JW355 嵐山の戦い
【桃太郎編】エピソード25 嵐山の戦い
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
吉備(きび:現在の岡山県と広島県東部)では、温羅(うら)が暴れまわっていた。
鎮圧の命を受けたのは、彦五十狭芹彦(ひこいさせりひこ)(以下、芹彦)と稚武彦(わかたけひこ)(以下、タケ)。
一行は、鬼ヶ嶽(おにがたけ)に陣取る温羅軍を攻撃。
そして、温羅軍の回復手段である温泉を、冷泉に変えたのであった。
男の声「今宵(こよい)の出で湯は、末期(まつご)の出で湯よ・・・。」
温羅「なっ! 何奴(なにやつ)?!」
そこに現れた人物。
言うまでもないが、念のため、言っておこう。
芹彦である。
温羅「あっ! ノォ(おまえ)は、芹彦!」
芹彦「ひとつ、人の世、生き血をすすり・・・。ふたつ、不埒(ふらち)な悪行三昧(あくぎょうざんまい)・・・。みっつ、醜(みにく)い、浮き世の鬼を・・・。退治(たいじ)てくれよぉ。も・も・た・ろ・おぅ!」
犬「よっ! さすがは、皇子(みこ)!」
トメ「待ってました!」
サモリ「伝承に無い展開、やっちゃって、いいんですかねぇ?」
温羅「良くないニダ! こっちは、裸(はだか)ハセヨ! 卑怯(ひきょう)ニダ!」
芹彦「卑怯に非(あら)ず! 観念(かんねん)しろぃ!」
温羅「お断りニダ! 野郎ども! 逃げるハセヨ!」
芹彦「待てぃ! そこの鬼! 待てぃ!」
こうして、温羅軍は逃げ去り、嵐山(あらしやま)の西に位置する山に拠点を移したのであった。
ジョン「嵐山って、京都の嵐山か?」
タケ「いや、そうではない。岡山県矢掛町(やかげちょう)に有る山じゃ。」
ショーン「紛(まぎ)らわしいのう。」
ヨーコ「何、言ってんのよ、ショーン! 春には桜、秋には紅葉が楽しめる公園になってるのよ。」
ショーン「わしらの時代には、無いじゃろ?」
芹彦「ともかく、それがしたちは、嵐山の東に位置する山に陣取ろうぞ!」
たか「西とか、東とか・・・。これらの山には、名が付いておらぬのですか?」
芹彦「残念じゃが、付いておらぬ!」
こうして、嵐山を挟んでの戦いが始まった。
オーイナ「逃げる奴は、温羅軍じゃ! 向かってくる奴は、鍛錬(たんれん)を積(つ)んだ温羅軍じゃ!」
温羅「ウリ(私)に勝てると思っているニカ!? 笑止千万(しょうしせんばん)ニダ!」
芹彦「何をぉぉ・・・。それがしの矢! 受けてみよ! とぉ!」
しかし、芹彦の矢は、温羅まで届かず、松の木に引っかかってしまった。
温羅「何をやっているニダ! そんな、へなちょこな矢では、ウリを倒せないハセヨ!」
激しい戦いは続く。
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