JW393 身内が治める地
【崇神改革編】エピソード20 身内が治める地
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
すなわち、紀元前59年、皇紀602年(崇神天皇39)。
天照大神(あまてらすおおみかみ)(以下、アマ)が、引っ越しを要望。
御杖代(みつえしろ)の豊鍬入姫(とよすきいりひめ)(以下、きぃ)は、新たな鎮座地(ちんざち)を探すため、笠縫邑(かさぬい・のむら)を出立したのであった。
きぃ「笠縫邑については、エピソード253から、エピソード256にて解説しております。」
アマ「うむ。諸説有りなのじゃ。」
きぃ「ところで、アマ様・・・。御杖代(みつえしろ)とは、どういう意にございますか?」
アマ「杖の代わり・・・ということで、神や大王(おおきみ)に奉仕する者を指す言の葉じゃ。」
きぃ「なるほど・・・。では、私は、アマ様の杖。此度(こたび)の旅に相応(ふさわ)しい言の葉にございますね。」
アマ「別に、此度の旅から名付けられたわけではないぞ。古(いにいえ)より、そう言われておる。」
きぃ「では、私が、アマ様に、お仕えするようになった時も、そう呼ばれていたのでございますか?」
アマ「その通りじゃ。作者が、うっかり解説を忘れておったゆえ、このような流れとなってしもうたのじゃ。」
きぃ「な・・・なるほど・・・(;^_^A)。」
アマ「それより『きぃ』よ。わらわたちは、何処(いずこ)に参るのじゃ?」
きぃ「闇雲に進んでも、仕方がありませぬので、身内のいる丹波(たにわ:現在の京都府北部)に向おうと思っておりまする。」
アマ「丹波・・・。彦坐王(ひこいます・のきみ)こと『イマス』が治める地じゃな?」
きぃ「左様にございます。」
こうして「きぃ」たちは、丹波へと向かった。
当然、イマスたちが出迎えた。
そこには、イマスの息子、丹波道主王(たにわのみちぬし・のきみ)(以下、ミッチー)。
ミッチーの妻、河上摩須郎女(かわかみのますのいらつめ)(以下、マス子)の姿もある。
イマス「これは、これは、きぃ様。遥々(はるばる)の来訪、恐悦至極(きょうえつ・しごく)に存じ申し上げ奉(たてまつ)りまする。」
きぃ「叔父上。そのような堅苦しい挨拶(あいさつ)は、おやめくださいませ。」
イマス「そういうわけにもいかぬであろう? 汝(いまし)は、アマ様に、お仕えする身・・・。」
ミッチー「父上の申される通りじゃ。昔のように『きぃ』と呼び捨てには出来ぬぞ。」
きぃ「されど・・・。」
マス子「ところで『きぃ』様。困ったことが有ったら、気兼ねなく、何でも、うちに言うてくださいね。」
きぃ「マス子殿・・・。かたじけのうございます。」
ミッチー「では早速、丹波の隅から隅まで、案内(あない)致そうではないか!」
丹波に、アマ様の求める地は有るのであろうか・・・。
次回につづく