
不登校と中学受験(19)
塾の宿題は全部はさせない
これまでも、中学受験の大手進学塾の宿題は膨大だとお伝えしてきました。
子どもが必要としているレベルにも、必要としている量にも関係なく、多量の宿題をすることで、演習量をこなせば、できるようになると言われて、押し付けられた問題を、ただ、解いていく。
これで力がつくのは、上位の一握りの子ども達だけです。
成績が真ん中くらいの子どもですら、わからないところを理解することもできず、やればやるほど、わからないところが増えてしまうのです。
こんな時に、困るのは、この進学塾の指示を間に受けてしまう「完璧主義のご両親」なのです。
全部、やっていかないと、できるようにならないし、それでは、志望校に合格しない!と子どもをおいたてるのです。
実は、必要な問題を丁寧に考えられるようになれば、全部を解いていかなくても、できるようにはなるのです。
大人は8時間勤務とか、週40時間勤務、週休2日とかいって、それ以上はできるだけ働かないようになっているのです。
それ以上、働いた場合は、残業手当、休日出勤手当とお金に代わったりするのです。
子ども達は、もともと小学校は6時間授業です。
1つの授業が45分や50分で、6つの授業が1日にあり、体育などもあるのです。
これだけでも、相当、疲労するのです。
この後に、塾があり、1日少なくとも2時間、多い日だと4時間くらいあるのです。
これで途中の移動時間もありますが、朝8時30分から21時くらいまでずっと学校と塾に拘束されているのです。
すでに12時間を越えています。
大人だと、疲労も限界に近いはずです。
この状態で、塾から帰って大量の宿題をやるのです。もう無茶苦茶なことをやっているのは、おわかりいただけると思います。
その上です。
小6だと土日含めて週5回ということも、普通にあるのです。
大人のように週休2日ではなく、土日の学校がない時がさらにハードになるのです。
いつ休むのですか?
それで大量の宿題をしないといけないのですか?
無茶だと思いませんか?
ところが、完璧主義のご家族だと、塾の宿題は帰ってすぐにやらないといけない、というのです。
子どもの疲労は、塾から帰った時にピークに達していますから、効率も悪いのです。
結局、とりあえずの量をこなすことができるのは、深夜0時をすぎることなんて、よくあることです。
休憩があり、朝8時30分から23時30分までとしても15時間、子ども達はやっているのです。
しかも、宿題をする時に、レベルに合っていない問題を解くので、難しいと全く手が出ないことになります。
易しいと子ども達は嫌になります。
できないことをご家族によって、はっきりと認識させられ、しかも、強要されるのですから、嫌になる子どもがいるのは、至極当然なのです。
こうして、勉強することを避けるようになり、やったフリ、できたフリをするために答えをうつすようになっていくのです。
この答えを写すようになることは、子どもとしては、やってはいけないと思いながらも、真面目にやっていられないのですから当然です。
これでは何をしているのかわからないのです。
それでも、宿題を全部やって欲しいと思いますか?
合格のためならやるべきだと思いますか?
谷 圭祐
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