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不登校と中学受験(28)

合格後、中1で脱落しないように勉強する

中学受験を経験し、いかに学校に馴染み、学校生活を楽しめるかというときに、大人は合格できたのだから、もう大丈夫だから、学校生活を楽しめばいいと気楽に言います。

子ども達もそうしたいと思うし、しばらくは勉強なんかしたくないという子どもがほとんどでしょう。


ところが、現実はそんなに甘くないのです。


どのくらいのスピードで学校の授業が進んでいくか、ご家族がお分かりでないことがあります。


最難関中学では中1の間に中学3年間分の内容が終わってしまいます。中学生の残り2年間で高校内容の大半が終わってしまうのです。

実際に最難関中学の中3がやらされている数学の問題集は、公立高校の高3がやっている問題集なのです。


その少し下のランクの学校でも、多くは中学2年間で中学内容が終わり中3と高1で高校内容がほぼ終わります。教科によって高2までかかるものありますが、おおむね高2と高3の2年間は受験勉強となります。


それ以外の私立中学・高校の6年一貫校では、中学2年間で中学内容が終わり、高校内容を高2までかけて学習をしていくことになります。そして高3の1年間は受験勉強となるのです。

これは高校の学習内容がどうしても多く、少しでも高校内容を確実に理解してもらいたいという、高校側の思いが反映されたものだと思います。


学校によって異なるので、一概には言えないところもあると思いますが、大体がこのような感じなのです。



ここで、注目して欲しいことは、中学生の内容を1年ないし2年で終わらせていることなのです。


子ども達にしたら、やっと合格できて、しばらくはのんびりとすごしたいと思っているのに、実は、私立中学・高校の6年間は、前半の方がスピードが速いのです。


ということは、やっと終わったなどと気を抜いている場合じゃないのです。

クラブ活動や授業など学校に慣れる間も無く、授業はかなりのスピードで進んでいきます。
  
  
中学受験の塾でもやれたから、大丈夫だと思われる方もいると思います。
 
間違ってはいけないのは、塾はサービス産業です。

子ども達に理解できるように、同じ内容が繰り返し出てくるようにカリキュラムを螺旋状にしてあり、何回も同じ内容が出てくるようにカリキュラムが作られているのです。

わかりやすく言えば、つるかめ算は簡単なものから複雑なものまで、4年生でも、5年生でも6年生でも出てくるように作られているのです。


ところが私立中学は「学校」なのです。繰り返しやっている時間など、当然ないのです。

1回で理解しなければ、おいていかれるのです。

しかも、周りの子ども達の学力は自分と同じくらいなのです。
差はほぼないのです。

できなければ補習を受けることになり、クラスの中では、確実に「アホ、バカ」扱いになってしまいます。


中学受験をイヤイヤしてきて、やっと終わったと思っている子ども達には、勉強などしばらくはしたくないのです。

そんなときに、最初からいきなりハイスピードでの授業になると、ついていけない子どもが出てくるのは、想像に難くないと思います。

このことを、よくよく理解しておいて欲しいと思います。

もう、中2の頃には、全くどうすることもできず、学校に行く気力を無くして不登校になっている子どもが、各クラスに何人かいることは、子ども達もわかっています。


私立中学校の先生方は、そんなハイスピードだと思っていないところが、また、とても面倒なのです。

なぜなら、ついてこられない子どもが悪い、ということになりかねないからなのです。


ですから、合格させることだけにエネルギーを注ぎ、後のことを考えない中学受験をしてはいけないのです。

大学受験という先ばかり見て、足元も見なかったときに、難関大学受験は、間違いなく夢と消えてしまうのです。


私が相談員・カウンセラーをしているフリースクール
パーソナルアカデミー

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Keisuke Tani
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