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優しい社会で必要な、運やガチャに支配されないキャリアの歩み方(コンサル現場の変化や大企業若手のアンケートから見えること)
今回は、個人のキャリア開発において、社会課題になりつつあると思う事柄について書いてみます。
ザクっと言うと、こんな話がしたいと思います。
<課題意識>
”会社員を取り巻く社会や企業が、優しく/ホワイト化していく中、(見えないところで)成長機会に大きな個人差が生まれている。”
<解決策のご提案>
”誰だって自分を律するのは難しいし、エネルギーをもらえる人を見つけたり、頼ったりして、自分のご機嫌を取る方法を見つけるべき。”
主に、キャリアに悩む若手会社員・フリーランスの方、就活・転職活動中の方、その人たちをマネジメントする方などに、考えるきっかけをご提供できればと思っています。
少し長いですが、きっと背中を押せると思うので、ご一読ください!
まずは手始めに、比較的上記の課題とは無縁・・・?と思われがちな、戦略コンサルタントの仕事風景やその変化から、原体験をお伝えします。
※私個人の、1社での体験に基づいているので、必ずしも業界全体を捉えていない点は、ご理解いただければと思います
■若手コンサルタントの日常
私は、新卒は大企業で営業として働き、直近まで戦略コンサルティングファームでマネジャーを務めていました。
戦略コンサルと言えば、激務で名高い戦闘民族です。
一般に業界に飛び込む人々は、専門性の高い知識があって最初から大活躍!というのは稀で、1年程度(短い人でも半年くらい)は『立ち上がり期間』として、いわゆる調査分析を担う訓練期間になります。
これは、思考の使い方(論点!とか仮説!とか)が、オペレーションを回す企業活動で求められる能力とは異なることが理由の一つです。
私も、入社当初は ”論点の筋が悪い。何が価値か見えていない。” と言われ、ポカーン・・・としました。センスがないってこと?厳しそ?とクヨクヨしたり、突発性難聴で耳が弾けたりしました笑
加えて、文書・スライド作成やエクセル等のハードスキルも学ぶ必要があり、必死で夜に仕上げた資料が、翌朝にはマネジャーの手により原型を留めていない・・・なんてことも頻発。てか、彼らいつ寝てんの。
「調査」というと簡単に聞こえますが、例えば「市場規模調査」一つとっても、こんな指摘がマネジャーから矢継ぎ早に飛んできます。
・「”市場”の定義は?」
・「なぜこのデータを使った?」
・「なぜそういうデータになるか、理由はどう考える?」
・「こんなにマクロに見て大丈夫?着目すべき外れ値は?」
・「市場規模や定性情報からから伺える、事業者間の力関係は?」
・「将来予測に影響を与える因子は?その影響度は?」 …等々
これ決していじめではなく、クライアントに思考を提供することに命を懸けているが故の問いです。
(※実際はマネジャーも寄り添い、唸りながら一緒に考えます。)
(※むしろマネジャーは仮説出しに存在価値がありますし、その仮説構築のレベルでチームの効率性・アウトプットの質が劇的に変わります。)
最初は、上記のような基礎調査が完結できず1週間が過ぎることもザラ。プロジェクトの遅れは投下時間でカバーしていく。
これまではそんな動きが当たり前だったし、その前提で仕事が割り振られ、叱咤激励を受けながら成長して一人前になる。というスタイルでした。
■コンサル業界にも押し寄せる優しさの波
一方で、そんなコンサル業界も、低負荷で働きやすい、サステナブルな労働環境に変わり始めています。
いうまでもなく、この方向性はメンバーの中長期的なパフォーマンス向上や採用・リテンション戦略としては、目指すべき姿だと思います。
一方、クライアントに求められる付加価値のレベルは、情報量で戦えなくなった今、どんどん高まっているのが実情。
更に、コスト増加も相まって提案単価は上昇し、期待値も大きくなる。
そんな中、管理職側の課題として、最短距離で成果を出すための能力開発・仕組み作りが間に合っていないケースもあるように思います。
すると、メンバーに求める仕事の量・質は、低下方向に圧力がかかります。挑戦してもらって手戻りが起きたら、時間で取り返せないので、安全を見た仕事の配分になるのは無理もない。
(絶対に付加価値は落とさないという強い意志もあるし、やることが減るわけではないので、そこは上位層が踏ん張ります。)
![](https://assets.st-note.com/img/1727473655-q0fdvelkVN7FJU8iOPwhEZTW.png?width=1200)
記事筆者の方がOpenworkを整理してくださったもので、企業の公開情報ではありません。
ハラスメント研修も徹底されるものの、”厳しさ” は与える側/受け取る側とも定義が人次第なため、”必要な指導” の水準はどうしても管理職側は安全サイドに振らざるを得ない。
結果、働きやすさは確保される一方、ガンガン働くぞ!!と血走った目で入社した一部メンバーからは、「なんか予想と違う。」、「成長が緩やか。」「このままでいいのだろうか。」という、不安の声も聞こえてきます。
クライアントとお話をしていると、この変化はコンサル業界だけではなく、一般企業でも似たような現象が起きているのでは、と推察しています。移行期ならではの課題です。
■では実際、若手は何を感じているのか?
この課題を考えていく上で、興味深い調査結果があります。
リクルートワークス研究所による、大企業を対象とした新入社員のマインド調査です。
アンケート結果を単純に解釈すると、
『不安や疲れを感じる割合は、微増し続けている』ことが読み取れます。
同調査では、労働時間は短縮、かつ人間環境に関する負荷も低下しているというデータがある中で、少し意外な変化ではないでしょうか。
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https://www.works-i.com/research/project/youth/environment/detail001.htmlより引用
![](https://assets.st-note.com/img/1727475425-kYzXFAqC49efw6HGaKLuoIcZ.png?width=1200)
もちろん、回答基準は個人差があるし、不安や疲れにつながる要因も様々あるはずなので、結果から全体を語りきることはできませんが、
機会が見えないところで失われ、他人のキラキラした情報も入ってきやすく、成長実感も得にくい中で将来に不安を感じる若手が増えている。というのは、課題の大枠を捉えているのではと実感しています。
原因には管理職側の環境不適応もあるとは思いますが、考えるべきポイントは、『私たちが、自らの成長やキャリアを、会社や指導者に依存するスタイルでは、取り残されるリスクが大きくなっている』ということです。
配属ガチャ・上司ガチャは実際存在するのですが、そのガチャに自分の運命を委ねるべきではない。そんな時代ではないでしょうか。
■個人が考え、実施していくべきこと
課題の裏返しですが、「自分でモチベーションを維持・向上し、学ぶ機会を作り出す。」ということに尽きると思います。
「自分で」と書きましたが、「一人で」というわけではなく、そういうサポートを得られる人・場所・機会を意識的に作っていくことが大事。
そのためにも、自分が今何に悩み、何をしたいのか?そのために何を学ぶべきか?を理解していく努力が必要だと思います。
また、そもそも何を学ぶべきか?がスパッとわかる人は多くないはずで、会社から・クライアントから認められるためには、「思い切って視座を上げたり、視点を横に広げてみる」のも必要です。
例えば視座を上げるなら、上司に憑依してみる。日々どんな人と接し、どんな課題をどんな知識や経験を活かして対処しているのか?
何なら、聞いてしまっていい。きっと、若手時代の苦労話も含め、喜んで教えてくれるはずです。
視点を広げるには、本を読む。ビジネススクールの体験会に行ってみる、同期をSNSで眺めるのではなく、少し恥ずかしいけど仕事の話をしてみる 等。
このように、対応策自体は状況に応じて色々あるのですが、問題の根幹は、『行動の起点となるモチベーションをどう、維持向上するのか?』に凝縮されるのではないでしょうか。
■自分のご機嫌を自分で取るススメ
自分でいうのもなんですが、私は、「自分のご機嫌を取るのが上手になってきている」と思います。
「上手だった」のではなく、「なってきている」のです。
時間もエネルギーも無限ではないので、あれもこれもはできません。
私の場合は、時間を溶かす"将来の悩み"の根本を、人にも頼りながら断ち切ることができ、エネルギーを維持し続けることができるようになりました。
大きなきっかけは2つ。どちらも、20代後半~30代前半のこと。
★ 1つ目は、尊敬できる妻との出会い(26歳)。
研究者の妻は、仕事の特性上、活動拠点が国内外に飛び散ります。すると、一緒に暮らすためには、私自身がどこでも仕事ができる状態にならねばならない、という課題に直面しました。
30代中盤で動きがありそうなことは想像がついたのですが、そうなってくると、「ジェネラリストで八方美人で何者でもない自分」が本当にそんなことができるのか?と、心の底から自己嫌悪しました。
今まで、なぜ専門性を作ってこなかったのだろう・・・考える努力もしてこなかったのだろう・・・等、本当に苦しかったのを覚えています。
友人からもらった偶然の気付きもあり、国内MBA進学⇒戦略コンサルへの転職をするなど、なんとか頑張る方向性が見出せましたが、きっと一人よがりだったらこういう決断・未来もなかっただろうなと思います。
人生の中での”成長の必要性” を自分なりに定義し、人からの気付きも得ながら、思い切って成長できる環境に飛び込んだことが、まず大きな転機だったと思います。妻と友人と、当時の自分の勇気に感謝。
★ 2つ目は、第三者のサポートも借りて、自分の行動・モチベーションの原理を理解したこと。(31-32歳)
これは、コンサル2年目にキャリアに悩み、コーチングを受けたことがきっかけです。
危機意識から、がむしゃらに頑張って昇進もしてきた。でも、何か専門性があるわけではなく、このままキャリアを歩んで本当に大丈夫か?と疑問があったタイミングです。
・・・結局、器用貧乏・八方美人を抜け出してないじゃないか。
・・・意義も影響力も大きい仕事に満足し、思考停止しているじゃないか。
そんな自問自答をしていました。
そんな私が選んだコーチングのテーマは、『キャリアの方向性(スキル・業界・働き方)に答えを出す。」
自分の中で軸になる価値観やゴールを見出したいと、藁にもすがる思いで、コーチとのセッションを実施しました。
コーチは、外資系金融機関でバリバリ務めたうえで、主婦・お母さんになる選択をし、今は海外でコーチ兼お母さんに全力を尽くしている人。
コーチングは、私自身の内面にある感情や思考を問いによって紐解き、気付きを引き出す。というのが基本的な寄り添い方ですが、私は彼女をロールモデルだと信じ、色々と意見ももらったり、頼らせていただきました。
結果は、想像とは違う方向で、「自分が一番輝くのは、目の前の仕事に意義を見出し、全力を尽くしているとき。結果や将来の転機は、実力があればついてくるし、今は目の前の仕事に全力投球で大丈夫」と気づけました。
要は、今の仕事の意義や価値を腹落ちするまで言語化し、自分が全力投球するに値する”キラキラ”に仕立てていくこと。これができたことが大きな成果でした。
こう見ると楽天的ですが笑、不安を絶ち、目の前に集中した結果として短期でのマネジャー昇格もしましたし、「自らの可能性を最大限に引き出し成長し続けるための思考術」に気付けて本当によかったです。
おわりに:私も力になりたい
改めて振り返ると、本当はもっと計画的に動けば綱渡り感もなかったのかもな・・・という反省も大きいです。
だからこそ、少しでも多くの人に気付きがあれば嬉しいなと思いますし、人に頼り、自分のご機嫌を自分で取る(≒モチベーションを最大化する)ためのきっかけづくりになれば嬉しい限りです!
実は、そんな方々の力になれればとコーチへの一歩を踏み出しました。
大々的にはまたどこかで告知等しようかと思いますが、もしコメント&メッセージ頂ければ、喝を入れたり寄り添ったりしますので、お気軽にお声かけください!(励まされたいか、詰められたいか、是非添えて頂けると。笑)
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ではまた!