Photo by 1753 詩集の紹介 『吉野弘詩集』 17 自分を見つけるブックカフェ店主 2024年8月30日 18:00 吉野弘の代表的な作品である『奈々子に』を引用する。この詩は吉野さんが自身の娘に書いた詩で、父親が子を心から大切に思う気持ちが込められている。奈々子に赤い林檎の頬をして眠っている 奈々子。お前のお母さんの頬の赤さはそっくり奈々子の頬にいってしまってひところのお母さんのつややかな頬は少し青ざめたお父さんにも ちょっと酸っぱい思いがふえた。唐突だが奈々子お父さんは お前に多くを期待しないだろう。ひとがほかからの期待に応えようとしてどんなに自分を駄目にしてしまうかお父さんは はっきり知ってしまったから。お父さんがお前にあげたいものは健康と自分を愛する心だ。ひとがひとでなくなるのは自分を愛することをやめるときだ。自分を愛することをやめるときひとは他人を愛することをやめ世界を見失ってしまう自分があるとき他人があり世界がある。お父さんにもお母さんにも酸っぱい苦労がふえた。苦労は今はお前にあげられない。お前にあげたいものは香りのよい健康とかちとるにむづかしくはぐくむにむづかしい自分を愛する心だ。吉野弘詩集 吉野弘詩集 (ハルキ文庫 よ 2-1) amzn.to 748円 (2024年08月30日 17:50時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する ダウンロード copy この記事が参加している募集 #読書感想文 209,888件 #詩 #読書 #言葉 #読書感想文 #本 #おすすめ本 #読書好きな人と繋がりたい #詩人 #詩集 #本の紹介 #ブックカフェ #吉野弘 #自分を見つけるブックカフェ 17