JW336 黍団子はじめました
【桃太郎編】エピソード6 黍団子はじめました
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
吉備(きび:現在の岡山県と広島県東部)を平定するため、彦五十狭芹彦(ひこいさせりひこ)(以下、芹彦)は岡山市は南区妹尾(みなみく・せのお)に上陸した。
付き従う者は下記の通り。
芹彦の家来、犬飼建(いぬかいたける)(以下、犬)と留玉臣(とめたまおみ)(以下、トメ)である。
一行は、吉備の住人、ジョンとヨーコ、そして、息子のジュリアンとショーンに歓迎されたのであった。
トメ「・・・と言っても、伝承では、老漁夫(ろうぎょふ)が歓迎したことになってるんですけどね・・・(;^_^A)」
ジョン「作者の陰謀なんだから、仕方ないだろ。」
芹彦「ところで、伝承では、老漁夫が黍団子(きびだんご)を作って差し上げ、それがしが大いに喜んだと書かれておるのじゃが・・・。」
ヨーコ「安心して! ちゃんと黍団子を用意して来たから!」
芹彦「おお! ありがたし!」
ジュリアン「紙面では、全く解説されとらんけど、大軍勢で来とるけん(から)、用意するの、大変じゃったんぞ!」
犬「モグモグ・・・。いやはや、かたじけなし。」
芹彦一行「モグモグ・・・かたじけなし!」×多数
芹彦「ところで・・・モグモグ。それがしたちは、吉備に安寧をもたらすためにやって参ったのじゃが・・・モグモグ。この地に、賊などはおらぬか?」
ショーン「何を言よるんじゃ! 温羅(うら)が暴れとること、知っとるじゃろ?!」
芹彦「許せ! 伝承では・・・モグモグ。尋ねたと書かれておるのじゃ!」
ジョン「ちっ。めんどくせぇなぁ・・・。言えば、いいんだろ? 温羅が暴れてるぜ。」
芹彦「よし! では、賊のいるところまで、先導(せんどう)してくれぃ!」
ジョン「最初っから、そのつもりだぜ。付いてきなっ。」
芹彦「ん? 船で行くのか?」
犬「皇子(みこ)! まだこの辺は、小島が点々と浮かぶ海にござりますれば・・・。」
芹彦「なに!? まだ海が続いておるのか!?」
トメ「二千年後の地図からは想像できないと思いますが、妹尾や、そこから更に北に位置する、庭瀬(にわせ)の辺りまで、海だったそうなんですよ。」
芹彦「庭瀬?」
ヨーコ「岡山市の北区庭瀬(きたく・にわせ)のことよ。」
芹彦「し・・・信じられん! 海岸線とは、ここまで形が変わるモノなのか? 狭野尊(さの・のみこと)大先生の頃は、どうだったのであろうか・・・。」
ジュリアン「神武天皇(じんむてんのう)の頃は、更に、海が広かったかもしれんなぁ・・・。」
ショーン「そんなこんなで、着いたぞ。」
芹彦「なに!? もう着いたのか?」
芹彦たちが向かった先とは?
次回につづく