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JW347 鯉と鵜と
【桃太郎編】エピソード17 鯉と鵜と
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
吉備(きび:現在の岡山県と広島県東部)では、温羅(うら)が暴れまわっていた。
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鎮圧の使命を受けたのは、彦五十狭芹彦(ひこいさせりひこ)(以下、芹彦)と稚武彦(わかたけひこ)(以下、タケ)。
一行は夜襲をしかけ、夜目主(やめのぬし)(以下、ヤメ父)と夜目丸(やめまる)(以下、ヤメ子)の父子が討ち取られるが、ついには、敵を敗走させることに成功したのであった。
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たっちゃん「追い討ちじゃ! ヤメ父とヤメ子の敵(かたき)を取るのじゃ!」
ヤマト・吉備連合軍のみなさん「おお!」×多数
温羅「ちぃ! こうなったら、ウリ(私)も逃げるハセヨ!」
芹彦「待てぃ!」
温羅「待てと言われて、待ったヤツは、一人もいないハセヨ!」
タケ「皆の衆! 必ず仕留めるぞ!」
戦いは、追撃戦へと移行。
そして、気が付けば、両軍とも、海岸線に達していたのであった。
温羅「なかなか、しぶとい奴らニダ・・・。」
トメ「追いついたぞ! 覚悟しろ! 温羅!」
トメが、温羅に組み付く。
その勢いのまま、海中に転落する二人。
温羅「離せっ。離すニダ!」
トメ「離すものか!」
温羅「こうなったら、奥の手を使うしか無いハセヨ・・・。変化(へんげ)の術!」
ドロン!
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トメ「なんだ?! 温羅が、いきなり鯉(こい)になったぞ?!」
温羅(鯉)「アニョンヒケェセェヨォォ(さようなら)!!」
トメ「こうなったら、僕も! 変化の術!」
ドロン!
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温羅(鯉)「ええぇぇ!? 鵜(う)になるだなんて、聞いてないハセヨ!」
トメ(鵜)「聞いてない、汝(なびと)が悪い! 覚悟ぉぉ!」
オーイナ「あっ! トメが、温羅を捕まえたぞ!」
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ジョン「捕まえただけじゃないぜ! トドメも刺(さ)しちまった!」
トメ(鵜)「敵将! 討ち取ったりぃぃ!」
芹彦「おお! 見事じゃ! トメ!」
温羅「本当に見事ニダ。感服ハセヨ!」
芹彦「なっ!? なにゆえ、汝(なびと)が生きておる?!」
温羅「ウリの伝承は、この伝承だけでは無いニダ。そういうわけで、まだ、死ぬわけにはいかないハセヨ! ということで、アニョンヒケェセェヨォォ(さようなら)!!」
トメ(鵜)「そ・・・そんなぁ・・・(*´Д`*)。」
芹彦「ちぃ・・・。決着を付けられぬとは・・・。」
逃げていった温羅。
戦いは、まだまだ続く。