川上弘美「物語が、始まる」は何故グッとくるのか? 第一夜
第一夜 はじめに
上には上がいるのでこんなことは畏れ多くて言えないのですが、蛮勇を振るって言うと、わたしは昔から本が好きで、そこそこの数の本を読んできました。
今も家には溜まった積ん読が常にスタンバイしていて、しばらく前からもう読むものには困っていません。
少しでも住環境をよくするために(読んだ本を片っ端から処分するために)次から次へと読書をこなしていきたいという欲望がある一方、そんな狂騒状態を一旦お休みにして昔読んだ名作をもう一回読み返すこともあります。
なかでも