炎の中から何度でもよみがえるものと、絶対によみがえらないもの。
バトルフェニックスをご存じだろうか。
日本語に直訳すれば「闘う不死鳥」である。
バトルフェニックスというカタカナを見て、
「おっ!」と思われる方は、
間違いなく私と同世代だ。
90年代のコロコロコミックで連載されていた漫画に『爆球連発!! スーパービーダマン』という作品がある。
単行本の表紙はこれだ。
ビーダマンについて、
すこしだけ説明する必要があるだろう。
まさか、32歳にもなって、ビーダマンを説明することになるとは思いもしなかった。
ビーダマンとは、
ビー玉を勢いよく発射するオモチャである。
ビーダマンは漫画作品にも登場するし、
現実世界でもオモチャとして販売されていた。
男の子が両手に持ってるのがビーダマン。
そして冒頭のバトルフェニックスとは、この作中で登場する最強のビーダマンの一つなのである。
主人公がバトルフェニックスを受け取るまでの展開がムネアツで。
最強の敵がいるわけ。悪の権化みたいなやつ。彼が使うビーダマンは確か、ケーニッヒケルベロスという名前だった気がする。
名前だけで怖さが伝わってくる。
ケーニッヒケルベロスから
発射されるビー玉は、とにかくヤバイ。
主人公は、このケーニッヒケルベロスに
歯が立たない。
しまいには、持っていた自分のビーダマンを破壊されて、万事休す。当時、この漫画を読んでいたイトー少年も諦めたよ。
これはさすがにムリじゃん、てね。
ところが、すんでのところで完成した新作のビーダマン。それがバトルフェニックスなんだけど、
それを仲間から受け取った主人公。
バトルフェニックスを手に、
もう一度戦うわけだ。
おののく敵。
「な、なぜだ!?」という敵に対して、
主人公はこう言うのさ。
イトー少年も、
「いっけーーーーー!!!!」
と思ってたよ。
で、勝つんだ。
いやぁ、すごいなぁ、と思ったものだ。
ビー玉を発射するおもちゃだよ。
すごいよなぁ、ビーダマン。
ここで言いたいのは、
「壊れたものは何度でもよみがえる」
ということ。
……
…
さて、
みなさん、スマホを使ってるでしょ?
どこのキャリアのスマホ?
au? softbank? docomo?
私はね、格安スマホなわけ。
月のスマホ代は4,000円もしない。
私の仕事は生命保険外交員だから、お客さんの家計の見直しとかを手伝って差し上げる。
当然、こんな質問をする。
「スマホ代はいくらですかな?」
北海道外の人がどうかはわからないけど、この質問をすると、10人中7人はこうおっしゃる。
「ん~、1万円ちょっとくらいです」
なぜだ。
なぜ1万円ちょっとを払ってるんだ。
という気持ちを抑えて、続けてこの質問。
「どこのキャリアですか?」
と聞くと、先ほどの三大キャリアの中の
どれかなわけだ。
仮に私のスマホ代が月々3,500円だとする。
スマホ本体の機種代はないものとしよう。
目の前にいるお客さんのスマホ代が
月々10,000円ジャストだとすると。
この時点で6,500円の差額がある。
となると私の方が、毎月6,500円分も多い選択肢を持ってることになる。6,500円だぞ? そのお金で何ができる?
なんでもできる。
そんなお話を、嫌味にならないようにする。
別に6,500円が浮いたからって
保険に入ってください、と言うことはしない。
要は、
「なぜ格安スマホにしないのですか?」
というニュアンスの質問をするのである。
お金を払うんだから、きちんと考えよう、
ということに気づいてほしいのだ。
すると、どんな答えが返ってくるか。
「いやぁ、わかってはいるんですけどね……」
わかってるだけじゃダメなんだ。
行動に移さないと。
…
と、いうふうに偉そうに書いてる私だが、
格安スマホにしたのは、5年ほど前だ。
少し乗り遅れていた。
「あたし、LINEモバイルにしてさ~」という友人の話をほげ~と聞いていたのである。
つまり、わかってはいるんだけど、乗り換えるという「行動に移していない」状態である。
出来るだけ安くしたいじゃん、固定費は。
私も、腰が重かった。
5年前の私は、現在私がお会いするお客さんと、
なんら変わらないマインドだったわけ。
めんどくさいのだ。現状維持バイアスだ。
どうやったら、
この重い腰が浮くだろうなぁ、と考えた。
決心すればいいだけの話なんだけど、
その決心が出来ない。
悩んだ末に、私が出した結論は、
「そうだ、スマホをぶち壊そう」
であった。
これなら変えざるを得ない。
そうと決めたら早い。
仕事中は外に出る。
バックアップを取っておく。
で、良く晴れた日、
地面には一面のコンクリート。
よし。
手に持っていたスマホを勢いよく、オーバースローでぶん投げた。空にむかってぶん投げた。
おりゃっ。
スマホが宙を舞う。
舞うというか、真上に向かって飛んでく。
やがて引力の方が勝つ。
スマホが落ちてくる。
落ちてくるというか、引力に引っ張られる。
それをポケっと見つめるスーツの私。
いけっ。
コンクリートに衝突。スマホが。
カッ!
勢いよく音が鳴って、
私はタタっとスマホに駆け寄る。
で、画面を見る。
……おぉ。
画面は蜘蛛の巣のようにヒビだらけ。
タップしても、うんともすんとも言わない。
よしよし。
その足でスマホを替えに行く。
「あ、あの〜壊れちゃったので、格安スマホにしたいんですけど、どんな方法がありますか?」
と聞くと、店員さんは親切だから
手取り足取り教えてくれる。
よみがえったのだ。
私の手には、バトルフェニックスのような強さはないけど、でも便利な不死鳥がもとどおり。
たいていのものは、
工場という炎の中から、何度でもよみがえる。
私がこの記事を通して言いたいことはなにか?
それは、
たいていの物は炎の中からよみがえるけど、
人間は死んじゃったらよみがえれない。
だから、自分を大切にしよう。
である。
F難度の着地を見せてこの記事を終わろう。
【感謝】noteにおけるルビの振り方はここに!
【明日!】潮永さんとのLIVE配信は明日夜9時!