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JW404 伊豆加志本宮
【崇神改革編】エピソード31 伊豆加志本宮
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
紀元前55年、皇紀606年(崇神天皇43)。
天照大神(あまてらすおおみかみ)(以下、アマ)が、国中(くんなか:奈良盆地のこと)に戻ってきた。
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宮の名は、伊豆加志本宮(いつかしのもと・のみや)。
豊鍬入姫(とよすきいりひめ)(以下、きぃ)が、候補地の解説をおこない、以下の三名が、合いの手を請け負う。
すなわち、崇神天皇こと、御間城入彦五十瓊殖尊(みまきいりひこいにえ・のみこと)(以下、ミマキ)。
ミマキの妃で「きぃ」の母、遠津年魚眼眼妙媛(とおつあゆめまぐわしひめ)(以下、アユ)。
同母兄の豊城入彦(とよきいりひこ)(以下、トッティ)である。
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ミマキ「他に候補地は有るのか?」
きぃ「はい。次に紹介するのは、長谷山口坐神社(はせやまぐちに・いますじんじゃ)にございます。鎮座地(ちんざち)は、奈良県桜井市(さくらいし)の初瀬(はせ)にございます。」
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アユ「でも、祭神は、山の神様の大山祇神(おおやまづみ・のかみ)になってるわよ。」
トッティ「あと、天岩戸(あまのいわと)で、岩戸をこじ開けた、天手力男神(あめのたぢからお・のかみ)が合祀(ごうし)されてるっぺ。」
ミマキ「ふむ。天手力男神だけが、ギリギリ、アマ様と関わりが有るのか・・・。」
きぃ「こ・・・これも、ロマン?」
ミマキ「して、『きぃ』よ。これで全てか?」
きぃ「あともう一つ、有りまする。それは・・・。」
ミマキ・アユ・トッティ「それは?」×3
きぃ「長谷寺(はせでら)にございます。」
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ミマキ・アユ・トッティ「はぁぁぁ?!」×3
きぃ「驚かれるのも、致し方なきことなれど、そう言われているのです。」
ミマキ「されど、寺と申せば、後の世に入ってくる神の社(やしろ)であろう?」
トッティ「大王(おおきみ)。神じゃないっぺよ。仏(ほとけ)だっぺ。」
アユ「それで、長谷寺っていうのは、何処(どこ)に鎮座してるの? って言うか、鎮座って言うべきなの?」
きぃ「長谷寺も、桜井市の初瀬にございます。」
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アユ「全部、初瀬なのね? いいじゃない。そんなに遠くないから、そこでもいいわよ。」
ミマキ「なにゆえ、汝(なれ)が決めておるのじゃ!」
とにもかくにも、アマ様は、伊豆加志本宮に鎮座することになったのであった。
そして、しばらくの時が流れた。
そんなある日・・・。
ミマキは夢を見た。
ある神が現れたのである。
ミマキ「うっ・・・。これは悪夢? それとも吉夢?」
ある神「わしか? わしは国之常立神(くにのとこたちのかみ)じゃ。『とこた』と呼びなさい。」
ミマキ「と・・・とこた様? 現れて、すぐに身を隠した神にござりまするな? たしか・・・神世七代(かみのよななよ)の一柱(ひとはしら)・・・。」
とこた「神世七代(しんせいななだい)とも言うぞ。」
唐突に現れた神。
一体、どういうことであろうか?
次回につづく