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『「介護時間」の光景』(119)「ホーム」。7.26.

    いつも読んでいただいている方は、ありがとうございます。
 そのおかげで、こうして書き続けることができています。

 初めて、読んでくださっている方は、見つけていただき、ありがとうございます。
 私は、臨床心理士/公認心理師越智誠(おちまこと)と申します。

「介護時間」の光景

   この『「介護時間」の光景』シリーズは、介護をしていた時間に、どんなことを考えたのか?どんなものを見ていたのか?どんな気持ちでいたのか?を、お伝えしていこうと思っています。

 それは、とても個人的なことで、断片的なことに過ぎませんが、それでも家族介護者の気持ちの理解の一助になるのではないか、とも思っています。

  基本的には、同じ月日の日に、現在の状況と並べて、書いていこうと思います。

 今回も、前半は、昔の話で申し訳ないのですが、「2005年7月26日」のことです。終盤に、今日、「2022年7月26日」のことを書いています。


(※ この『「介護時間」の光景』シリーズでは、特に前半部分の過去の文章は、その時のメモと、その時の気持ちが書かれています。希望も出口も見えない状況で書いているので、実際に介護をされている方が読まれた場合には、気持ちが滅入ってしまう可能性もありますので、ご注意くだされば幸いです)


2005年の頃

 個人的なことですが、私にとっては、1999年から介護が始まり、2000年に、母は入院したのですが、私は病院に毎日のように通い、家に帰ってきてからは、妻と一緒に義母の介護を続けていました。

 様々な葛藤がありながらも病院に通い続けて、何年かたった頃、母の症状は安定し、病院への信頼が高まってしばらく経った、2004年の頃、母はガンになってしまいました。

 他の病院に一時転院し、手術もしてもらい、一時期は症状も落ち着いていたのですが、2005年の春には、再発がわかり、もう積極的な治療もできなくなりました。

 そのころの記録です。病気になってから、病院に行く頻度が増えていました。
 焦りと、後悔のような気持ちが強くなっていた頃でした。

2005年7月26日

『台風が来ている。

 外出のことを考えて、土曜日にする。

 病院について、母にそのことを言う。
 母と一緒に、チョコを食べる。

 台風が近づいている話もする。

 夕食は35分くらい。ロールキャベツを4分の1残した。

 その後、テレビを見ていて、旅番組に芸人の「ひろし」が出てきたら、どうしてなのかよくわからないが、顔をしかめて嫌いと言っていた。そのあと、つのだひろがでてきたら、「ひげが汚い」と嫌っていた。

 嫌いが、すごく激しく出るようになっているようで、なんだか気になる。

 午後7時に病院を出る』。


ホーム

 電車に乗る瞬間、周りを少し見た。

 駅のホームって、電車に乗るための場所というだけでしか考えていないけれど、ちょっとでも場所として意識すると、広さ以上に、思った以上に柱が多い、と思って、でも、その印象は電車に乗って、ちょっとたつとすぐに消えてしまう。

                         (2005年7月26日)



 ずっと焦りと不安がふくらみながら、その生活は続いたが、母は2007年に病院で亡くなった。

 それからも、義母の在宅介護は続けながら、心理学の勉強を始め、大学院に入学し修了し臨床心理士になった。介護者への個別で心理的な支援である「介護者相談」も仕事として始めることができたが、2018年の年末に義母が103歳で亡くなり、突然介護が終わった。

 昼夜逆転の生活リズムを修正するのに、思ったよりも時間がかかり、そのうちにコロナ禍になっていた。


2022年7月26日

 先週、人前で介護の話をして、それについて質問が来た。

 それだけきちんと聞いてくれているから、ありがたかったし、その質問に答えることで、その話をしたことの区切りがついたと思う。

 少し伝わったと感じる。まだ、本当にわずかで、10年も経っているのに、広く伝えることは出来ていないけれど、それでも、こうして聞いてくれる人に伝え続けるしかないのだろう、と思う。

筋トレ

 これまでにない以上に、新型コロナウイルスの感染は広がっていって、そして感染者数も増えて、だから、持病を持っていたりすると、さらに不安は大きいけれど、でも、そんな声は前よりもずっと小さくなっているような気もする。

 あとは自分でできることをするしかないから、そんなに効果がないなどとは言われているけれど、明日は妻はワクチンをうつことになっていて、だから、今日のうちに筋トレするかを聞いたら、妻はやる気だった。

 いつものようにメニューをこなし、そのあと、おやつを食べながら、録画していたドラマを見た。最近は、夜中も含めてドラマの本数が増えたように思う。それでとりあえずは録画して、1〜2回見て、面白かったら、続けて見ることにしている。

 タイトルで、どうしようか思っていたのだけど、初回を見て、次からも見る事になった。

眼医者

 先々週に、目が赤くなって、眼医者に行ったら、炎症を起こしています、と言われて、それから目薬を1日に4回さす生活になって、途中で、眼医者に行って、治ってきているので、1日3回になった。

 それでも、今週までは治り方をみたいので、火曜日か水曜日に来てください、と医師に言われていた。それは、今週末から、その眼医者が夏休みになるからだったけれど、今日は雨が降ったり、曇ったりもしていて、それに、今日も眼医者が混雑しているのも分かっていたから、ちょっと気持ちはおっくうになる。

 それでも、午後遅くになってから、どれも読みかけの本を3冊持って、出かけた。

 空は灰色のままだった。

待合室

 眼医者に着いたら、待合室には人がたくさんいた。

 受付で「8人目です」と言われる。

 今日は、冷房対策のため、上着も持ってきたので、やや落ち着いた気持ちで、読みかけの本を読み始める。

 40分待って、呼ばれる。

 医師に「治っています」と笑顔で言われ、やっぱりホッとする。

 さらに、言葉を続けてくれた。

「ただ、木曜日まで、1日に3回目薬をさしてください。
 あとは、やはり疲れが出ないように、2週間くらいは気をつけてください」。

 疲れることをしていないのに、とは今も思う。




他にもいろいろと介護のことを書いています↓。よろしかったら、読んでもらえたら、うれしいです)。





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