見出し画像

読書記録「銀河ヒッチハイク・ガイド」

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

今回読んだのは、ダグラス・アダムス 安原和見訳「銀河ヒッチハイク・ガイド」河出書房新社 (2005年) です!

ダグラス・アダムス「銀河ヒッチハイク・ガイド」河出書房新社

・あらすじ
英国人 アーサー・デントは憤慨していた。昨日来た作業員曰く、バイパス工事のため、今日中に我が家を立ち退かねばならないと。

役所に行くと、確かに計画は9ヶ月も前から掲示板に張り出されていたらしい。

もっとも書類は、役所の地下の、電灯の切れた、トイレの便器に放り込まれていたが。

アーサーと作業員の押し問答が続く中、飲み仲間のフォード・プリーフェクト(地球で最も一般的な名前)が訪ねてくる。

聞けば「地球はあと数分で破壊される」らしい。超空間高速道路の建造のために、2分後に消滅させる予定だと。

もっとも、その計画書も50年前から、地球からたった4光年しか離れていないアルファ・ケンタウロスに張り出さえていた。

かくなる上は、ヒッチハイクで地球を脱出するしかない。なんと、フォード・プリーフェクトは、他ならぬ宇宙人であったのだ。

こうして命からがら地球から脱出したアーサーとフォード。

だが彼らに待ち受けるのは、電話番号・・・・に支配された奇妙な縁と、途方もなく馬鹿馬鹿しい真実だった。

そして遂に明かされる、「生命、宇宙、その他もろもろ」の究極の答え。七百五十万年の果てにたどり着いた答えとは。

先々月に紐解いた冬木糸一さんの「SF超入門にて紹介された作品。良い意味で「しょうもない」感じのコメディ作品らしいので、気になって紐解いた次第。

「銀河ヒッチハイク・ガイド」と言えば、皆さんご存知、カバーに記された「パニクるな(Don't Panic!)」が印象的である。

「無重力でやるべきその他五十三のこと」を凌ぎ、「ギャラクティカ大百科」よりも知識の出典として広く認知されている本である。

言わずもがなではあるが、銀河をヒッチハイクで旅するとなると、予期せぬ事態や思いもよらぬトラブルに巻き込まれることもある。

宇宙は大きい。むやみに大きい。言っても信じられないだろうが、途方もなく、際限もなく、気も遠くなるほど大きい。薬局はものすごく遠くて行く気になれないという人もいるかもしれないが、宇宙にくらべたらそんなのは屁でもない。

『銀河ヒッチハイク・ガイド』まえがきより抜粋

広い宇宙において、地球はどんな惑星か。

「銀河ヒッチハイク・ガイド」曰く、『無害』だと言う。

いや、最近改定されて、『ほとんど無害』になった。

宇宙規模で見たら、地球は所詮そのレベルである。

だとしたら、その地球に住む我々人間は、なんとちっぽけな存在であろうか。

そんなとき、有機生命体は「問い」を生むものである。

人はなぜ生まれ、なぜ死ぬのか。生まれてから死ぬまでのあいだ、人はなぜいつもいつもデジタル時計をはめたがるのか。

同著 223頁より抜粋

地球が一瞬で消滅するところから始まり、そこから急に「そもそも地球とは何ぞや?」「人間とはなんぞや?」に通じる急展開。

ただこの作品は、あくまでもジョークとして捉えるのが良い(と思われる)。それは訳者のあとがきにも述べられている。

人生の意味や深遠な真理を求めて賢者や聖人に話を聞きに行き、聞いた答えにがっかりするという小話のたぐいは昔からいろいろある。その手のジョークを考えてみて、とりあえず究極の答えは数字にしようと思った。

同著 296-297頁より抜粋

少なくとも、この本から何か教訓を得るとするならば、、、異常事態が起きても「パニクるな」ということ。

そして、交通安全の標語ではないが、「狭い地球・・ そんなに急いで どこへ行く」くらい、どっしり構えて生を実感すればよろしい。

ちなみに、「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」はGoogleで検索すると、導き出されます。

やっぱりGoogleさんって凄いですね。それではまた次回!


いいなと思ったら応援しよう!

川口 竜也 / 川口市出身の自称読書家
今日もお読みいただきありがとうございました。いただいたサポートは、東京読書倶楽部の運営費に使わせていただきます。

この記事が参加している募集