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クレーム対応で役立つ<要約復唱>の3つの効果
前回は、復唱の仕方から<キーワード復唱>と<要約復唱>を紹介しました。https://note.com/keigo_kyousitsu/n/ne03c0d3f8254
この<要約復唱>は、単に傾聴の姿勢を伝え話し手の“聞いてもらった感”が増すという以上の使い方があります。特にクレーム対応ではその効果を発揮します。
※話が短ければ、あえて要約を行う必要はありません。その場合は相手の言ったことをそのまま全て復唱する<全復唱>でも同じです。
1)「はい」を引き出す
基本的に要約復唱は相手の話していることを繰り返すだけですが、一文もしくはそれ以上になっている(相槌ではない)ため、話し手が返答することになります。
そして、要約復唱の内容があっていれば、話し手は「はい」「そうです」「そのとおりです」と答えてくれます。
※もし「違う」と言われたら、謝罪の上でもう一度お話しを伺い「そのとおり」と言ってもらえるまで要約復唱を行わなければなりませんから、最終的には「はい」という返事がもらえます。
これがなぜ重要か分かりますか?
人は普通「はい」と言いながら怒り続けることはできないからです。
また、営業の人なら分かると思いますが、「はい」を引き出した後で行った提案のほうが、受け入れてもらいやすいからです。
例えばお客さまに対して、「いったん確認して折り返させていただきたい」というお願いをする場合にしても、お客さまが一方的に話していてこちらが相槌だけで聞いていた後にお願いしたのと、要約復唱を用いてお客さまに「はい」「そうです」「そうなんです」と言ってもらった後にお願いしたのとでは、肯定の返事を沢山もらった後のほうが了承してもらいやすくなります。
2)話のテンポを抑えられる
要約復唱を行っている間、相手はこちら側の話を聞くことになります。
また要約復唱が適切だと、話し手は復唱を待ってくれるようにさえなります。復唱されることは自尊心を高め、それだけで気持ちいいからです。
復唱を感情をこめてゆっくり行うと、お客さまの話し方もゆっくりになってくるということがよくあります。
感情的になって早口でまくし立てるように話している状態から、ゆっくり話すようになるということは、それだけ落ち着きを取り戻したということでもあります。
もちろん、早口でまくし立てる話を聞くよりも、ゆっくり話してもらったほうが、こちらも理解しやすくなりますので、相手に落ち着いてもらうことは、自分たちのためにもなります。
3)客観的になる
相手の話を伝え返すということは、例えば鏡を見せるようなものです。
お客さまのお怒りはごもっともだという受容の気持ちで要約復唱を行えば、
お客さまも怒っている自分の姿を受容することができます。
怒っている自分を受け入れるということは、客観的な自分を取り戻した、ということです。
抽象的で分かりづらいかもしれませんね。
例えば、何かその企業に不手際があってお客さまが怒っていたとしても、この状態にまでなれば、不手際に対して現実的に何らかの解決をしなければならないという問題と、それによって自分が傷つき腹が立ったという二つの問題は別なんだ、と思えるようになってくるということです。
こんなことがあったのだから、自分が傷つき腹が立つのは当然だが、それは自分の問題なんだと理解してもらえるということです。
なお、復唱がいつでもうまくいくとは限りません。
よろしければ2021.02.10の記事「お客さまこそ最良の先生」もご参照くださ
い。
復唱については、まだ語り尽くせません。
さらに、<復唱を使って質問する><気持ちの復唱(感情の明確化)>というバリエーションもありますが、それはまた次回。
では、また。
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