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アラン「幸福論」のすすめ

こんにちは、カオマンガイコダイラです。

三大幸福論の一つ、フランスの哲学者・アランの「幸福論」(本名・エミール=オーギュスト・シャルティエ、アランはペンネーム)を読んだことはあるでしょうか。
この間読んでみたのですが、非常に「実践的な」幸福論だったので、オススメしたいと思います。

今まさに、アランの教えに従って行動してみて、気持ちが上向いているところです。

※ちなみに、あと二つの幸福論の作者はヒルティとラッセルです。

アランとは

アランは、1868年に生まれたフランスの哲学者です。ヒューマニズムの分野で大きな成果を残しました。特徴的なのは、自身の考えを体系化することを好まずに、具体的な事柄に即した哲学的エッセイ(プロポ)の形で書き残したことです。岩波文庫版「幸福論」の序文によると、彼が残したプロポの数は5,000編以上に上ります。平易な言い方(哲学というよりむしろ詩文的)で書かれているのが特徴で、「幸福論」はまさにこのプロポを93編集めて構成されています。

また、教師として活動した期間も長く、20世紀の非常に変わった哲学者であるシモーヌ・ヴェイユ(過酷な労働で知られた工場に潜り込み、体験ルポを書き残したり、スペイン内戦に義勇軍として参加したり、イタリア・ファシスト党の本部に乗り込んだりした人)は彼の教え子の一人です。

実はアラン自身も少し変わったところ(というより実地主義なところ?)があり、第一次世界大戦のときには46歳という年齢ながら入隊を志願し、最前線で戦いました。その理由は愛国心などではなく、「戦争の愚かさを実体験するため」だったといいます。戦争へ反対する姿勢は、「幸福論」の中でも語られています。

幸福論の教え

さて、「幸福論」の内容についてですが、アランの教えは非常にシンプルです。ものすごーく雑に一言で言ってしまうと、こうです。

「嫌な気分になったときには、体を動かし、笑うことで気分を変えられる。そして、上機嫌は周りも上機嫌にする」

ものすごいシンプルです。基本的に93編のプロポはこの考えが貫かれています。ここでいう体を動かすとは、必ずしもスポーツやジムみたいなことではなく、伸びをするとか、深呼吸をするとか、そういったレベルのことです。

そして、嫌な気分になったとき(例えば昔の恥ずかしい記憶を思い出したとか、急いでいるのに電車が遅れているとか)、伸びをしたり、笑った表情をあえて作ったりすることが非常に効きます

嘘だと思うこと人にこそ、これを実践してみてほしいのです。
なぜなら自分がそういう人間だったからです。

ちなみに、笑う表情にによって気分が上向くことは実験によっても確かめられていると、アメリカの心理学者である(そしてなぜかノーベル経済学賞を受賞している)ダニエル・カーネマンは認めています(著書『ファスト&スロー』の中で)。

とにもかくにも、嫌な気分が和らぐだけで、こんなに気分が前向きになれるんだなーと今私は実感しています。

安易なスピリチュアルでも、お金がかかる方法でもないので、あんまり幸せじゃないなー、という人はこの「幸福論」を読んでみるのはいかがでしょうか。

最後に「幸福論」から、示唆に富んだ一文を引用します。

幸福だから笑うのではない。むしろ、笑うから幸福なのだとわたしは言いたい。

宗左近訳「幸福論」より

いい言葉ですよね。

※写真はWikipedia「エミール=オーギュスト・シャルティエ」から引用しました。

#散文 #哲学 #アラン #幸福論 #笑顔


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