一生できなくなっても困らないもの。
先日、この世で一番強いお酒を飲んだところ、記憶がとび、妻に迷惑をかけた。結婚生活史上最大の迷惑。
翌日、仕事が終わって自宅に帰った私は、平身低頭、妻に謝罪し、こっぴどく絞られた結果、
「一生、死ぬまでお酒を飲まない」
という講和条約を妻と結ぶことになった。
敗戦国に世界は冷たい。
長きに渡るお酒との交わりを、
32歳にして断絶したことになる。
あの夜の私は、よっぽど酷かったんだろう。
◾️この世で一番強いお酒は飲んではいけない記事
そこで私は考えた。
例えば、スマホ。
「一生、スマホに触ることができない」
無理だな。これは無理。
実生活に多大な不便をもたらす。
車の運転はどうだろう?
「一生、車を運転できない」
無理だな。これも無理。
移動ができなくなる。これも不便。
シュークリームならどう?
「一生、シュークリームを食べられない」
これはイケる気がする。というかイケる。
私はシュークリームが大好きだ。チョコレートとシュークリームなら、シュークリームの方が好き。ショートケーキとシュークリームなら、シュークリームの方が好き。
私の中のキングオブスイーツ。
それがシュークリーム。
カスタードクリームではなく、
生クリームがいい。
それを一生、食べられないという縛り。
…守れそうな気がする。
代わりになるものがあるからだ。
なるほど、お酒とシュークリームは、
私にとって、同じ領域にいる存在なのだな。
函館ならどうだろう?
「一生、函館に足を踏み入れてはならない」
ギリ、イケる気がする。
私は函館が大好きだ。仕事でもよく行く。
ご当地ハンバーガーショップの”ラッキーピエロ”が函館にある。あれも食べられなくなる。函館山の夜景も二度と見られない。あんなに美しいのに。
”五稜郭の桜”も見ることができなくなる。みなさんは五稜郭の桜をご覧になったことがあるだろうか? 夕暮れ時の五稜郭の桜の風景は、天国、桃源郷そのものである。ぜひ検索してみてほしい。
一生函館に足を踏み入れられないなら、
それも見ることができなくなる。
守れそうな気がする。
函館に行けなくても私は困らない。
なるほど、お酒と函館は、
私にとって、同じ領域にいる存在なのだな。
海は?
「一生、海を見られない」
うわあ。ギリのギリだ。
札幌には海がない。30分も足を伸ばせば、石狩湾がすぐ近くにあるが、湘南、江ノ島みたいな感じで「じゃあ暇だし海でも行く?」とはならない。札幌市民と海には、深い友情がない。
一生、海を見てはいけない、つまり、見てしまったが最後、見た瞬間に死んでしまう、みたいなことになると、海外旅行も行けなさそう。
ギリだ。
ギリだけど、行けそう。
モンゴル人も海を見ないし。
岐阜、栃木、群馬、埼玉、山梨、長野、奈良、滋賀県民も海がないし。でも滋賀県には琵琶湖があるから少しズルいか。
そうか、お酒と海も、
私にとって、同じ領域にいる存在なのだな。
…
ん? 本当に同じ領域か?
シュークリーム、函館、海の場合、それを食べても、そこに行っても、それを見ても、私の身体に悪影響をもたらすことは、ほぼない。
周りの人に迷惑をかけることもない。対して、お酒はどうだ? 悪影響がある。先日の私が陥ったアルコールの罠である。
なんだか、マトリクスを作って、象限に分ければ、グループ分けが出来そうな予感がする。でもやらない。めんどくさい。
ひとまず、何が言いたいかというと、
私はもう、一生お酒が飲めません。
【告知】stand.fmでのライブ配信はこのあと14:00から
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