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JW382 御肇国天皇
【崇神改革編】エピソード9 御肇国天皇
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
ここは、吉備国(きび・のくに)。
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大吉備津日子(おおきびつひこ)(以下、芹彦(せりひこ))と高田姫(たかだひめ)(以下、たか)夫妻の元に、一人の女人が来訪していた。
その人物とは、芹彦の娘、包媛(かねひめ)(以下、カネ)である。
若日子建吉備津日子(わかひこたけ・きびつひこ)(以下、タケ)と、タケの子、武彦(たけひこ)(以下、たっちゃん)も加わり、解説をおこなうのであった。
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芹彦「そして、天下泰平というわけじゃな?! 良きかな!」
高らかに笑う芹彦。
そこへ、吉備の住人、遣霊彦(やりたまひこ)(以下、ジョン)とヨーコが乱入してきた。
ジョン「何が『良きかな』だよ!」
ヨーコ「全然、良くないわよ!」
芹彦「ん? なにゆえじゃ?!」
ジョン「おまえ、何、言ってんだよ。温羅(うら)の首塚は、どうするんだ?!」
ヨーコ「エピソード358以来、ずっと唸(うな)りっぱなしなのよ!」
カネ「あ・・・あの? ジョン殿とヨーコ殿ですか?」
ジョン「ん? 誰だ?」
芹彦「それがしの娘、カネじゃ!」
ジョン「おお! 芹彦の娘かぁ! よろしくな!」
ヨーコ「あら、美人さんねぇ!」
カネ「ところで、唸りっぱなしというのは?」
タケ「ここに来る道中、聞かなかったか?」
たっちゃん「ウリ、ウラ、ウリ、ウラ・・・という、不気味な音じゃ。」
カネ「ああ・・・。てっきり、どこかの邑(むら)で、祭りをしているのかと・・・。」
たか「そ・・・そう聞こえました?」
芹彦「とにかく、慣(な)れるほかあるまい!」
ジョン「残念だぜ。世間じゃ、今の大王(おおきみ)を御肇国天皇(はつくにしらす・の・すめらみこと)とか呼んでるが、首、一つ、どうにも出来ないんだからなぁ・・・。」
芹彦「御肇国天皇?! それは、狭野尊(さの・のみこと)大先生の称号ぞ?! 聞き間違いではないのか?!」
たっちゃん「伯父上? 初代、神武天皇(じんむてんのう)とは、言えぬのですか?」
タケ「まあ、学者の中には、同一人物ではないかと申す者や、特定の者を指すのではなく、単なる称号に過ぎないと申す者もいるようじゃな・・・。」
カネ「伯父上? どちらにしても、温羅の首塚は、ずっと唸っているのですね?」
タケ「うむ。どうにもならん・・・。」
ヨーコ「カネさん? 大王に伝えてくれない? 首、なんとかしてって・・・。」
カネ「わ・・・分かりました。」
こうして、吉備での解説は、つつがなく終わったのであった。
つづく