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JW507 皇女の雨宿り
【垂仁天皇編】エピソード36 皇女の雨宿り
第十一代天皇、垂仁天皇(すいにんてんのう)の御世。
紀元前16年、皇紀645年(垂仁天皇14)のある日のこと。
天照大神(あまてらすおおみかみ)(以下、アマ)が、遷座(せんざ)を宣言。
御杖代(みつえしろ)の倭姫(やまとひめ)(以下、ワッコ)は、三人の従者と共に解説をおこなうのであった。
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三人の従者とは、すなわち、采女(うねめ)の香刀比売(かとひめ)(以下、カット)。
大称奈(おおねな)(以下、ねな)。
「ねな」の弟、大荒(おおあら)(以下、アララ)である。
アマ「・・・ということで、此度(こたび)の宮の名は、中嶋宮(なかしま・のみや)であるぞ。喜べ!」
ワッコ「喜ぶ要素が、どこに有ったのか、全く分かりませぬが、何処(いずこ)に遷(うつ)られるのです?」
アマ「うむ。次は、尾張国(おわり・のくに)に向おうと思う。二千年後の愛知県西部であるぞ。」
カット「では、早速、参りましょう。」
するとそこに、神大根王(かむのおおね・のきみ)(以下、ノーネ)がやって来た。
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ノーネ「お久しぶりの『ワッコ』! 我(われ)は三野後国造(みのの・みちのしりの・くにのみやつこ)!」
ワッコ「えっ? 伯父上? 如何(いかが)なされたのです?」
ノーネ「『倭姫命世記(やまとひめのみこと・せいき)』に、美濃国造が登場! 我(われ)が代わって登場! そして、今回は船旅! 船を提供! 舎人(とねり)提供! 市主(いちぬし)を提供!」
市主「お初にお目にかかりまする。市主にござりまする。」
ワッコ「か・・・かたじけのうござりまする。舎人とは、男の従者のことですね? されど、此度は船旅だったのですか?」
ノーネ「その通り! 川が有るゆえ、船が有るゆえ!」
カット「で・・・では、改めて、参りましょう。」
こうして一行は、尾張国に向かったのであったが・・・。
ねな「ちょっと! これは、どういうことよ!」
ワッコ「如何(いかが)したのじゃ?」
カット「尾張に向かっている途上で、大雨に遭(あ)い、しばらく留(とど)まらねばならなくなりました・・・。」
ワッコ「雨宿り? もしや、それによって、何かが起こったのではあるまいな?」
市主「左様。留まりし地が、豊受神社(とようけじんじゃ)となりもうした。」
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ワッコ「まさかの神社解説・・・。」
ねな「仕方ないでしょ。建っちゃったんだから・・・。」
アララ「あらら・・・。そういうことになっちゃった。」
カット「ところで、何処に建ったのです?」
市主「岐阜県瑞穂市(みずほし)の生津(なまづ)にござる。」
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ねな「鎮座地(ちんざち)の地名を詳しく言うと、生津字森下(なまづ・あざ・もりした)になるんだけど、森の下で雨宿りしたからだと言われてるわ。」
市主「左様。して、外宮(げくう)である、豊受神社が建ったということは?」
ワッコ「た・・・建ったということは? も・・・もしや、内宮(ないくう)も建ったのか?」
市主「左様。瑞穂市の生津内宮町(なまづ・ないぐうまち)に神明神社(しんめいじんじゃ)が鎮座しておりまする。」
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ねな「これを生津の内宮・外宮と呼ぶのよ。」
アララ「あらら・・・。そういうことになっちゃった。」
するとそこに、再び「ノーネ」がやって来た。
ノーネ「再びの登場! 船旅の再開!」
ワッコ「つ・・・次は、如何なされたのです?」
ノーネ「『倭姫命世記』に、美濃県主(みの・のあがたぬし)という男が登場! 我(われ)が代わりに登場! 船を二艘(にそう)献上! 采女の忍比売(おしひめ)こと『おしん』を提供!」
おしん「お初にお目にかかります。おら、なんでもやるから、なんでも言ってけろ。」
ワッコ「そ・・・そうか・・・。とりあえず、早く尾張に向おうではないか・・・。」
こうして、尾張に辿り着けなかったのであった。
つづく