JW385 人物が違う
【崇神改革編】エピソード12 人物が違う
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
紀元前74年、皇紀587年(崇神天皇24)のある日・・・。
ここは、吉備国(きび・のくに:現在の岡山県と広島県東部)。
唸(うな)りつづける温羅(うら)の首塚。
解決する前に、二つのバージョンが有ると、タケが語るのであった。
タケ「此度(こたび)のこと、二つの伝承が入り乱れたことによるモノじゃ。」
たっちゃん「モモ伯母上が解決したバージョンと、芹彦伯父上が解決したバージョンが有るのでござる。」
ジョン「おいおい、たっちゃん。冗談は、ほどほどにしてくれよ。解決方法が、二通りも有るって言うのか?」
たっちゃん「いえ、解決方法は同じにござりまする。」
ジュリアン「ん? たっちゃん? 解決する人物が違うだけ・・・ということか?」
タケ「そういうことじゃ。モモは『記紀(きき)』の伝承では、エピソード291の箸墓伝説(はしはか・でんせつ)で死んだことになっておるであろう?」
モモ「なるほど・・・私が生きてるバージョンでは、私の神通力(じんつうりき)で解決出来るけど、死んじゃってるバージョンでは、それが出来ない・・・。」
ヨーコ「それで、モモ様の代わりに、芹彦が解決しちゃうのね?」
芹彦「さ・・・されど、それがしには神通力など無いぞ?!」
たっちゃん「伯父上の場合は、夢を見ることで解決に至りまする。」
カネ「でも、たっちゃん? 十三年も時が掛かったのは、なにゆえです?」
タケ「芹彦が夢を見たのが、十三年後となっておるのじゃ。」
犬「なるほど・・・。モモ様なら、十三年も要(い)らぬ。あっという間に、解決出来るな・・・。」
モモ「さすが、犬! そうよ! 私なら、造作(ぞうさ)もないことなんだから!」
オーイナ「ほんなら(それなら)、この物語は、芹彦様の十三年後の話と、モモ様の話が、混在しとるってことか?」
ミマキ「そういうことになるのう・・・。」
たか「では、みなさん。謎解きも済んだことですし、そろそろ、唸り声を鎮(しず)めませぬか?」
モモ「たかちゃんの言う通りね。早速、始めましょ。」
ミマキ「して、首塚は、二千年後の何処(いずこ)に有るのじゃ?」
サモリ「岡山県岡山市の北区首部(きたく・こうべ)にある、白山神社(はくさんじんじゃ)の境内ですよ。」
温羅の首塚「ウリ、ウラ、ウリ、ウッ・・・。ゴホン! ウリ、ウラ、ウリ・・・。」
芹彦「時折、咳き込む設定になっておるのじゃ!」
ショーン「芹彦様! そういうのは、要らんけぇ(いらないから)!」
モモ「じゃ・・・じゃあ、場所の『おさらい』も出来たところで、さっさと、始めちゃうわよ!」
トメ「モモ様の神通力・・・。この目で見る日が来ようとは・・・。」
モモ「天に生かれし神々よ。私に力を与え給え・・・。天地にあまねく神々よ。ここに奇跡を起こし給え・・・。ハッ!」
ついに、問題が解決されるのであろうか。
つづく
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