【4】糖質とエネルギー産出のしくみ ~質的栄養失調改善でこころもからだも生まれ変われる~
糖質摂取による血糖値の急激な上昇は、結果的に「質的栄養失調」を引き起こします。からだやこころに必要な、タンパク質やビタミン・ミネラルが大量消費され、不足状態となるために、さまざまな不調があらわれます。
どうしてそんなことが起きてしまうのか。それは糖質が分解されて最終的にエネルギー(ATP)が産出される過程を知るとわかるかと思います。
■ブドウ糖(グルコース)は細胞でどうなるのか
まず、糖質は消化され、ブドウ糖(グルコース)に分解されます。
(1)口の中で「だ液」内の消化酵素により消化される。
※消化酵素の材料は「タンパク質」
(2)胃では消化されない。
(3)十二指腸・小腸にて消化酵素により消化され、ブドウ糖(グルコース)に。
それから、ブドウ糖(グルコース)は小腸で吸収され、血液の流れに乗って細胞まで運ばれていきます。
細胞まで運ばれると、まずは【解糖系】という「工程」で、分解が始まります。酵素が分解に関わり、グルコースがピルビン酸という物質に分解されます。この時グルコース1分子につき2ATP(エネルギー)が産出されます。
そして、ピルビン酸は、「酵素、ビタミンB1、B2、ナイアシン、パントテン酸、αリポ酸」などの力を借りて、アセチルCoAになります。ただ先ほどのビタミン等が不足していると、乳酸となってしまいます。そうするとエネルギー産出の効率が落ちます。こうしたことから、タンパク質はもちろんのこと、ビタミン(特にB群)の摂取はとても大事なのです。一般的に日本人はお米を主食としていますから、ビタミンB群の中でも特にビタミンB1が不足していると思われます。
アセチルCoAは、細胞内の「ミトコンドリア」へ行き、【クエン酸回路(TCA回路)】という工程で「酵素、ビタミンB1、B2、ナイアシン、パントテン酸、鉄、マグネシウム」などの力を借りて分解が進みます。ここでもタンパク質・ビタミン・ミネラルが非常に大きな役割を果たすのです。
そして【電子伝達系】という工程で「酸素、鉄、酵素」などの力を借りて、グルコース1分子につき36ATP(エネルギー)が産出され、二酸化炭素と水に代謝されます。
呼吸するとき酸素を取り込み、二酸化炭素を出すのはこのためです。また鉄分不足は貧血の原因になるだけでなく、実はエネルギー産出にも不具合が生じるということもこれでわかるかと思います。
ブドウ糖(グルコース)1分子
↓【解糖系】★酵素(タンパク質)消費、2ATP産出
ピルビン酸
↓ ★酵素、B1、B2、ナイアシン、パントテン酸、αリポ酸
アセチルCoA「ミトコンドリアで」
↓【クエン酸回路(TCA回路)】
↓ ★酵素、B1、B2、ナイアシン、パントテン酸、鉄、マグネシウム
↓【電子伝達系】★酸素、鉄、酵素
36ATP+二酸化炭素+水
ということで、糖質をとりすぎることで、タンパク質・ビタミン・ミネラルが大量消費されてしまい、結果的にエネルギー産出の効率が落ち、その他身体のあらゆるところで不具合を起こします。そこに食事でのタンパク質摂取不足、ビタミン・ミネラルの摂取不足が重なればなおさらです。例えば私の場合は、消化機能低下・倦怠感・立ちくらみ・花粉症・湿疹などの症状がありましたが、ほとんどがタンパク質摂取強化+糖質摂取制限+メガビタミン・ミネラル摂取で解決したのは以前書いた通りです。
(マガジン内の過去記事)を参照してください。
で、次回は、いよいよ藤川理論の真骨頂、ATPセットについてと、ビタミンCについて書こうと思います。
(参考図書)