JW359 桃太郎と吉備津彦
【桃太郎編】エピソード29 桃太郎と吉備津彦
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
吉備(きび:現在の岡山県と広島県東部)では、温羅(うら)が暴れまわっていた。
鎮圧の命を受けたのは、大吉備津日子(おおきびつひこ)(以下、芹彦)と若日子建吉備津日子(わかひこたけ・きびつひこ)(以下、タケ)。
一行は、ついに、温羅を降伏させた。
そして、温羅は、首を刎(は)ねられたのであったが・・・。
温羅(首)「ウリ、ウラ、ウリ、ウラ・・・。」
芹彦「なっ! 首を刎ねたにも関わらず、唸(うな)り始めたぞ!」
ジュリアン「これは、どういうことじゃ?!」
芹彦「よし! 犬! 汝(なれ)が飼っている犬に喰わせろ!」
犬「かしこまりもうした!」
こうして、犬飼建(いぬかいたける)の犬に喰わせ、髑髏(どくろ)となったのであるが・・・。
温羅(髑髏)「ウリ、ウラ、ウリ、ウラ・・・。」
タケ「収まらぬではないか!」
芹彦「くっ! こうなれば、埋めてくれよう!」
たか「こうして、温羅の首塚が出来ました。岡山市の北区首部(きたく・こうべ)にある、白山神社(はくさんじんじゃ)と言われておりまする。」
温羅(首塚)「ウリ、ウラ、ウリ、ウラ・・・。」
ヨーコ「収まらないんだけど・・・。」
芹彦「よし! こうなったら!」
オーイナ「どうなされるんじゃ?」
芹彦「無視する!」
ジョン「それで、いいのか!?」
芹彦「致し方あるまい!」
トメ「とにかく、温羅平定の物語が、のちの桃太郎の物語になったと言われてるんですよね?」
芹彦「その通りじゃ! 犬が、犬飼建! 猿(さる)が、楽楽森彦(ささもりひこ)! 雉(きじ)が留玉臣(とめたまおみ)と言われておる!」
たっちゃん「エピソード336では、黍団子(きびだんご)も食べておりまするし、関連性は、強うござりまするな・・・。」
サモリ「小生(しょうせい)が、猿ということだけ、納得出来ないんですけどねぇ。」
オーイナ「何を言うとるんじゃ! わしは、伝承に登場するキャラでありながら、家来に含まれとらんのじゃぞ!? こちらからすれば、羨(うらや)ましい限りじゃ!」
ショーン「わしなんか、オリジナルのキャラじゃけぇ、加わることも出来んのじゃぞ!」
タケ「そんな話をしている時では、あるまい。それよりも、これから、どうするのじゃ?」
芹彦「うむ。西に向かおうと思う。」
たか「温羅の首塚は、そのままに、しておかれるのですか?」
芹彦「伝承紹介を優先することにした!」
こうして、温羅の首塚を放置し、芹彦たちは、西へと向かったのであった。
つづく