見出し画像

その「○○マーケティング」、信頼にたる言葉なのか調べてみた

マーケティングという言葉が表す範囲は広いです。「○○マーケティング」という言葉がいくつ存在するのか調べてみたら98個もありました

事業を行う立場として気になるのは、その「○○マーケティング」に取り組む必要があるのか?です。

世の中には売り手が自分たちのサービスを売りたいがために作られる造語もあります。流行り言葉に安易に釣られると自分たちが本当にやるべきことを見失います。

その「○○マーケティング」、信頼にたる言葉なのかを調べてみました。




注目すべきは研究対象になっている言葉?

売り手による造語か、掘り下げて取り組む価値があるか。その判断ポイントの1つに「その言葉が研究対象になっているか?」があると考えます。ようはそのテーマで論文が世に出ているかです。

論文とは、あるテーマについて客観的な情報を集め、分析や考察がされた文章です。作成にあたっては過去の論文が引用されたり専門家による査読がされるケースがあります。

研究対象となっているものであれば、適切な根拠や論理にもとづいてビジネスで使える有用な分析や考察が結論づけられているはずです。近い領域の見識も交えながら、引用や査読というなの知の蓄積が行われているはずです。

では「○○マーケティング」98個のうち何個がこれに当てはまるのか紹介します。


研論対象となっているのは98個中27個

↑の記事で紹介した98個のうち、2020~2024年の5年間で論文が1つでも出ているものは27個でした。これらは学術的な研究がされています。また論文で明らかにされていることを知ることで先人たちの知恵を自分の仕事に取り入れることができるでしょう。


「○○マーケティング」に関する研究トレンド

論文の数が多かったベスト5は以下です。
・デジタルマーケティング
・SNSマーケティング
・エリアマーケティング
・地域マーケティング
・BtoBマーケティング

人の興味や研究にはトレンドがあります。時代によって波があります。ベスト5について、発表された時代によって論文数がどう変化しているのかトレンドを示したのが↓です。


デジタルマーケティングの論文について、2015~2019年に急増したことが分かります。デジタルが世に広まりできることが増えた。その方法論や効果、過去との違いについて様々な角度で研究が進んだと考えられます。

一方で2020~2024年には論文数がガクッと減っています。研究が一定レベルまで進んだため新たに掘り下げるべき領域が減ってきた、デジタルという大きな概念でなく研究対象が細分化されたなどの理由が考えられます。

2024年において「デジタルマーケティング」というのは目新しい事ではなく、またビッグワードなのでその言葉だけで物事を語るのは危険、、という考え方もできます。


研究対象となっている「○○マーケティング」一覧

↓は論文が出ている「○○マーケティング」という言葉、27個すべてです。(調査日=2024年12月)

  • デジタルマーケティング

  • SNSマーケティング

  • エリアマーケティング

  • 地域マーケティング

  • BtoBマーケティング

  • 観光マーケティング

  • ソーシャルマーケティング

  • Webマーケティング

  • 技術マーケティング

  • 国際マーケティング

  • インバウンドマーケティング

  • One to Oneマーケティング

  • 共創マーケティング

  • ローカルマーケティング

  • サービスマーケティング

  • 経験価値マーケティング

  • ファンマーケティング

  • ジオマーケティング

  • ブランドマーケティング

  • プロダクトマーケティング

  • メールマーケティング

  • 感覚マーケティング

  • カスタマーマーケティング

  • 顧客起点マーケティング

  • 口コミマーケティング

  • コミュニティマーケティング

  • オンラインマーケティング

<調査方法>
国立情報学研究所のサイト「CiNii」で検索
https://cir.nii.ac.jp/
データソース=CiNii Articles、種別=論文の数をカウント


おわりに

マーケティングは学術的な研究が行われている領域です。実務でリアルな実践をしていくのと並行して、先人たちの研究により蓄積してきた知恵を取り入れる、そんな両面に取り組むと良いのかなと感じています。

実際の論文を読んでみたいという人は↓から検索してみてください。https://cir.nii.ac.jp/articles

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集