
JW402 さよなら丹波
【崇神改革編】エピソード29 さよなら丹波
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
天照大神(あまてらすおおみかみ)(以下、アマ)が、丹波(たにわ:現在の京都府北部)の吉佐宮(よさ・のみや)に鎮座(ちんざ)して、四年の歳月が流れた。
すなわち、紀元前55年、皇紀606年(崇神天皇43)。
丹波で、一大事が起こっていた。

アマ「わらわは、思うところあって、国中(くんなか:奈良盆地のこと)に戻ることにした。」
それを聞いて、豊鍬入姫(とよすきいりひめ)(以下、きぃ)が、驚きの声を上げる。
きぃ「なっ! なにゆえにございます? ここが良いと、申されておられたではありませぬか。」
アマ「四年過ごす中で、少しずつ、何かが違うと感じ始めたのじゃ。」
きぃ「な・・・何かとは?」
アマ「分からぬ。それゆえ、一度、国中に戻り、頭を冷やそうと思う。」
こうして「きぃ」は、丹波から国中に戻ることとなった。
丹波の一行が見送ったのは、言うまでもない。
すなわち、彦坐王(ひこいます・のきみ)(以下、イマス)。
イマスの息子、丹波道主王(たにわのみちぬし・のきみ)(以下、ミッチー)。
ミッチーの妻、河上摩須郎女(かわかみのますのいらつめ)(以下、マス子)。
そして、御食事担当の豊受大神(とようけのおおかみ)(以下、とよよん)である。

イマス「名残惜しいが、致し方ないのう。」
とよよん「あちしは、すごく悲しいのよん!」
きぃ「みなさま、これまで、本当にお世話になりました。」
マス子「それじゃあ、お世話ついでに、私と旦那様の娘たちを紹介させてもらいましょうかね。」
きぃ「あっ・・・まだ、登場してなかったのですね。」
マス子「そうなのよぉ。では紹介します。日葉酢媛(ひばすひめ)こと『ひばり』ちゃんですよ。」
ひばり「きぃさま。また、遊びに来てくださいね。」
マス子「続きまして、二人目は、真砥野媛(まとのひめ)こと『マー』ちゃんにございますよ。」
マー「きぃさま。お達者で・・・。」
ミッチー「二人だけではなかろう?」
マス子「えっ? せやけど、うちが産んだと『古事記(こじき)』が書いてるのは、二人だけなんですよ? 勝手なことしたら、あかんのとちゃいますか?」
ミッチー「マス子・・・。それがしが、汝(なれ)以外の妃を持つと思うか?」
マス子「だ・・・旦那様・・・(〃▽〃)ポッ。」
きぃ・イマス・とよよん「・・・・・・(;^_^A」×3
マス子「では紹介します。渟葉田瓊入媛(ぬばたにいりひめ)こと『バタ子』ですよ。」
バタ子「きぃさま。道中、お気をつけて・・・。」
マス子「続きまして、薊瓊入媛(あざみにいりひめ)こと『あざみ』ですよ。」
あざみ「きぃさまとお別れだなんて・・・。寂しくなりまする・・・。」
マス子「続きまして、竹野媛(たかのひめ)こと『たかのん』ですよ。」
たかのん「うちも、国中に行きたいなぁ。」

こうして、ミッチーとマス子の娘を紹介することが出来たのであった。
つづく