不登校と中学受験(37)
私立中学3年生の不登校(1)
年末年始が近づくと、中学受験ではありませんが、ものすごく焦ってくる子ども達がいます。
それは、私立中学を不登校になっている子ども達です。
学校に復帰するのか、完全に辞めるのか、決断の時期が近づいているからです。
特に私立中学3年生で不登校になっている子ども達は、高校をどうするかという決断がいるのです。
自分の在籍する中学校の上の高校に進学したいとなった時に、中学校が不登校でも、とりあえず高校には進学させてもらえる学校と、出席日数と一定の成績がないと進学させてもらえない中学校とがあります。
どちらがたいへんかと聞かれたら、どちらもたいへんです。
まず高校には進学させてもらえる場合です。
中学校に出席できていなくても、とりあえず高校には進学できますが、その後、授業についていけるかという問題があります。
また、高校は出席しなければ、出席日数不足で高2に進級できないという問題があるのです。
この授業についていけない可能性があるという問題ですが、私立中学特有の問題です。
なぜなら、中学・高校によってどこまで中学生の間に進むかが異なりますが、一般的には少なくとも高校1年生内容は中学の間に終わっています。
最難関の中学・高校の場合は、中学生の間に高2内容まで終わっているくらいです。
ということは、少なくとも在籍している中学の3学期期末テストでは、平均点くらいを取ることができる力をつけておいて、高校から学校復帰を目指すことが必要になります。
不登校の期間が長ければ長いほど、この点が難しくなります。
その上で、元々、何かしらのしんどさを抱えたために、通えなかった学校に復帰するのですから、二重の覚悟が必要です。
高校で続けていくためには、何としても出席をしなければなりません。
休んでも許される日数ギリギリであっても、通わなければいけないことは間違いないのです。
ただ、休んででも授業についていけるのであれば、日数を考えながら、学校に慣れながら、復帰をしていくことは可能です。
あとは覚悟の問題です。
かなり辛いことを覚悟し、速い授業についていきながら、辛いけれども学校に通うことができれば、問題はないのです。
高2への進級ができなくならないように、1年間かけてじっくり取り組んでいくことは可能です。
もう一方の、一定の成績がなければ高校に進学できない場合は、この3学期に中学校から言われる条件を全てクリアしないといけません。
ここを確実にクリアできなければ、高校への進学ができません。
この場合、2学期末に可能性があるかどうかは、すでに言われているはずです。
可能性がない場合は、高校受験をするしかありません。
まだ、高校への進学に可能性があるのであれば、何としても中学校から出されている条件をクリアしなければなりません。
そうしないと、高校受験もできないまま、3学期が終わってしまい、選択肢が大幅に減ってしまうからなのです。
ですから、高校への進学の可能性を2学期末に言われた時点で、対策を始めていなければ、もう間に合わないのです。
この場合、一番の問題は学習内容です。
不登校になっても、ある程度は学校のテスト等も受験してきているので、中学校から高校への進学の可能性があると言われているのですから、あとは、学習面での条件をクリアできるかどうかです。
3学期の中学校で実施されるすべてのテストで一定の基準をクリアし続けないといけないのです。
これがかなり厳しい中学校があります。
というのも、3学期に実施されるテストは定期テストだけではないのです。
ベネッセの進研模試、学校実施の実力テスト、Z会や駿台の模試、それに定期テストと少なくても3回か4回のテストがあり、その全てにおいて条件をクリアし続けないといけないのです。
もちろん、1回くらい条件をクリアできなくても、大半がクリアできていれば進学させてもらえるかもしれません。
しかし、中学校に通えていなくて、高校に進学しようとしているのですから、与えられた条件をクリアできるくらいの学力がないと、高校への進学を厳しいと考えるくらいでなければ、高校へ進学してからも通い続けることが難しいことは、お分かりいただけると思うのです。
このように、私立中学3年生の不登校の子どもにとっては、いよいよ決断し、実行しなければならないのが、3学期なのです。
ここで方向転換して、高校受験することも、何も悪くないのです。
ただ、続ける場合は、本当に覚悟が必要なのです。