詩人、長田弘さんの詩集。表題作を全文引用する。
どうしても特別な事柄だけを大切だと思ってしまいがちだが、この日常がいつかは終わるものだと気付いた時、何もかもが愛おしく思えてくるものだ。
いつか、人は死ぬ。必ず、死ぬ。
なんならたった今この文章を書きながら、僕は死ぬかもしれない。
それは冗談でもなく、本当のことだ。何が起こるかわからない。
だからこそ、いつ死ぬかわからないが、いつか必ず死ぬのだから、1日1日を、一瞬一瞬を大切に生きねばならないのだ。
かといって、どういう風に大切にすればいいのかわからない。
そんな人も多いかもしれない。
だからこそ、この詩が教えてくれているのだ。長田弘さんが伝えてくれているのだ。
「美しいものを美しいと言おう」
美しいものを美しいと言う、それだけで日常は輝き始める。