始まらない。
自分の好きなもの探し、だもんね。趣味って。
好きなろう、好きになろう!
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