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航西日記(3)
著:渋沢栄一・杉浦譲
訳:大江志乃夫
慶応三年正月十三日(1867年2月17日)
雨。
風は、西に変わった。
午前十一時、土井个崎(都井岬)を右手に見て、鹿児島湾を過ぎた。
名にし負う、開聞岳も、煙霧にかすんで、はっきり見えず、時々、その一部が見えるだけで、御国の影は、だんだんかすんで、見えなくなっていく。
あたかも、大船のともづなを切りはなって行くという言葉のように、心は雄々しいながらも、なんとなく、残る波が、心惜しいような気がする。
著:渋沢栄一・杉浦譲
訳:大江志乃夫
雨。
風は、西に変わった。
午前十一時、土井个崎(都井岬)を右手に見て、鹿児島湾を過ぎた。
名にし負う、開聞岳も、煙霧にかすんで、はっきり見えず、時々、その一部が見えるだけで、御国の影は、だんだんかすんで、見えなくなっていく。
あたかも、大船のともづなを切りはなって行くという言葉のように、心は雄々しいながらも、なんとなく、残る波が、心惜しいような気がする。