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JW403 帰って来た皇女
【崇神改革編】エピソード30 帰って来た皇女
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
天照大神(あまてらすおおみかみ)(以下、アマ)が、丹波(たにわ:現在の京都府北部)から、国中(くんなか:奈良盆地のこと)に戻ってきた。
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紀元前55年、皇紀606年(崇神天皇43)のことである。
参内(さんだい)した、豊鍬入姫(とよすきいりひめ)(以下、きぃ)を見て、崇神天皇こと、御間城入彦五十瓊殖尊(みまきいりひこいにえ・のみこと)(以下、ミマキ)が喜んだのは、言うまでもない。
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ミマキ「おお! きぃ! 戻って参ったか。やはり、笠縫邑(かさぬい・のむら)が良いとの思し召し(おぼしめし)であるか。良きかな!」
きぃ「そ・・・そうとも言われているのですが・・・。」
ミマキ「ん? い・・・嫌な予感がする・・・。」
きぃ「三輪山(みわやま)に鎮座(ちんざ)したとも言われておりまして・・・。」
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ミマキ「ん? 国中に戻ったは良いが、笠縫邑ではないところに鎮(しず)まったかもしれぬということか?」
きぃ「左様にございます。」
するとそこに、ミマキの妃で「きぃ」の母、遠津年魚眼眼妙媛(とおつあゆめまぐわしひめ)(以下、アユ)がやって来た。
更には、同母兄の豊城入彦(とよきいりひこ)(以下、トッティ)もやって来た。
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アユ「嗚呼! 私の『きぃ』ちゃん! 帰って来たのね! 会いたかったのよ!」
トッティ「我(われ)もだっぺよ。四年は長すぎるっぺ。」
きぃ「されど、此度(こたび)、遷座(せんざ)する地は、伊豆加志本宮(いつかしのもと・のみや)と呼ばれ、笠縫邑以外の地も候補となっているのです。一体、何処(いずこ)になるのか・・・。」
アユ「なんだっていいのよ。丹波なんて、遠くじゃなければ、いつでも会いに行けるんだから!」
ミマキ「とにかく、どこが候補なのか紹介致せ。想ったより遠くであれば、わしが除外(じょがい)してくれようぞ!」
トッティ「大王(おおきみ)! それは無理だっぺ!」
きぃ「で・・・では、まず最初に紹介するのが、與喜天満神社(よきてんまんじんじゃ)にございます。鎮座地は、奈良県桜井市(さくらいし)の初瀬字与喜山(はせ・あざ・よきやま)にございます。」
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ミマキ「初瀬(はせ)? 初瀬(はつせ)の間違いではないのか?」
きぃ「私たちの時代は、初瀬(はつせ)と呼んでおりまするが、後の世になると初瀬(はせ)に変わったようです。」
アユ「でも、ちょっと待ってよ。創建した年がおかしいわよ? 西暦948年、皇紀1608年(天暦2)の7月に創建したことになってるんだけど・・・。」
トッティ「それも、菅原道真(すがわら・の・みちざね)とかいうヤツを祀(まつ)ったと書かれてるっぺ。」
きぃ「こ・・・これが、ロマン?」
伊豆加志本宮の候補地は、いくつ有るのであろうか?
次回につづく