JW361 造船所の木
【桃太郎編】エピソード31 造船所の木
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
吉備(きび:現在の岡山県と広島県東部)の西の地域を進む一行。
大吉備津日子(おおきびつひこ)(以下、芹彦)と若日子建吉備津日子(わかひこたけ・きびつひこ)(以下、タケ)は、船路を行くのであった。
タケ「して、何処(いずこ)に上陸したのじゃ?」
芹彦「まあ、待て。そのまえに、杖(つえ)を刺そうぞ!」
トメ「するとたちまち、芽を吹いて・・・。」
犬「あっという間に、大樹となりもうした。」
サモリ「これが、艮神社(うしとらじんじゃ)の境内にある、ウバメカシなんですねぇ。」
タケ「そうか・・・。上陸した地は、艮神社になったのじゃな・・・。」
ジョン「それで、二千年後の地名は、何処(どこ)になるんだ?」
オーイナ「広島県尾道市(おのみちし)の山波町(さんばちょう)じゃ。」
ヨーコ「ちょっと待ちなさいよ! 二千年後の地図を見ても、ウバメカシなんて、見当たらないんだけど!」
たか「まことですね・・・。これは、どういうことにござりまする?」
オーイナ「別の場所に移ったのじゃ。」
ショーン「なんでじゃ?」
サモリ「海辺ということもあって、生育環境が悪くてですねぇ・・・。まあ、移そうってことになったんですな。」
ジュリアン「それで、そこは何処なんじゃ?」
トメ「尾道造船所(おのみち・ぞうせんじょ)って、言った方が、分かりやすいんじゃないかな。」
たっちゃん「造船所?」
犬「造船所内に鎮座(ちんざ)しておるのじゃ。」
芹彦「左様! そして、そこには、吉備津彦神社(きびつひこじんじゃ)が建っておるぞ!」
オーイナ「神社と言うても、小さな祠(ほこら)が有るだけなんじゃけどな・・・。」
芹彦「何を言うておるのじゃ! 小さくとも、社は、社ぞ!」
オーイナ「す・・・すみませぬ。」
タケ「して、これで、全ての紹介が済んだのじゃな?」
芹彦「うむ。温羅(うら)の首を除いては、平穏無事となったわけじゃ!」
ジョン「忘れてたぜ・・・。あいつの首塚は、どうすんだ?」
ヨーコ「ずっと唸(うな)りっぱなしなのよ?」
芹彦「うむぅぅぅぅ。慣れるほか、ないのではないか?!」
ジュリアン「何を言うとるんじゃ!」
たか「慣れる自信がありませぬ・・・(´;ω;`)ウッ…。」
芹彦「皆で慣れれば、怖くなかろう!?」
女の声「あのう・・・。御取込中、申し訳ないんじゃけど・・・。」
唐突な女の声。
一体、何者であろうか?
次回につづく
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