未完成であり続けることが唯一残り続ける術なんだと思う
アップデートという概念
ある日の”つぶやき”である。
時にビジネスは完全であることを求められがちである。
100%のモノを製品と呼ぶのかもしれない。
しかし完成した商品というのは完成した時から古くなっていく。
Appleの商品が普及し始めた頃、驚いたのは様々なサービスやアプリケーションがアップデートされるということだった。
それまでインターネットと繋がっていない時代、商品がアップデートされていくなどという商習慣はなく、完成したものを手にするのが当たり前だった。
私は演出やイベントということをその生業としているが完成まで仕上げてリハーサルを繰り返し本番に全てを出し切る。
そんな仕事をしていたのでディテールに徹底的にこだわるのが当たり前であった。
ところが今はプロダクトが生まれたらユーザーそしてクライアントとプロダクトを磨き上げていくことからビジネスが生まれる。
未完成であることが完成であり、未完成であることがその商品の可能性となるのだ。
サグラダ・ファミリアが示す未完成のチカラ
この未完成のプロダクトはずっと更新されていくことを前提としている。
様々な設定要件に沿ってコンテンツが充実していくのだ。
アップストアにあるアプリやiPhoneなど、SpotifyもそうであるしAmazon Primeもそうである。
時とともにコンテンツは充実していくのだ。
それはユーザーにとってもコンテンツのプロバイダーも全てにおいてハッピーなのだ。
このように今を創りながら未来を作っていく。
それが今のプロダクトの在り方である。
私は未完成であることをプロダクトの絶対条件にしている。
未来がより豊かになっていくプロダクトは作り手も受け手もハッピーである。
そして完成しない余白を常に持ち、成長していくプロダクト。
スペインのサグラダ・ファミリアはガウディが設計したモノを100年以上かけて未だ未完成でありながらスペインで最も人気のある観光スポットでおまけに世界遺産に登録されている。
未完成であることが完成への期待を生み、そして進化し続けることを示してくれる。
そして一度訪れた観光者もまた違う顔を見せてくれるこの未完の建物を見にいきたくなる。
未完成ということは進化し続けるという余白を残しつつ、変化することで安定を生みだす。
つまりは未完成であることが唯一残り続ける術なのである。
以前私が投稿したこちらの記事も併せてご覧ください