JW338 暴風一過
【桃太郎編】エピソード8 暴風一過
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
吉備(きび:現在の岡山県と広島県東部)を平定するため、彦五十狭芹彦(ひこいさせりひこ)(以下、芹彦)の船団は、ジョンの先導のもと、温羅(うら)が暴れている地域に向けて進んでいた。
ちなみに、付き従う者たちは下記の通り。
芹彦の家来、犬飼建(いぬかいたける)(以下、犬)と留玉臣(とめたまおみ)(以下、トメ)。
ジョンの妻、ヨーコ。
二人の息子、ジュリアンとショーンである。
しかし、暴風が一行を襲うのであった。
芹彦「やったぞ! ついに嵐の到来じゃ!」
犬「皇子(みこ)! 両手を広げるなど、狂気の沙汰(さた)にござりまするぞ!」
ジョン「犬の言う通りだ! 何、喜んでんだよ! しっかり捕まってろ!」
ジュリアン「そうじゃ。それに、これは嵐じゃのうて、ただの暴風じゃ!」
芹彦「なっ!? 違うのか!?」
そんなこんなで、なんとか暴風を乗り切り、老漁夫(ろうぎょふ)ことジョンの的確な指示によって、一行は、陸地に辿り着くことが出来たのであった。
芹彦「なかなか楽しかったぞ! して、温羅は、どこにおるのじゃ?」
ジョン「おいおい、いきなり温羅のところに連れていくわけないだろ?」
芹彦「ん?! なにゆえじゃ!?」
ジョン「向こうが歓迎してないことくらい、分かってるよな?」
ヨーコ「え? 総大将なのに、そんなことも分かってなかったの?」
芹彦「うっ・・・。そ・・・それくらいのこと・・・分かっておるわ!」
トメ「と・・・ところで、僕たちは、どこに上陸したんです?」
ジュリアン「花尻(はなじり)じゃ。」
ショーン「詳しく言うと、吉備中山(きびのなかやま)の南麓(なんろく)じゃな。」
ヨーコ「二千年後の、岡山市北区花尻(きたく・はなじり)、花尻あかね町、花尻ききょう町、花尻みどり町、東花尻(ひがしはなじり)、西花尻(にしはなじり)などの地域よ。」
犬「お・・・多すぎはせんか?」
ヨーコ「しょうがないでしょ。分割されちゃったんだから・・・。」
芹彦「とにもかくにも、山の南側に来たというわけか・・・。」
するとそこに、見たことのある人物(たち)が近付いてきた。
稚武彦(わかたけひこ)(以下、タケ)と武彦(たけひこ)(以下、たっちゃん)の親子である。
タケ「やっと着いたようじゃな。」
たっちゃん「お待ちしておりましたぞ。」
芹彦「おお! 先に着いておったのか?!」
タケ「うむ。ほかにも、吉備の豪族たちが集まっておるぞ。」
ヨーコ「キャァァ! タケェェ! 久しぶりじゃないのぉぉ!」
タケ「おお! ヨーコか? それに、ジョンも!」
今、調べてみたら、エピソード197以来の再会なのであった。
つづく