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#022_「すごい人のもとでアーサナを練習して難しいポーズが出来るようになる」

もうずいぶんむかしですが、キムラケイシンのセミナーに一年間参加しました。

そのころのぼくはヨガの入り口に立ったばかりで、

「ヨガを生涯の生業にしたい」
「そのためにヨガ講師として信頼してもらわなければ」
「なので資格とか肩書きとかそういうものがほしい」

と考えていたし、いろいろ調べて、権威である彼のセミナーに高いお金を払って参加したわけです。

「すごい人のもとでアーサナを練習して難しいポーズが出来るようになる」
「なんだか神秘的な体験をしてヨガの真理を知っている人になる」

のような、ぼくと、おそらくは多くの参加者の期待はみごとに裏切られました。

「○○のポーズ」のようなアーサナの時間はゼロで、ユルいリラックス体操の練習はぼくらのプライドを踏みにじり、神秘性の裏付けを求めるような質問はばっさり切り捨てられていました。ぼくの世俗的な期待はきっぱりと無視されました。

自分を周囲から差別化するための道具としてヨガを利用することはセミナーの目的にはならないし、人間の根源的な苦悩に対する根本的で科学的な解決を探求する思想がヨガであり、セミナーの教えを受け入れるために、ぼくはそもそもセミナーに参加した動機からさえも脱皮しなければなりませんでした。

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