
2019年本ランキング
2019年の本ランキングを発表いたします。
例によって2019年に出版されたものではなくて、「2019年にわたしが読んだ本」なので悪しからず。
11. 靴のおはなし1/いしいしんじ、大竹昭子、近藤良平、千葉聡、広瀬裕子
#靴のおはなし 1を。5人によるそれぞれの靴を巡るおはなし。 #広瀬裕子 さんの #荷物の最後に 、 #いしいしんじ さんの #靴みがきの目 が好きでした。なによりこの本の成り立ち、靴屋さんがこれをつくったということ自体に感動してしまった。奈良に行くときは絶対 #ループ舎 さんの靴屋さんに行こう。 pic.twitter.com/33rYZQ69HO
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) June 2, 2019
スニーカー文化研究家としてはこれは読んでおかねばとおもって手に入れたのですが、とてもおもしろかったです。 なによりもこの本をつくったのが靴屋さんという成り立ち自体がね、もうほんとうに素敵。
つぎ奈良に行くときはかならずループ舎さんの靴屋さんに行こうとおもってそのまま行けずにいるのですが、NAOTのおみせのとこだったのね! 納得!
10. ムービーマヨネーズ 第2号/Gucchi's Free School
#ムービーマヨネーズ 第2号を。むちゃくちゃおもしろかった!第1号を手に入れられなかったことが悔やまれる!そしてわたしはコメディアン好き(正確に言うとコメディアンが司会のトークショー好き)なので、コメディアン・コメディエンヌ名鑑とアメリカのコメディ番組について、が超ツボだった✨ pic.twitter.com/wyBXwTVXi7
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) June 2, 2019
ずーっと欲しくて、ずーっと買えなかったのですが、ついに手にいれました。
こんなにも一特集一特集がとても濃いというか(パーソナルというか)な映画本もめずらしいというか、特集も結構バラバラだし、しかし故に映画愛に溢れ映画愛によってのみ成立しているアンバランス感がとてつもなく好き。
このランキングの3位にSick in the Head/Jadd Apatowを選んでいるくらいなので、コメディの部分が個人的にはとても好き。 1号が入手できなかったことが悔やまれる。。。
9. 読みたいことを、書けばいい。人生が変わるシンプルな文章術/田中泰延
#田中泰延 さん著 #読みたいことを書けばいい 。を。シンプルに読み物としておもしろい。繰り返し差し込まれるワードにおもわずクスッとさせられてしまう。そして明快。思い返してみれば、結局自分が書いたものはすべて「自分が読みたかった」ものだったんだ。改めて言われるまで気づけなかった。 pic.twitter.com/xSrgVV7f7m
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) September 16, 2019
なんでSNSとか、noteとかでスニーカーのことをせっせと書いているかと聞かれてもぜんぜん答えられなかったのですが、この本を読んで、「そうか、いま自分が書いていることは「自分がこういうものが読みたいから書いてる」のか!」と納得させられてしまった本。 それこそ誰かに頼まれてもいないのに笑
そしてこの本はシンプルにおもしろい、まるでご本人のおはなしを目の前で聞いているかのような、距離感の近い文章。
8. 日本発酵紀行/小倉ヒラク
#小倉ヒラク さん著 #日本発酵紀行 を。 #Fermentation Tourism Nippon #発酵から再発見する日本の旅 を観に行って思わず購入してしまった一冊。 前著も読んでるけど、本作の抜群のおもしろさよ。本当にこの一冊を持って、日本各地に発酵を巡る旅に出てみたいとおもわせる力がある。 #発酵ツーリズム pic.twitter.com/bZsULEHUyL
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) June 2, 2019
発酵という視点の旅、という時点でもう期待しかなかったのですが、予想通りのおもしろさ。 本当、この視点で旅に出てみたいくらい。
d47での展示もおもしろかったし。 なによりも香りだけで、子供のころ妙にすきだった漬け物がすんき漬けだとわかったり、へしこのにおいを嗅いだら口のなかがへしこになっちゃったり、食もそうだけど、発酵ってなんか五感が覚えてる感じがあるのがとても新鮮でした(おばあちゃんの漬け物の味とかね)。
「大事なのは『どうつくるか』ではなく『どうしてつくったか』だと思うんです」って、本当にそうだよなぁ。。。
7. ネンドノオンド/佐藤オオキ
#ネンドノオンド を。 #nendo #佐藤オオキ さんと世界の #デザイナー さんたちとの雑談集。各人の印象を捉えた口調が非常におもしろい。尚且つ通常のインタビューでは聴けないような、同業者だからこそ聴ける内容が、単なるインタビューとは一線を画してる印象。もっと突っ込んだ内容も読んでみたい。 pic.twitter.com/wLKc4ryF9i
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) August 18, 2019
デザイナーの英語のインタビューとか読むとおもうのだけど、日本のデザイナーの記事も、なんか英語になると口調違くない?っておもうことがたまにあって、それを上手く逆手にとった意訳ならぬ人格訳が非常におもしろかった。
ジャーナリスティックなインタビューだとたぶんNGなんだけど、読みものとしてはアリ、というかその人となりを理解できる結構おもしろい手段なのではないかとおもった。
6. 西欧の東/ミロスラフ・ペンコフ
#ミロスラフペンコフ 著 #藤井光 訳 #西欧の東 を。 #ブルガリア #Bulgaria 出身 #MiroslavPenkov の #EastoftheWest の全訳。表題作は勿論のこと、個人的には #レーニン買います #手紙 #十字架泥棒 そして #夜の地平線 は忘れられない作品となり、思い出すたびに読み返してしまう一冊になりました。 pic.twitter.com/lVdKJK6ikL
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) January 20, 2019
海外文学に触れたくて、海外文学に詳しい友人にオススメしてもらって読んだのですが、すばらしかったです。
ブルガリアって、存在は知っていてもイメージがわかないというか、こんなにも世界が狭くなったのにちょっと遠い存在というか、そんな認識を持っていました。
しかしこの本で描かれるそれらは存在している、あるいは存在していた近しい存在として感じられる、文化がまったく異なるのにも関わらず。 全体として暗い色調を感じるのはイメージの問題だけではないはず。
5. 父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。/ヤニス・バルファキス
#ヤニスバルファキス 著 #父が娘に語る美しく深く壮大でとんでもなくわかりやすい経済の話 を。これはおもしろい!日常ですこしでも経済について「なんでこうなってるの?🤔」とおもった方にはぜひ読んでいただきたい。ギリシャの元財務大臣の経済学者が、十代の娘に向けて経済を語った一冊。 pic.twitter.com/AmI0dytOCL
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) December 19, 2019
昔、牧師の友だちと宗教について話したときに「宗教が政治や経済から完全に隔離されなければ、宗教として成立してはいけないのではないか?」みたいなことを話した覚えがあるんだけど、この本に正にその答えがあった。つまりそもそも宗教の成り立ち自体が、不平等を成立させるための装置だったのだ。
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) December 19, 2019
献血の話もおもしろかった。わたしは出来る限り献血をするのだけど、もし仮に献血にお金が払われると言われたら、やはりわたしは献血しなくなるのではないかとおもう。実際にそういう国もあり、有償の国より無償の国の方が献血率がいいそう。世の中のすべてのものが市場価値で判断されるとは限らない。
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) December 19, 2019
ここ数年、買い物はすべて投票だとおもうことにしている。どのお店で、だれから、どんなものを、どんなふうに買うか。そこに意図を持って購入すること。これはつまりこの本で言う民主化だ。わたしたちひとりひとりに投票権があり、こちらの世界のほうが良いと示すことに、買い物は成り得るのだと。
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) December 19, 2019
HALPEVAMのはなしもおもしろかった。知らないほうが幸せなこともある。でも知らないことを知らないでいつづけることは、つまりいま望んでいるものを消費していくことに過ぎない。それってつまりマトリックスのように機械に繋がれて生かされ、望んだ仮想現実の夢を見ているだけの奴隷なのではないかと。
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) December 19, 2019
「君には、いまの怒りをそのまま持ち続けてほしい。でも賢く、戦略的に怒り続けてほしい。そして、気が熟したらそのときに、必要な行動をとってほしい。この世界を本当に公正で理にかなった、あるべき姿にするために」 #YanisVaroufakis #TalkingtoMyDaughterabouttheEconomy
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) December 19, 2019
4. サードドア: 精神的資産のふやし方/アレックス・バナヤン
#アレックスバナヤン 著 #サードドア を。インタビュー集かと思いきや、著名なひとにインタビューしようする著者がうまくいったりいかなかったりしながら、著名人たちがキャリアの最初期に行っていたことを学び、実践し、最終的に自身の姿勢を築いていくという物語というか「成長譚」。これは新鮮! pic.twitter.com/akkfDOOVzv
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) October 12, 2019
なにがキッカケでこの本を手に取ったのかは思い出せないのだけど、手に取って正解だったなといまではおもいます。
この本はとてもビジネス書のような体裁をし、ビジネス書のような売られ方をしているから、ビジネス書のほうに見られがちだけど、中身は物語であります。
だから読者のミスマッチが起こってしまっているのは、売りだした側の問題だなとおもうのですが、それでもこれをオススメしたいのはいわゆる昨年のシュードッグのように(あれもビジネス書のように売られてたな。。。)「語られるすべてのエピソードは情熱がすべてを動かしていくということだけ。この本はそれをする勇気をくれる一冊。」という点につきます。 この本はシュードッグよりももうちょっとロジカルかな。
3. Sick in the Head: Conversations About Life and Comedy/Jadd Apatow
#JuddApatow 著 #SickintheHead を。久々に原書を。 #ジャドアパトー さんが好きというよりはアメリカのコメディアンが好きで、彼の子供の頃からライフワークであるコメディアンへのインタビュー部分に興味を持った形。面白いひとが面白いことを言うだけでなく、「なぜ言うのか?」がとても面白い。 pic.twitter.com/Lq4O0dIUut
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) November 26, 2019
この本に出てきたあたりだと #エイミーシューマー #ジムキャリー #ベンスティラー #ジミーファロン #サラシルバーマン #セスローゲン #スティーヴンコルベア らへんが個人的には大好きで、それ以外にも #キーアンドピール #レナダナム #ミランダジュライ #スパイクジョーンズ のがとても興味深いです。
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) November 26, 2019
10位 ムービーマヨネーズ 第2号でも触れたとおり、なんせコメディ、コメディアンが好きなのです。
もっと言うと、政治、宗教、人種といったセンシティブな内容に切り込んでいくアメリカのコメディアンが、それらをとてもウィットに富んだかたちで語るのを観るのがとても好きなのです。 これって日本だとまず観れません。
だから初めて海外で生活したときに、テレビでこんな内容を日常的にやってるもんだから、もう本当にカルチャーショックというか、大好きになりましたよね。 日本に帰ってきてから現在に至るまで、好きあらばトークショーを流して観て(聴いて)います。
上記に触れたひと以外だと、ジミーキンメルとかジェームズコーデンとかエレンデジェネレスとかティグノタロとかが好きです。
2. カステラ/パク・ミンギュ
#パクミンギュ #박민규 さんの #カステラ #카스테라 を。近年稀に見る抜群のおもしろさ✨完全にナンセンスなのに、実は韓国の現状のようなものを写しつつ、そこに生きる人びとと寄り添うという。しかもそこに重力を感じない。なんかね軽ろやかなの。だからスイスイ読める。これは本当におもしろいぞ! pic.twitter.com/gl9UeePiQL
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) April 29, 2019
単純なおもしろさだけだったら近年で一番おもしろかったです。
もう超ナンセンス。 村上春樹のナンセンスなショートショートを更にナンセンスにして短編にした、みたいな(わたしは村上春樹のナンセンスなショートショートが好きなのです)。
海外文学ってそのおもしろみの方向性の見えなさに躊躇しがちだったりするとおもうのですが、だからこそはじめての海外文学にオススメしたい。
またその軽さもオススメしたい理由のひとつ。 海外文学って結構重いものが多くなりがちだとおもうのですが、これむちゃくちゃ軽やかなんです。 割とヘビーな内容を扱ってても軽い。
いやぁ、見事でしたね。 近年韓国文学がヤバいとは聴いていましたけど、ここまでとは。。。 ほかの韓国文学にも触れていきたい。。。
1. ストーナー/ジョン・ウィリアムズ
#ジョンウィリアムズ 著 #東江一紀 訳 #ストーナー を。派手な出来事など、なにひとつ起こらないひとりの男の生涯の物語が、なぜここまで心に響くのか。静かに丁寧に、重ねられていく日常。本物の物語というのは、こういうものではないだろうか。日本語訳の成り立ちも含めて、後年に残る大傑作でした。 pic.twitter.com/WV0vzI6xxA
— 足下研 / スニーカー文化研究家 (@KenAshimoto) August 18, 2019
2019年のベストではありません、生涯ベストです。
もう本当にすばらしいのひとこと。 ただこんなにもすばらしさを伝えるのがむずかしい本もめずらしい。
特別なことなんてなにも起きない、ただひとりの男の生涯を、ただただ淡々と丁寧に描いたという、ただそれだけの物語が、なぜこんなにも心を打つのか。
読了後しばらく考えてみたけど、「特別ではないただの男の物語」だったからじゃないかと、そうおもいました。 つまり、それは読んでいる我々、普通に日常を送り、たまたまこの本を手に取った我々こそが、「その男」に成り得るし、我々はその男に自分を写して読んでしまうからなのかもしれない、と。
またどんな仕事にも背景があるとおり、この本の成り立ちにも物語がありました。 詳しくはまず物語を読んでほしいし、そのあとに訳者あとがきを読んでほしいのでここには記しませんが、まさにこの物語を地で行くような背景が、この物語の翻訳を巡って起きていたとは。
もうこの本の成り立ちも含め、すばらしいのひとことです。
2019年も割とバタバタしてたわりに色々読めててよかったです。 2020年はひきつづき海外文学とその都度気になった本を手にする好奇心(と余裕)を持ち続けていきたいですね。
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