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#読書感想文 No.57
今回は少し変則的ですが、一つのジャンルについて、複数の本を読んだので、その感想を書いていこうと思います。
…これらは「障害者雇用」にまつわる書籍ですが、一冊ずつ紐解いていくよりも、統括的な共通項や読み終わって感じたコトで綴ろうと思います。
最後までお付き合いいただけると幸いです。
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先日の記事に書きましたが、このたび障害者福祉の世界に転職しました。
「障”害”者」という呼び方を差別的発言だと捉える方もいますが、個人的には、どのような表記であろうと、大切なのは障害者をどう思っているかだと思います。
私が「害」という文字を宛てる理由についても、過去の投稿を参照記事として掲載しておきます。
…思えば、この頃から今回紹介する本を読んでいたんですね~。
つまりは突発的に決まった転職先ではないということでもあるのですが(笑)、職歴的に「飛び石を打った」ことには違いありません。
「キャリアコンサルタント」という資格を取得した段階で、キャリア支援事業を考えた際に、障害者雇用支援の領域を考えたりもしたのですが、実績がものを言う業界なので除外していました。
ですが、さまざまな出来事が重なって、思いがけず企業人として働く機会を得たのは、もしかしたら、何か見えない力に導かれたのかもしれません。
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「特例子会社」とは?
本の表題にもなっている特例子会社ですが、どのような会社なのか説明したいと思います。
すごくざっくりですが、一定規模の会社には、障害者の雇用率というものが法律で定められていて、43.5人以上(短時間勤務者を0.5人と換算)の場合、総従業員数の2.3%は障害者を雇用してくださいね。
でないと、会社名を公表しますよ~という制度があるのですが、これだと軽度の障害者を奪い合うことになりかねないので、ややこしい条件はありますが、障害者のための子会社を設立したら、親会社やグループ全体の法定雇用率として算定していいですよ、という抜け道的な子会社を指します。
…ちょっと言い方が悪かったですね( ̄▽ ̄;)。
とは言え、障害者雇用については、今後の課題が放置されたままになっていますから、現状はこの抜け道がなければ、多くの企業は悲鳴を上げてしまうでしょうし、実は急激に雇用支援が改善されてしまうと助成金や調整金が破綻するといったおかしな事態にもなりかねないのです。
「障害者雇用調整金」とは、労働者が100名を超える事業主で法定雇用率以上の障害者を雇用している場合に支払われる助成金です。 法定雇用率を超えて雇用している障害者数に応じて、1人につき月額2万7,000円が支給されます。
他にも、いくつかの助成金制度があるのですが、これらの制度が保っていられるのは、法定雇用率未達の企業が支払う納付金なのです。
先ほど述べた「会社名の公表」をしない代わりに納めるものなのですが、すべての企業が法定雇用率を遵守したらどうなるでしょう?
回るお金が無くなるので、助成金や調整金を支払えなくなります。
そうなると、特例子会社であっても、これらの制度を活用することなく黒字化しなければならなくなりますし、現実問題、多くの特例子会社は、この問題をクリアできないことが予想されています。
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課題解決のキーワードは融合
個人的な意見ですが、多くの問題点が浮き彫りになっているこの状態を解決するには、パズルのピースをそろえるように、いくつもの解決策を重ね合わせる必要があります。
最終的には、障害者の特性に合わせた仕事を切り出し、採用や教育の属人化を防ぎ、就労移行支援事業所と企業との意識共有を目指すことが望ましいのですが、手をつける問題が地域や障害者・支援者の特性によって違うので、均一的なマニュアルが確立できません。
また、福祉事業というのは、ビジネス思考と相性があまりよくありません。
それは愛ゆえの枷であり、融合を可能にさせるには、水と油を乳化させる石鹸水のような存在が現れなければならないでしょう。
福祉にはビジネス思考を、企業には福祉の精神を。
先の見えない道程ではあるでしょうが、決して平行線ではないと私は信じています。
必要なのは、私たち一人ひとりの意識を変えるところからです。
「福祉2.0」の社会を世界に先駆けて構築することで、日本経済が復興の狼煙を上げる機会を、私も何らかの形で支援していきたいと思います。
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ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。
今回の投稿は以上です。