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詩の紹介 宮沢賢治『雨ニモマケズ』

宮沢賢治の代表的な詩。

この詩を書く少し前に宮沢賢治は高熱で倒れ、死を覚悟し家族に遺書を書いている。その背景を知ると、この詩は生涯を通じて病弱で若くして亡くなった宮沢賢治が「こうなりたい」「こうありたかった」という説なる願いのようにも思えてくる。

そういった背景を知った上で読んで見て欲しい。一部、仮名遣いを現代語に訳して引用。

『雨ニモマケズ』

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決して瞋(いか)ラズ
イツモシヅカニワラッテイル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンヂョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萱(かや)ブキノ小屋ニキテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負イ
南ニ死ニソウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイイトイイ
北ニケンカヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイイ
ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
ソウイウモノニ
ワタシハナリタイ

宮沢賢治詩集より


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